空と山と暮らし

パラグライダーと山歩きの記録、ときどき家と暮らし。

注文住宅⑤ 設計打ち合わせ - コンパクトな間取り・家具

今回は注文住宅 - ローコストハウスメーカーで冬暖かく夏涼しい家を建ててみるシリーズです。

先週は照明の検討のためショールームに伺いました。東京ゼロエミの補助金を得るにはLED照明を設置した証拠が必要なため、建物引き渡し後のセルフ照明取付けがNGとなります。また基本的にハウスメーカーへの施主支給はNGのため、安価な(還元ポイントや割引セールの)流通品が使えず業者間の通常取引価格となり、照明もコストアップになりそうです。今どき東京ゼロエミで指定されなくても省エネLED以外を付ける気は更々ないのですが、東京ゼロエミ審査員からすると引き渡し後では何を付けられるか分からないということなのでしょう。これはエアコンも同じように量販店のセール時期に安価な流通品を調達して費用削減することができないという問題があり、このあたりちょっと残念な制度だなと思います。(エアコンも高性能で低畳数の機種をいくつかハウスメーカさん経由で見積もり中ですが、恐らく量販店で最安値のタイミングで買うより1.5倍高い…)

さて、ハウスメーカーさんから指定された照明のメーカーはODELICさん、DAIKOさん、KOIZUMI照明さんの3つ。

ということで各社の照明アイテムを一通り確認したのち、手始めにODELICさんのショールームを訪問してきました。いろいろ発見がありましたが、このあたりは後日。今回のブログは時間を巻き戻し、前回④の続きで、家の間取り検討の話を書いてみます。

─ 目次 ─

2F水回り(風呂・洗面)?

前回④の建物の配置の次は間取りの詰め。間取りも配置と合わせて検討しているのですが、配置の次に大きな選択になるのは、LDK/水回りのフロア決めでした。LDKは買い物の搬入などを考えて1Fが良いと考えていましたが、水回りは2Fでもそれほど支障はなさそうです。家は総二階建ての方が低コストで耐震性や温熱性能も有利ですが、1FにLDKと水回りを配置した総二階建てにすると2Fが余り気味になり、逆に1Fが窮屈になります。そこで2F水回りにしたら1Fと2Fの間取りのバランスが取れるかなと思ったのでした。もともと建築条件付きの半建売で建てる場合の間取り検討はこの2F水回りで検討していました。

1階完結型の間取りへ変更

当初はこのような思いもあり2F水回りも検討していたのですが、実家も今の賃貸も平屋の一軒家ですので、2Fの水回りで本当に良いかは少し不安がありました。そして・・・なんと設計が始まる少し前にコロナに罹り、その時に軽いギックリ腰っぽくなったこともあって、やはり1Fに生活に必要なものが揃っていた方が安心ではと思うようになりました。

現時点ではコロナも腰も完治したため2F水回りでも問題なくなってたのですが、やはりこれから歳を重ねていくことを考えると、絶対に2Fに上がらないと生活できない作りは避けたいなと。(まぁ、あまり将来ばかりを考えてもしょうがないのですが…)

1階完結という点では、YouTubeでもよく拝見させて頂いていた「せやまどり」にも大きく影響されていたりします。

good-things-committee.com

今回はせやま印の工務店で建てる事にはならなかったですが、せやま大学さんではブログ・YouTubeで多面的に情報整理された発信をされており、間取り以外に住宅性能をどこまで求めるかについてもかなり参考にさせて頂きました。さらに、今回建てるハウスメーカ勤務で関東地区の情報発信をされているユーチューバの方が「せやま基準」をどちらかというと肯定的にコメントされていたこと、そしてこの「せやまどり」が1階完結型を推していたことも、総二階建てをやめる判断の後押しになったと思います。

2Fの間取り

1階完結ということで、2Fの部屋は基本的には寝室・書斎(テレワーク用)のみ、あとは収納・トイレと簡易な洗面所のみにしました。コスパの良い総二階ではなく1Fが大きい間取りになりますが、ハウスメーカさんの1F/2F面積比割り増し単価が想像以上に安価でしたので、コスト的なデメリットは少なかったです。温熱的なデメリットはありますが、家全体として30坪以下のコンパクトで熱負荷の小さな暮らしやすい家を目指しますので、そこまで気にするほどではないかなと。(現時点では27坪まで小さくでき、冷暖房負荷上も冬夏それぞれエアコン1台でいけそうな見込みになりました!)

2Fは小さめという方向性ではあるものの、普段は使わない5帖客寝室を設けました。1Fにも客寝室として使える4帖和室がありますので少し過剰な感じではありますが、2F主寝室と客寝室を2間の稼働吊り戸で1部屋に繋げて普段は大きな部屋として使えるようにしたのと、客用寝室にも夜用の電子ピアノを置いて2Fを小さなセカンドリビングとして使うこともできるようにしたので、来客が少なくてもあまり無駄にならないかなと期待しています。

ベランダを付けるべきか外すべきか

2Fには上記の室内空間以外にベランダを作りました。ベランダ要否についてはネットでも賛否両論があります。2022年現在では不要論が優勢の感もあり、正直いらないかなという思いはありました。しかし、ハウスメーカ標準で3畳までベランダが無料で付けられ、そして外してもオプション減額にならないのです。最近は「中間領域」が暮らしを豊かにするという話もよく聞きますので、観葉植物を育てたりで中間領域として使うことを想定し、またハーフインナーガレージの駐車場の屋根の一部としてベランダを付けてみました。

「中間領域」はアイプラスアイ設計事務所の飯塚豊さんが有名ですが、それを分かりやすく解説したものが以下となります。

www.m-athome.co.jp

動画はモリシタ・アット・ホームの森下さん。住宅に関する情報を分かりやすく整理して発信されており、毎回の冒頭の板書と物腰の柔らかい話し方が好きで大ファンなのです。その森下さん自身は自宅に使わないベランダを付けられて失敗談として語られていましたが(私の家で大失敗したベランダを紹介します - YouTube)、目的を持って付けるなら良いのかなと思いました。

物干し金具は付けませんので、ここで洗濯を干すことは無いです。東側の見晴らしが良く椅子が置ける程度の矩形になりましたので、人工芝かウッドパネルを敷き、テレワークの休憩時間などに2F書斎から気分転換に外に出たり、寝室ベッドから観葉植物やその先の丘陵地が見渡せる「中間領域」として使えるかなと思っています。

ベランダはメンテの金食い虫の1つです。これまた森下さんの動画「10年しか持たないバルコニーの理由 - YouTube」を参考に、保守費を減らすために金属防水仕様にしたのと、軒を多めにせり出してベランダの半分に屋根がかかるようにしてみました。残り半分にはタープを掛けてみようかなと思ったり。これで雨のかかりが減り、少しはベランダのメンテが楽になるといいな。

なお、インナーガレージ風にするために車が入る幅を出す必要があり、そのための建物側のオーバーハングとベランダ箇所が1Fよりも突き出ています。これを支えるために支柱(袖壁:7万弱)が必要となったり先の金属防水も4万強追加だったり、結局ベランダは10万強のオプションになりました。無料に釣られて散財ということをよく聞きますが、このベランダはそうでない…はず。(少なくともカーポートを外構で別付けするよりは見た目も良いし安価でした)

1Fが膨らみがちに

さて、1Fに戻りこちらを完結型にするとなると、なかなかてんこ盛りです。まず、母屋下がりエリアの北西側2P分は2Fなしで1Fは風呂洗面トイレなどの水回りと収納をまとめました。ここは1Fのみの下屋になりますので、2F母屋下がりの影響がなくなります。洗面室の上に第一種換気の換気システムを入れるのですが、階間ではなく天井(下屋)になりますので、換気システムのメンテが広い空間で作業できます。なお天井点検口だけでなく、2F部屋の壁から下屋の屋根裏に横移動できる壁点検口を付けましたので、換気システムのメンテだけでなく、ちょっとした収納エリアとしても使えそうです。

壁点検口

北西側を1Fだけにすることで、北側のお隣さんから見て南側に圧迫感の少ない配置になりますので、ご近所付き合いとしての分譲地全体のバランスとしても良いかなと。

ピアノを置く場所が悩ましい・・・

1F完結にするために、残りの玄関、LDK+階段、和室スペース、ファミリークローゼット、ほか収納を配置していきます。総二階建てにはしませんでしたので1Fを大きめにしても良いのですが、それでもできるだけコンパクトにしたいのです。そこで困ったのがピアノ置き場です。

 

ピアノ移設

ピアノといってもグランドピアノではなくアップライトなのでそこまで場所を必要とするわけではないのですが、想定したコンパクトな全体サイズに上記全てを収めようとすると、ピアノを置く分どこかにしわ寄せが行きます。LDKの間取りを考えていると、一般的な間取りのテレビを置く位置にピアノを置きたくなってしまったり。そしてダイニングとリビングが手狭になってしまうのです。

ダイニングソファーを採用

ピアノを置いて、ダイニングとリビングを狭めに使うことが許容できるのか。悩みながらも新居用のテーブルやソファーを検討しはじめたところ、世の中に「ダイニングソファー」なるものがあることを知るのでした。

これはダイニングとリビングの両方で使う機能を合わせることを目指した家具で、大きな容積となるダイニングセットとソファーを1つにすることで空間を節約できます。この手のものはどっちつかずになりがちかなとも思ったのですが、実際に見てみようと地元の家具屋さんや大規模な家具販売フェア周りをしました。そして、ここで出会った浜本工芸さんのダイニングチェア(No.3000シリーズ)がとてもしっくり来たのです。

www.hamamotokougei.co.jp

浜本工芸 リビングダイニングチェア

ダイニングソファではなく、リビングダイニングチェアということで、どちらかというとソファよりも椅子寄りなものになるのですが、座り心地やダイニングとして水回りで使った時のメンテナンス性の高さ(汚れにくい生地)も良く考えられており、間取り検討のタイミングでこの家具をオーダしたのでした。(まだ間取りもFixしていないというのに良かったのか!?)

その後の間取り検討は、ある意味この家具が入るように逆に間取りを微調整したぐらいなのですが、結果的にピアノもうまく収まりリビングダイニングも空間に余裕ができました。

さて、先ほどの飯塚豊さんの言葉に「たまり」があります。

korekara-maps.jp

リビングのスペースに余裕ができましたので、1Fリビング掃出し窓の濡れ縁とソファーの間にゆとりが生まれ、濡れ縁の手前のスペースが「たまり」として使えそうだったり。リビング横の和室も「たまり」として使う予定ですが、あちこちに「たまり」があることは無駄ではないようで、余裕のあるスペースができるダイニングソファ式で行こうと決めました。

その他、間取りで多々検討したことがありますが、細かい所はまたいつか。

 

家を建ててみるシリーズ⑥へ続く

 

ひとつ前の家を建ててみるシリーズ④の記事はこちら。

家を建ててみるブログのシリーズ初回。