空と山と暮らし

パラグライダーと山歩きの記録、ときどき家と暮らし。

高断熱住宅で苗育と水耕栽培をしてみる

先月2月22日に、屋内で畑の準備を始めたことを記事にしました。

それから1ヵ月が経過しましたので、現時点の苗の育成状況を記録しておきます。そして、調子に乗ってトマトの水耕栽培も始めてみましたので、今回はそのことを。

─ 目次 ─

苗に必要な照度

我が家は、いわゆる高気密高断熱住宅で、冬でもエアコン1台で家全体を20℃以上にキープできます。(コスパ重視のHEAT20 G2.5レベル、UA値0.38、C値0.4です)。この温度は育苗にも適していますので、これを利用して2月に野菜の種を撒きました。

苗育において、室温は全く心配していないのですが、気がかりは前回記事にも書いた日射強度で、つまり徒長のリスクです。苗を育てる南面の窓には日射取得タイプの断熱窓を施工していますので、理論上は日射遮蔽タイプ窓より日射強度は有利なはずですが、実態としてどうなのか。

まずはお手軽に、スマホの照度計アプリ(無料)で簡易測定してみることにしました。

 

アプリをインストールしてLED電灯の下で測定すると800 lx程度の値が出ており、数値は妥当に見えます。ただ太陽光の正しい測定方法がイマイチ不明で、スマホをガラス面にかざす(鉛直に立てる)と日射遮蔽ガラス越しでも測定値が上限65,535 lxになってしまい、違いが見えません。ということで、太陽高度の浅い朝にスマホを水平面に置いて光が当たりにくくなるようにして比較測定することにしました。

一番左が窓外のウッドデッキに置いた状態、2番目が日射取得ガラス越しの床上、3番目が日射遮蔽ガラス越しの水平面です。2番目と3番目は直射との対比値がそれぞれ91%と56%で、やはり日射取得ガラスは違いますね。サッシの違いは、体感でも日射取得ガラスの方が暖かいことが分かるレベルです。(床の暖まり方も全く違います)

さて、育苗のためには20,000 lx以上が必要といわれ、実測値からは朝から十分な照度になっているようですが・・・植物に必要な波長(光合成:640~690nm、植物育成:420~470nm)をガラスがどの程度透過しているのかまでは分かりません。

ちなみにヤマト住建の窓(エクセルシャノン製 樹脂サッシ トリプルシャノン)の仕様は2022年の記事「注文住宅 設計打ち合わせ - 残課題あり」に記載したとおり以下です:

エクセルシャノンさんのパンフレットに色別の特性が記載されていて選択の参考になります。以下に引用します。

上記の通り、日射熱取得率・可視光透過率・紫外線カット率が記載されており、波長ごとに遮蔽率にかなりの違いがあることが分かります。例えば「ESクリア」に対して「グリーン」は、可視光で2倍程度の遮蔽率(100-53.3=46.7%カット:100-77.0=23%カット)ですが、紫外線は9倍の遮蔽率になります。恐らく可視光領域でも波長によって違いがありそうで、植物育成に必要な450nmと650nm付近の光がどの程度通るのかが見えないのです。

ここは今でも不明で、徒長しないかドキドキしながらの育成になりました。

 

蛇足ですが、昨年エクセルシャノンが「シャノンウインドNS50」という更なる高性能樹脂サッシをリリースしました。[日本初 断熱性能とデザインの両方を兼ね備えた窓シャノンウィンド NS50を使用のモデルハウスを建築 | ヤマト住建]・・・今から家を建てる人、いいなぁ。 

 

育苗の開始

さて苗に必要な日射ですが、育苗を始めた翌日の2月23日から3連休で雪山登山に行き、なんと肝心の窓はシャッターを下ろしたままの環境になりました。

つまり、スタートダッシュの時期に苗床は真っ暗という環境。(我ながら何してるんだ…)

 

そのせいか、無事に発芽したものの、若干ヒョロ長の感じが出てしまったので、慌ててメネデールリキダスで補強です。ちなみに、リキダスはハイポネックス ジャパンのYoutubeチャンネルを見て使い方を習得しました。

園芸塾の枝元塾長・・・面白いし勉強になります。ありがとうございます。

 

このリキダスが効いたのか、徒長気味であった苗が3月上旬には少しガッチリしてきた気がします。良かった。

ちなみに、前回記事で「種まき用のロックウール」と「培養土」との比較をしていました。初動こそロックウールが優勢だったものの、その後はトントンになっており、1か月経つと大差ありませんでしたので、苗床は「やりやすい方で良い」という結論です。

 

また、発芽率が不安で1ポットに2-3粒ずつ種を撒いたのですが、ほぼ全部で芽がでています。今どきの種の品質は素晴らしいですね。ただ、苗の数が過剰になってしまいますので、適宜間引いて選別していこうと思います。

 

そして春分の日が過ぎて暖かくなってきましたので、早めに明るい外に出してあげたい気分なのですが、まだまだ屋外は最低気温5℃以下になります。夏野菜の耐寒温度の限界は10℃の品種が多いので、当面は屋内で様子見ですね。試しに間引いたトマト苗を外に植え直してみたら最低気温2℃になり見事に枯れてしまいました。危ない、危ない。本命苗のお庭デビューは4月中旬まで我慢です。

それまでに庭を占めているブロッコリ・レタス・キャベツ諸々をどこかで見切り、土づくりを始めますので、そのときまた記事を書いてみます。

トマトの水耕栽培に必要なこと

さて、予想外に高い発芽率で苗数が過剰になったのと、暖かくなるまで待ちぼうけもツマラナイので、余った苗で水耕栽培にもチャレンジしてみることにしました。今回は我が家の食卓でニーズ上位なミニトマト水耕栽培に挑戦です。

 

レタスなどの葉物系の水耕栽培はお手軽な水耕栽培ポッドで既に実施済なのですが、トマトの水耕栽培は葉物野菜のように簡単にはできないようです。色々調べてみると、以下3つが必要ということでした。

  1. 10L以上の保冷容器(夏に大量に水を吸う+結果のために低温維持が必要)
  2. 水耕栽培用の肥料(ハイポニカなど必須栄養素を含むもの)
  3. 水ポンプ(酸素供給&水攪拌)

まず1の保冷容器は、近くの角上魚類で買い物をした時に綺麗な発泡スチロールを入手しました。水が15L程度入りそうなサイズで、水交換(補充)の頻度を少なくできそうです。念のためこれを洗って育成容器にします。

 

次の2の肥料ですが、これはチッソ/リン酸/カリの三大要素だけでなく、それ以外の必須栄養素も含んでいる必要があります。土耕栽培では土壌に含まれる微量な必須栄養素を利用できますが、水耕栽培には基本的に水しかないため、意識的に栄養素を補充する必要があります。水耕栽培といえばハイポニカが定番ですが、今回は手持ちの微粉ハイポネックスで代用してみます。

 

最後の3の水ポンプは、今回は安価でメンテ性の良いエアポンプで代用してみます。4月以降にベランダで育てることを考えるとコンセント無しで使えるものが望ましいため、太陽光で動作するWINGSOLAR製のハイブリッド ソーラー エアポンプ(Amazon 3,180円)を購入しました。これが優れもので、太陽光を当てるとポンプが動くだけではなく、余剰電力をバッテリ(エネループ単3電池)に充電でき、夜間はバッテリの電力で動き続けてくれます。非常にシンプルな構成で、故障してもDIY的にモータだけ自分で交換できるのが素敵です。

 

水耕栽培への移植

では早速セッティングしてみます。本当は一から水耕栽培用に育てた苗が良いのですが、今回は土で育てた余剰苗を使いますので、土の細菌が残らないように綺麗に苗を洗って水耕栽培に転身させます。

そして発泡スチロールに、微粉ハイポネックスを1,000倍希釈相当にした水を投入します。水の深さは根の1/2~2/3が埋まる位がよいとのこと。合計7Lほど入れました。

微粉ハイポネックスが水に溶け切っていませんが、園芸塾の枝元塾長曰く「仕様」とのこと。

溶けなくて問題ないようですので、最初に軽く混ぜて、そのまま放置にしています。

そして、今回は土で育った根っこから水耕栽培用の根っこに切り替える必要がありますので、ここでもメネデールリキダスを投入してみました。いろいろ混ぜすぎてEC値がターゲット値を超えているのではという心配もありますが、563円の激安ECメータの納品がまだのため、ハイポの希釈量を信じて様子見です。

 

で、発泡スチロールの蓋から苗が出るようスポンジで高さ調整してセット完了。太陽が出るとエアポンプも元気に動いてくれました。

3月は最低気温が低くベランダに出せませんので、2Fの2ndリビングの日当たりが良い場所に置いてみました。エアポンプはモータ音が大きく、現状は深夜はモータを止めています。ベランダに出せたら放置で大丈夫と思います。

 

水耕栽培の初心者なのにセオリーから外れることが多めな気がしていますが、このトマトがどうなるか、記録を残していこうと思います。

おまけ:観葉植物の現状

100均一のノーマル サンスベリアは無事に冬を越しました。株から離れたポイントに新芽(葉?)が出始めており、今年も順調に株増しできそうな雰囲気です。

 

冬から始めた変わり種サンスベリアは2種とも変化なし。まだ根張りが少ないと思われ、春以降の変化に期待です。

 

多肉植物は葉っぱに大きな変化がないのですが、一番手前のエメラルドフラッシュは、なんか髭のようなものが伸び始めてしまいました。

なんか、やってしまったか(!?) と思いましたが、近所のホームセンターに行ったら、どの子も髭が伸びていましたので、エメラルドフラッシュの仕様のようです。動きにくい多肉植物ですが、コイツは成長が分かりやすくて良いです。そして、脇から子どものエメラルドフラッシュも増え始めましたので、そろそろ株分けをしても良いかもしれません。いつか、吹き抜けの窓枠エリアが多肉植物で埋まる日が来るといいな。

 

 

お決まりのハッシュタグを書いて終わります。(ヤマト住建の公式アンバサダーになった経緯はコチラ

#ヤマト住建公式アンバサダー

#yjオーナー

加湿器その後

先月、以下の加湿器の記事を書き、ダイニチ工業製HD-RXT723を購入しました。

購入から1か月が経過しましたので、今回はその後の実態を記事にしてみます。

 

─ 目次 ─

加湿器の性能は足りたのか?

前回記事では、高気密高断熱な我が家で必要な加湿性能を試算し、HD-RXT723が1台あれば相対湿度55%~60%レンジを狙えると書きました。これが実際どうだったかといいますと、加湿性能は想定した通り十分で、加湿器1台で家中を相対湿度55%以上にすることができました。HD-RXT723は気化式として動作するECOモード(加湿量:460mL/h)と温風を使う標準モード/ターボモード(加湿量:800mL/h)がありますが、省電力なECOモードのみで相対湿度55%を超えています。

ただ想定外だったのは、上限と考えていた相対湿度60%を超えてしまうことが多々ありまして、思ったよりも湿度管理は難しいなと実感したのです。

加湿しすぎの原因

もともと家の湿度については昨年の記事「加湿シーズンのための暮らしの切り替え」と「加湿器はいらない…?」の通り、加湿器がなくても相対湿度40%~60%を維持できていました。そこから、肌保湿のために下限が55%になるように底上げすることを狙ったのですが、当然のことながら元々湿度が60%近くになる風呂上り、具体的には風呂CF(代替のサーキュライト)を稼働させた直後は、家の湿度が高い状態で風呂からの加湿が行われることになり、湿度がカビリスクの60%を超えてしまうのです。

写真の通り、湿度50%設定で湿度67%に…

 

風呂CF以外にも、加湿効果のある洗濯乾燥機や食洗器が動いていると、相対湿度は60%を超えがちになります。HD-RXT723は設定湿度を上回るとファンの回転が遅くなっており、加湿抑制コントロールは正常に動いています。ファンが完全停止していないのが少し気になりますが、例えSwitchBot連動で加湿器を完全停止させたとしても、周囲から加湿されるのは加湿器で止めようがありません。

湿度が上がりすぎてから加湿器を止めても手遅れなので、対策としては入浴の準備をしだす頃から加湿器を止めて湿度を下げておいたり、洗濯乾燥や食洗器を動かす1-2時間くらい前から加湿器を止めたりすれば良いのですが、これが正直メンドクサイ。止め忘れること必至です。

加湿効果のある機器の方を止めても対策になりますが、乾燥させない洗濯乾燥機や食器洗い乾燥機というのは、本末転倒です。

正直、センサ付き加湿器を使ったとしても、相対湿度55%-60%で安定させることは無理筋だったという気がしてきましたが・・・うーん、困ったぞ。皆さん加湿器の運用はどうしているのでしょうか。

現実的な加湿器の運用

湿度を5%レンジで自動コントロールする妙案は、現時点で思いついていません。湿度の実測値から加湿器をオン/オフする自動制御では生活で発生する湿度変動に追従できず、やるとしたら日々の暮らしの統計データや気象予報から1-2時間後の湿度変化を高度に予測して加湿器をコントロールする必要があると思われます。しかし完璧な予測は不可能。

であれば、湿度が閾値を超過しそうになったら冬でも冷房を動かして急速に除湿させる設定をするか。・・・エアコンは流石にやり過ぎですね。

冷えて乾いた外気を取り入れることも案の1つですが、窓の自動開閉は難しそうなので、やるとしたらキッチンの同時吸排換気扇をスイッチボットで動かすとか。・・・いきなり動いたら煩いか。

 

ちなみに、カビ予防としては、相対湿度60%超過がダメかというとそうではありません。公益財団法人文化財虫菌害研究所の論文「カビの予防と防菌防黴」によると、好乾性カビであっても発育最低相対湿度は65%ですので、相対湿度64%まではカビ予防が成立します。

ただ部屋の中央が室温22℃/相対湿度64%だったとしても、窓や外壁近辺(壁内)は温度が下がり、つまり絶対湿度が同じでも相対湿度が上がります。この冷却部のマージンを見て相対湿度60%をリミットに考えているのですが、部屋の湿度が上がったからといってすぐに壁内の湿度まで上がるかというと、ここにはタイムラグがあるわけです。このあたりが見極められれば「n分間は室内の相対湿度65%まで耐えられる」のような話ができるのですが、非定常計算まで含めた相対湿度の限界値を求めるのは難解ですし、論文などの事例もパッと見つかりません。

ということで、とりあえず現時点では、結露計算で結露判定する湿度を上限として、湿度管理するよう見直すことにしました。我が家の場合は、壁構成(A種EPS特号/キューワンボードの内外断熱)と気象条件(最低外気温-5℃、室温22℃)の結露計算上の限界値=相対湿度:66%を真のリミットとして、以下の条件で手動で加湿器運用をしていく予定です。

・基本は相対湿度55%~60%で運用

・1時間だけ相対湿度61%を超えて66%まで上げてOK

・相対湿度67%は超えない(1分間でもNG、ただし浴室は除く)

・入浴/食洗/洗濯乾燥の前は加湿に備えて相対湿度50%まで下げてOK

今年だけかも?

さて、手動運用の課題はヒューマンエラーです。試行錯誤している1年目はともかく、2年目以降は私のズボラ性格が発動して管理がいい加減になることは目に見えています。できれば来年までに追加対策を打っておきたいですが、もしかしたら加湿しすぎは今年が特例かもしれません。特例というのは以下2点です。

  1. 竣工初年度のベタ基礎からの加湿増し
  2. 例年にない暖冬

まず1ですが、昨年3月末に新居に引っ越してまだ1年経過していないことから、まだまだ基礎からの加湿が多いはずです。来年は基礎の乾きが進んで加湿しすぎが抑えられると考えています。

次の2は今年が例年にない暖冬で、そもそも屋外の湿度が高めということ。加湿器が到着した1月20日は暦上で二十四節気大寒でしたが、東京の最低気温は4.6℃と高く天然の除湿が弱いために、屋内は加湿器なしで湿度50%程度ありました。そのまま一番気温が下がる翌朝の温湿度計の実測記録を見ると、AM6:00で外気6.9℃、絶対湿度6.53g/㎥(相対湿度85%)で、とても真冬の絶対湿度に見えません。この屋外コンディションで屋内の湿度を55%に上げておくと、何かのキッカケで屋内の湿度が60%超えした時に加湿器をオフしても、24時間換気だけでは湿度がなかなか下がらないのです。

ちなみに2月中旬に入り、例年は寒さが堪える時期のはずですが、最近は天気予報で4月の陽気と言っています。これでは暖房も加湿も不要です。

【追記】翌2月20日の温度記録が笑える値でした:

2月の早朝というのに、外気:14.9℃、絶対湿度:11.47g/㎥。加湿器を止めても室内の湿度が60%越えで、もはや春を通り越して梅雨の雰囲気です。

温暖化の傾向はあるにせよ、今年は外れ値的に暖かいと思いますので、来年はもう少し寒くなって、加湿しすぎても湿度を落としやすくなるのではと期待しています。ということで、加湿管理については来冬に再び実測してみたいと思います。

 

おまけ

先週はバレンタイン。去年はチョコではなく私の好きなミルクレープだったことをブログに書きました。

今年のバレンタインもミルクレープ。しかも、巷で話題の特製クリーム「なまくり」を妻がゲットしてきてくれまして、泡立ててくれた甘め生クリームと特製「なまくり」をブレンドしたミルクレープを作ってくれました。

メチャおいしい。本当にありがとう。

 

お決まりのハッシュタグを書いて終わります。(ヤマト住建の公式アンバサダーになった経緯はコチラ

#ヤマト住建公式アンバサダー

#yjオーナー

太陽光発電は冬至にどうなる?

今日は新居に引っ越してから初めての冬至です。太陽の南中高度は東京で約32°となり、1年で一番低くなります。太陽光パネル発電効率が入射角の観点で最も悪くなる時期ですね。年1回の機会ですので、今回は冬至太陽光発電の状況を確認してみました。

 

─ 目次 ─

太陽光パネル

我が家の太陽光パネルの積載量は3kWです。ファミリー向けに推奨される5kWを載せられると良いのですが、東京の戸建て住宅はなかなか厳しい。ただ、設計当初は2kW位しか載らないかもと言われていましたので、設計士さんと工夫して3kWまで増やすことができたことに満足しています。(とはいえ、昨年に注文住宅⑱BELS、太陽光発電、省エネ で「ペロブスカイトが安価になれば南西壁面に太陽光パネル(シート)を増設」と書いた通り、将来の技術進化で4~5kWへ増設することもコッソリ狙っています 笑)

さて、ファミリー向けとして3kWは少ないものの、我が家のような二人暮らしでは自家消費メインで考えると、実は良い塩梅の発電量にも見えていたりします。少し実態を見てみましょう。

引っ越し後の発電量

我が家はヤマト住建で建てておりまして、標準仕様でHEMS対応のためPanasonic製AiSEG2のモニタで電気の使用状況が簡単に確認できます。引っ越し後の記録写真にAiSEG2を写したものが残っていました。

日時は4月7日 9時13分。搭載している太陽光は3kWですが、それを超える3.4kWを発電してくれていますね。当時はエコキュートの昼沸かし設定をしていなかったので、朝食後の9時頃から手動でエコキュートを沸かすようにしていましたが、十分余力がありました。

その後の夏は、連続稼働する家電としてエコキュートの他に24時間連続稼働のクーラー(100-300W)、朝食後にまとめて行う食洗器(100-700W)、朝の着替え後の洗濯乾燥機(350W)、8:00-19:00位の仕事用PC群(100W)が主な機器で、変動はありますがMAX約2.2kW。太陽光が強く降り注ぐ時期は余力がありました。売電するので無駄にはなりませんが、ある意味やや過剰だったとも言えます。

冬至の発電量

そして12月になり、今日が冬至。今はエコキュートを自動で昼に沸かす設定にしていまして、稼働時間は外気温や消費湯量で変動しますが、冬は11時過ぎから14時くらいの3時間で沸かしているようです。スマホの自動キャプチャ記録を確認したところ、今日は11:20からエコキュートが880Wでフル稼働していました。それに加えて、食洗器(630W)と洗濯乾燥機(350W)が動き、2Fで仕事PC(100W)が動いていました。その時の、消費電力が2.0kW。

お昼前には食洗器と洗濯乾燥が完了しますので、連続稼働する家電群は11時台が日常のピークです。

で、その時の発電量が2.1kW。夏の発電量と比べると大幅ダウンなのですが、冬は24H稼働のクーラーが無いこともあって、使用量との対比でみると狙ったようにイーブン! ちょうどよい塩梅なのです。

 

ちなみに日中は日射取得で暖まりますので、暖房は室温の下がる夕方からスタートで良いのですが、太陽光で自家消費できる時間に家全体を過剰暖房で暖めることもできます。1Fエアコン(ノクリア)は、起動後しばらく800Wの大電力で動き、室温が24℃になると後は120W程度でエコ稼働になりますので、我が家は太陽光の自家消費が使えるうちにノクリアを初動させるように運用しています。(エアコンのオンタイマーをエコキュートが終わっている14:30にするだけ)

こう運用することで、3kWの太陽光を余すことなく自家消費に当てることができています。(売電は3,000円/月位になっちゃいますが、売電はオマケ扱いです・・・)

 

少し話が脱線しますが、月初の記事:加湿シーズンのための暮らしの切り替えで、湿度管理のことを書きました。冬至の今日は屋外の絶対湿度が写真の通り2.9g/㎥(11℃ 29%)と低いですが、加湿器無しで約50%の相対湿度が維持できています。先々週の記事:加湿器はいらない…?エコキュートの凍結防止措置としてお風呂のお湯貯めを始めており、これが湿度に対しても期待以上の副次効果になりました。お風呂の湯温が下がる朝に食洗器と洗濯乾燥機をスタートしている(水蒸気が発生する)ことも、バランスの良い加湿になっているのかもしれません。洗面所だけ相対湿度が55%と高めなのは、お風呂隣接なのと洗濯乾燥機が洗面所で動いているからだと思います。ということで、加湿器の購入はしばらく見合わせになりました。

2人家族はパネル3kWでもOK説!?

冒頭で、ファミリー向けに推奨される太陽光パネルは一般的に5kWと言われていると書きましたが、やはり暮らし方次第だと当たり前のことを再認識しました。一般的には恐らく4人での暮らしを想定していると思われ、単純に人数比にはなりませんが、二人暮らしは明らかに必要な電力が下がります。光熱費を下げるための高断熱高気密が効いていることもありますが、思ったより電気を使わないのです。

ということで、先の「ペロブスカイトでパネル増設案」も暫く見合わせです。もちろん、将来EVを買って太陽光で充電したり蓄電池で夜間電力も賄おうとしたら再検討になるかもしれませんし、エンジニアとして興味本位でパネル増設したくなるかもしれません。その機会があれば、また記事にしてみます。

 

お決まりのハッシュタグを書いて終わります。(ヤマト住建の公式アンバサダーになった経緯はコチラ

#ヤマト住建公式アンバサダー

#yjオーナー

加湿シーズンのための暮らしの切り替え

11月8日に「11月にエアコンで除湿!?」という記事を書いてから早3週間。さすがに11月下旬になると夏日になることもなくなり、絶対湿度が10g/㎥以下で安定してきたため、ようやく夏用エアコンがシーズンオフの休暇に入ることができました(よもや12月に夏日は来まい…)。

朝晩に外気温が冷え込むにつれて天然の除湿が大きく効き始め、屋内の相対湿度が40%を切る日も増えてきました。湿度管理のために各種の運用切り替えを行いましたので、今回は備忘録を兼ねてそのことについて書いてみます。

─ 目次 ─

11月の振り返り

まずは11月の東京の温湿度データを振り返ってみます。データソースは「気象庁|過去の気象データ・ダウンロード」から。(絶対湿度は平均蒸気圧(hPa)と平均気温(℃)から算出してグラフにしています)

目を引くのは、11月初旬の時期外れの連続夏日。東京の最高気温のピークは11月7日の27.5°で、とても11月の気温には見えませんね。これだけ暑いと湿度も否応なく上がり、休暇に入ったはずのエアコンに再登板してもらったことを書いたのが3週間前の記事でした。それから1か月経っていませんが、本日12月1日の最低気温は4℃で冬日、明日は1℃予報です。夏日から冬日まで季節の移り変わりのなんと早いことか…。

湿度の観点でも、気温がピークだった11月7日以降から絶対湿度が下がり始め、11月10日には11.5g/㎥になり、その後は安定して10g/㎥を下回るようになりました。これで除湿の必要がなくなったため、夏用エアコンを再び(今回は送風のみで)クリーニングしておきました。

 

一方、朝晩の冷え込みが強くなると外で天然の除湿が始まり、11月中旬で一番の冷え込みとなった11月14日にリビングの相対湿度が40%まで下がりました。(グラフはリビングに設置したSwitchBotの温湿度計データから)

最も相対湿度が下がったのは昼下がりの11/14 13:42。晴れた昼間は日射取得で部屋を暖めますので、どうしても相対湿度が下がりやすいです。家の中は年間を通して相対湿度40%~60%におさめることを狙っていますので、これからは加湿を意識した暮らし方に変えていく必要があります。

湿度コントロール① 除湿

加湿の話をする前に、まず逆の除湿についておさらいしてみます。

東京の夏は効率的な除湿手段が限られており、現実的にはエアコンか除湿器を動かすしかありません。それ以外に暮らし方での工夫もできますが、あくまで除湿のサポートという位置付けになります。我が家は除湿のベースとして夏用エアコン1台を用い、プラスαの除湿支援として除湿効果の高い順に換気、お風呂、炊事で以下3点を行っています。

  1. 全熱交換式の第1種換気の採用、1F/2Fトイレの高気密電気式シャッターファン
  2. 入浴中のお風呂の換気扇稼働と入浴後の風呂CFによる湿気拡散
  3. 料理のお湯沸かし後に換気扇を長めに稼働

まず1項目の換気は建築設計の話に遡るのですが、家を建てたヤマト住建ではハウスメーカ標準仕様で全熱交換式の第1種換気を採用しており、我が家もこれを入れました。また通常は第3種換気になる1F/2Fトイレの換気扇を人感センサー式高気密電気式シャッターファンにしており、使用頻度から考えてトイレ換気はほぼ無視できる湿気流入量になります。第一種換気はPanasonic製で有効換気量率は90%ですが、湿度回収性能は約70%と言われています。これに我が家のC値0.4(隙間給気量の割合:約25%)を掛けると0.7×0.75=0.52で、換気として外から流入する湿気(水分)の約52%分を除去できることになります。換気は24時間動き続けますので影響大です。

 

2項目のお風呂から暮らしの工夫になります。お風呂の湿気は浴室換気暖房乾燥機と洗面所のサーキュレータでコントロールしています。我が家はハウスメーカ標準でTOTO浴室換気暖房乾燥機「三乾王」を設置しており、この三乾王には[暖房/衣類乾燥機能]以外に[換気機能]と[涼風機能]が付いていまして、ここでは後者2つを使用します。(暖房機能は電気喰いなので出番なしです)。

また洗面所にはシーリングにCIRCULIGHT(サーキュライト)を付けています。サーキュライトは昨年のブログ記事「注文住宅⑭ 空調の事前検討」でも触れましたが、オーブルデザインさんの風呂CF(循環ファン)を参考にしたもので、脱衣所のシーリングから浴室に向かって空気を吹き込む位置に設置されています。

サーキュライトは上下左右に向きを変えられるため、真下に向けたり浴室に向けたりできます。天井付けなので、温かく湿気が多い上部の空気を移動できること、サーキュレータが動線の邪魔にならないことが良いです。三乾王とサーキュライトはどちらもリモコンがあり、浴室横の壁に取り付けてあります。

 

便利なのがタイマー機能で、どちらも2時間程度で自動OFFでき、止め忘れがありません。

除湿シーズンのお風呂運用は以下3ステップになります。

  1. 入浴時に三乾王の換気ON。以降、出入り以外はお風呂の扉を閉めます。
  2. 入浴後はサーキュライトを下向きONにして涼みながら体を拭きます。
  3. お風呂ラストの人は着衣/化粧水など終わったら、三乾王の涼風ON、サーキュライトの角度を風呂側に向けて、2~4時間でオフタイマセットします。

最後はサーキュライトだけで良いと思いますが、素早く浴室を乾かすために、浴室換気暖房乾燥機の内部循環の送風モードを使っています。風呂後は一時的に湿度が上昇してしまいますが、ファンを作動させると10分程度で相対湿度を60%以下にできます。今年の夏はこれで運用し、お風呂にカビは見られません。

 

除湿支援の3項目は料理で発生する水蒸気の処理ですが、特に麺類などを茹でるときなど大量の湯気が出たあとは、少し長めに換気扇を回して湿気を外に出すよう心掛けています。コンロ周りの空気の絶対湿度量が外気のそれより低くなったら換気扇を止めて良いのですが、このあたりの正確な把握は難しいのでアバウトです。あくまでエアコン除湿のサポートとしてできる範囲で対応ですね。

 

除湿の工夫は以上で、最終的には電気代を掛ければF式で24時間連続稼働させている再熱除湿エアコンがなんとかしてくれますので比較的カンタンでした。いちおう、電気使用量についても確認してみます。

 

ご参考まで、我が家はオール電化で太陽光は南東面に3kWのみ。家族構成は2人、私は在宅テレワークでPC3台がほぼ稼働。湿度に関しては、お風呂:毎日湯張り派、食事:三食自炊派です。

電気代は、いちおう真夏でも従量電灯Bプランの2段階料金超過となる300kWh未満に抑えられ、猛暑だったピークの8月でも1万円未満でしたので当初想定より低めでした。

※電気プランは去年の燃料費調整額高騰で上限のある従来電灯Bにしています。TEPCOが料金変更した今となっては見直すべきですが、このあたりはまた今度。

湿度コントロール② 加湿

加湿は基本的には除湿の逆をやることになります。まずエアコンの逆として加湿器を買ってしまえば簡単なのですが、できるだけ加湿器を使わない運用を考えてみます。

加湿支援として効果の大きいと考えているものから挙げてみます。

  1. 全熱交換式の第1種換気の採用、1F/2Fトイレの高気密電気式シャッターファン
  2. お風呂の換気扇の完全停止、(入浴後の涼風モードとサーキュレータは稼働)
  3. 料理のお湯沸かしで換気扇を使わない
  4. 追加で観葉植物
  5. (洗濯乾燥・・・対象外)

上記1~3は、除湿の工夫の反対の運用ですね。全熱交換式の第1種換気は、夏に湿気流入を防いでくれましたが、冬は換気で流出する水蒸気を52%回収してくれます。24時間動きますので加湿効果も多いです。

お風呂の水蒸気も有用な水分ですので、これをみすみす外に出してしまうのはもったいない。カビ防止のため、浴室乾燥機の涼風モードとサーキュライトによる室内循環のみを稼働しています。タイマの使い方は夏と同様です。

料理は、匂いの出るものは当然換気しますが、IHでは麺類でお湯を沸かすようなケースで外部に放出すべきガスが発生しませんので、そのような場合は換気扇を止めておきます。部屋も暖まりますので、一石二鳥ですね。

 

さて、加湿ならではの暮らし方として、4項目の観葉植物があります。葉の蒸散量が定量的にどの程度かは微妙なのですが、よく「NASAの実験で他の観葉植物に比べて蒸散作用が多かった」という噂話を聞くサンスベリア(虎の尾)を育てています。

4月に100円ショップで購入した株が無事に大きくなり、子株も増えてきましたので今後さらに成長させて加湿の支援に役立ってもらいます。

なお、NASAの蒸散研究を裏取りのためエビデンス探ししてみたのですがネット検索で見つからず。似た研究で「屋内空気汚染の軽減のための観葉植物」のペーパーが見つかりました。ここから蒸散量も類推しているのかな?

"INTERIOR LANDSCAPE PLANTS FOR INDOOR AIR POLLUTION ABATEMENT"

 FINAL REPORT--SEPTEMBER 15, 1989  (NASA)

 

(赤枠は筆者記入)

表はホルムアルデヒドの24時間での除去量で、赤枠のサンスベリアが31,294μg。これだけ見ると竹ヤシ(76,707μg)やドラセナ(48,880μg)の方が多いですね・・・。葉っぱの単位面積[c㎡]あたりだと、サンスベリア:10.9μg > 竹ヤシ:5.4μg > ドラセナ:3.2μgですので、そういう見方でサンスベリア優勝ということでしょうか。

なお、我が家はサンスベリア一本鎗ではなく、ほかにもスーパーで買った豆苗の再生産とか多肉植物を育てています。

 

少なくとも日々水やりしている水分は、植物に蓄えられてしまう分を除けば、鉢の自然蒸発も含めると全て水蒸気になっているはず。地道に継続していきましょう。

 

最後の5項目の洗濯乾燥ですが、こちらは対象外にしました。洗濯乾燥は話題の「乾太くん」は使っておらず、我が家はノーマルの洗濯乾燥機です。ヒートポンプ式で結露水は排水に流れるため除湿の夏は好都合ですが、加湿の冬は水分がもったいない。本気で加湿の支援を考えるならば、冬は部屋干し乾燥が一番です。が・・・、やっぱりボタン1発で乾燥まで終わってしまう自動乾燥が圧倒的に便利で、しかも干すよりタオルがふわっふわ。ということで、生活クオリティ優先で冬も洗濯乾燥を稼働させています。

 

一応、上記4点の工夫で今のところは相対湿度40%を下回らないようにできています。が、まだ12月初めというのに40%ギリギリの事も多いです。本格的に暖房を使う冬になったら、相対湿度が40%を下回ることは必至という気がしますので、加湿器は避けられないのかな。その場合は無理せず加湿器を買おうと思います。

加湿器を買うなら加湿性能と消費電力のバランスから、「気化式」か「気化ハイブリッド式」と考えていますが・・・いつもブログが長くなってしまうので、今回はここまで。加湿器の検討は12月のどこかで記事にしてみます。

 

お決まりのハッシュタグを書いて終わります。(ヤマト住建の公式アンバサダーになった経緯はコチラ

#ヤマト住建公式アンバサダー

#yjオーナー

11月にエアコンで除湿!?

今年の夏は例年にない猛暑で、気象記録を塗り替える日が相次ぎました。10月に残暑が終わり絶対湿度も12g/㎥を切って夏用エアコンが長期休暇に入っていたのですが、昨日(11月7日)に驚きの天候が訪れ、まさかのエアコン再登板になりました。今回は改めてエアコンのことを書いてみます。

─ 目次 ─

暑すぎる夏

今年の暑さは、体感だけでなくデータにも表れています。気象庁の報道発表「夏(6~8月)の天候 - 気象庁」によると、日本の平均気温が、統計を取り始めた1898年(明治31年)からの125年間で最高値を叩き出したとのこと。ちなみに過去2番目に暑かった年は2010年の平年+1.08℃。今年は平年+1.76℃ですので、2位に63%増という大差をつけての記録更新です。

さらに気温だけでなく、日本海の海面温度も初の30℃超え記録という事態。それと関係してか、9月の天気予報では新潟や秋田の最高気温が東京の更に上を行く日も多く、驚いたものです。

ちなみにこの暑さは日本だけでなく、世界平均気温(1~10月)も観測史上で過去最高(2023年は「最も暑い年に」 世界平均気温、16年超す | 共同通信)なのですが・・・話が脱線しちゃいますので戻します。

我が家の夏

日本が暑い夏なら東京も同様でして、東京の7月の平均気温も観測史上で過去最高。我が家は今年3月に新居へ引っ越しましたので、1年目の夏にいきなりボス戦という状況です。そのボスと戦うための武器は、6畳用エアコン1台!

・・・もちろん無謀な賭けではなくて、6畳用エアコンを支援するための後ろ盾があります。それは高気密高断熱住宅(ヤマト住建、YUCACOは無し)と、F式(フエッピーさん)のエアコン運用ノウハウ。エアコンの検討やF式の事は昨年12月の「注文住宅⑭ 空調の事前検討」でも書きましたが、家の冷房負荷を計算して6畳用エアコン(2.2kW)でマージン込み十分と試算しています。

 

もともと日射遮蔽が適切にされた高気密高断熱住宅ではエアコン1台で家全体の温度を下げるのは難しくなく、むしろ最小の6畳用でも冷えすぎてしまい、どちらかというと快適性や家の長寿命化のために屋内の相対湿度を60%以下に抑えるコントロールの方が肝になってきます。これから夏の気温が上がっていけば、外気の湿度も上がりますので、今後ますます除湿が重要になるはず。

そこで活用したのが、先の注文住宅シリーズ⑭でも紹介した、いわゆるF式の「エアコン1台 全館冷房(除湿)」です。

※フエッピーさんのブログではエアコンの運用方法だけでなく、背景となる除湿の意義・有用性も知ることができました。貴重な情報、ありがとうございます!

 

我が家ではF式のセオリーにならい、冷房用エアコンを階段(兼吹き抜け)ホールに設置しており、かつ確実性を重視して再熱除湿付きのエアコン(三菱電機 霧ヶ峰、MSZ-JXV2223)を採用しています。

ちなみに、JXVの旧機種であるJXV2222に関する情報はネット上で多く見られますが、今年発売されたJXV2223に関する情報は少なく、今日時点で「JXV2223 "F式"」でググっても本ブログの過去記事「注文住宅㉓エアコン再々検討」しかヒットしませんでした。このブログがJXV2223+F式エアコンをトライされる方の事例として参考になれば幸いです。

夏用エアコン JXV2223の運用

JXVシリーズは、同じく再熱除湿機能を搭載した日立の白くまくんや富士通のnocria(ノクリア)と違い、再熱除湿と明示されたボタン/スイッチがありません。少し癖のある機種なのですが、リモコンの「体感」スイッチONにすると再熱除湿と冷房が自動で切り替わるモードになり、「体感」スイッチOFFは再熱除湿を使わないモードのようです。このため、梅雨や秋口は体感ON、再熱不要の夏の昼間は体感OFFにすることで、消費電力を削減できそうです。

6月に梅雨入りし、F式セオリーの冷房23℃設定、風速最弱(静)で下向き設定を試したのですが、設定した通りの23℃になり冷えぎみになってしまう。ここで温度を26℃に設定したところ、温度が下がらず除湿が効くことを確認しました。設定は「体感」ONです。これが再熱除湿の力か…!いやはや、楽ちんだ。

 

夏の間に試行錯誤して、最終的には以下のように、基本的には25.5℃に設定し、風呂上がりや涼しくしたいときに温度を微調整で下げる運用に落ち着きました。

※なお、温度表示の上にある「体感」表示は、体感ON(再熱除湿有効)であることを示しており、体感ONの状態で「除湿調整」ボタンを押すと、相対湿度を40%~70%の範囲で設定できます。40%は過剰(消費電力が増える可能性がある)と考えて、ここでは相対湿度を50%に設定しています。また、「ピークカット」という設定は、エアコンの最大出力を抑える設定で、エアコンのCOP(成績係数・エネルギー消費効率)の美味しいゾーンを超えないように上限側をカットすることを狙っています。

 

最初は、盛夏になったら再熱除湿が不要になるため体感OFFに切り替えて運用しようとしましたが、体感ONはあくまで再熱除湿が有効ということで、常に再熱動作するわけではありません。つまり、日射を取り入れて温度が上昇すれば再熱除湿せず、電費の良い冷房モードで動作するのです。

 

エアコンの自動制御は痒いところに手が届かないことが多く、例えば風向/風速自動はイマイチだったのですが、ことJXVの「体感」ONでの自動除湿モード切替は問題ないようです。むしろ簡単に湿度50%にしてくれる便利機能という事が分かり、最終的には盛夏も体感ONで運用していました。(もしかしたらマニュアルで細かく設定を変えた方が電気代が下がるかもですが)

 

ただし、上記設定の固定で行けるかというとそうではなく、盛夏の昼は設定した気温より暑くなってしまうことがあります。そうなったら温度設定を下げても意味はなく、風速レベルを上げることで調整します。風速を上げていくと劇的に温度が下がりますが、風切り音が大きくなるのと消費電流が増えるデメリットがありますので、必要な時だけ設定を変更していました。この風速も自動で適切に変わってくれると良いのですが、なぜか適温時も風速最弱の「静」でじっとしておらず、たまに風速1~2に切り替わりがちで、ここはマニュアルで「静」に固定するのが良いです。JXVは赤外線センサで床や壁の温度を見ているようですが、我が家は吹き抜けに設置しているため温度が適切に測れないのかもしれません。便利なJXVですが、ここが残念なところ。

 

ちなみにF式を極めている方々の中には、風量を限界以上に落として除湿能力を最大限に引き出すため、エアコン給気口にタオルを置く技(タオル マシマシ)の使い手がいます。私も最初は見よう見まねでタオルを試し、確かに除湿メインの時はエアコンが100W以下で動く時間が長くなり電費が良くなるのですが、一方で昼は風速を上げるためにタオルを外す手間がでてきます。そのため、エアコンの上部のタオル操作のために朝晩にエアコン横の腰壁に乗って作業することになり、これが面倒で現在はタオル無しでエアコン防塵フィルターだけ常設しています。

この風量についても、JXVに「静」を超える最弱風量の設定があれば解決できますので、今後の新機種に期待です。(エアコンを買い替える約15年後に高高住宅やF式が普及して、こういうニーズが一定数あることをメーカが理解して対応してくれることを願っています)

夏の終わり 後片付け

外気の絶対湿度が12g/㎥を下回るようになったら夏用エアコンの運用終了です。例年は秋分の日くらいには暑さが落ち着くのですが、今年は10月になっても庭に設置した屋外の絶対湿度が20g/㎥を超える日もあるほど暑い日が続きました。ようやく絶対湿度が落ち着いたのは10月10日の体育の日。これで6月から4か月間x24時間動いてきたエアコンも休息に入ることができます。

なお、JXV君は電源をOFFにすると、カビ対策のクリーニングモードに入り、送風が数分行われます。しかし、エアコンの内部に仕込まれた湿度計は、クリーニングモードが終了しても内部湿度が高いことを示しており、念のため手動で強風の送風設定をして、半日以上乾燥させました。エアコンの送風口内部の湿度計が12g/㎥を下回ったことを確認し、マニュアルクリーニング完了です。

あとは、来年の6月まで夏用エアコンはお休み・・・と思いきや! 今年は秋も異常でした。

11月に夏日+雨

前回のブログ(紅葉の中禅寺湖 男体山を歩く、ほか諸々)で、11月3日からの3連休に夏日だったことを書きましたが、その連休を終えても気温は下がるどころか、月曜も気温が高いまま。そして、月曜の夜から雨が降り火曜の朝は暴風雨になったのです。

11月7日(火)の朝、仕事を始めるためにDEN(仕事部屋)に入り、モニター代わりに置いているスマートフォンの電源を入れると、外気温は21.8℃に落ちたものの、絶対湿度が17g/㎥を超えている!

ということで、お休み中のエアコンに再登板してもらいました。

↑はエアコン稼働直後のスクショです。

洗面室は朝風呂後+洗濯乾燥中のため、相対湿度66%になっていました。湿度が多少60%を超えても余り気にする必要は無いのですが、火曜の天気予報は最高気温27℃。高湿度が続く可能性もあると考えて、安全をみてエアコンで除湿したのです。

 

なお、今日11月8日になって庭の温湿度計の記録を見返してみると、屋外の最高気温は27℃、絶対湿度は最高18.82g/㎥に達しており、目安の12g/㎥を大きく上回っていました。

ちなみに東京都心の気温は27.5℃で、これまた1923年11月1日の11月最高気温の記録を100年ぶりに塗り替えて過去最高。おまけに11月の夏日が3日目というのも観測史上初とのことです。いやはや今年は異常だ。

・・・いや、気温上昇傾向を考えると、今後「2023年はマシだった」と言われる可能性は十分あり得ますね。ボス戦と思っていた2023年が後になったら雑魚キャラだったみたいな。

 

何はともあれ、暑すぎた今年の夏もエアコン1台で十分に湿度/温度をコントロールできました。感触的には、まだエアコンに余裕ありで、多少平均気温が上がっても何とかなりそうです。これは高い性能の家と、エアコン運用のノウハウを蓄積してきた方たちの賜物。感謝しかありません。

私のブログの情報も、これから家を建てる方や、F式運用の事例の1つとして参考になれば幸いです。

 

お決まりのハッシュタグを書いて終わります。(ヤマト住建の公式アンバサダーになった経緯はコチラ

#ヤマト住建公式アンバサダー

#yjオーナー