今回は注文住宅 - ローコストハウスメーカーで冬暖かく夏涼しい家を建ててみるシリーズです。
前回の⑥で地盤改良が不要と判明しましたので、建築に追加で発生する費用がほぼほぼ見えてきました。(設備・照明は検討継続) まだ最終確定ではありませんが、いったん現時点のオプションをざっくり整理しておこうと思います。オプション費用はハウスメーカさんによって、さらに時期によっても変わりますので、ここの単価はあくまで今回の一参考ということで。
─ 目次 ─
- オプションを分類してみた
- 1. 間取りの条件によるもの
- 2. 運用保守コストの低減のため1 - 構造/部材
- 3. 運用保守コストの低減のため2- 光熱費に関するもの
- 4. 暮らしやすさ向上、わくわく感のため
- 5. 照明・エアコン
- オプション合計は - ローコスト・・・?
オプションを分類してみた
ハウスメーカで注文住宅を建てるにあたって、オプションはほぼなくてはならない物と思います。契約時の仕様はあくまで標準仕様であって、注文住宅で家を建てるならば、その土地や住む人にあったカスタマイズがしたくなるものです。標準仕様から一切変えないのであれば建売で良い、というのは言い過ぎかもしれませんが、ある意味オプションは注文住宅の醍醐味なのかもしれません。
とはいっても、欲しいものを好きなだけ付けて行ったら予算がいくらあっても足りません。安易にオプションを追加せず、ひとつひとつ吟味してオプションの要否を考えてみました。オプションを追加する目的を改めて分類してみると、大きく以下の5つに分類できるかなと思いましたので、それぞれがどれくらいかかったを見てみたいと思います。
- 間取りの条件によるもの
- 運用保守コストの低減のため1- 構造/部材
- 運用保守コストの低減のため2- 光熱費に関するもの
- 暮らしやすさ向上・わくわく感のため
- 照明・エアコン
オプションによっては上記区分それぞれに重なる項目もあったりしますので、独断での分類です。
1. 間取りの条件によるもの
これは今回の間取りで建てると必ず必要となる項目で、もはや選択の余地なしです。
合計:594,510円
改めてみると、ハーフインナーガレージにするためのオーバーハング+基礎増し打ち+袖壁(バルコニーを支える柱)の費用で約26万円(44%)が大きいですね。次が吹き抜けのための費用で約14万円(23%)です。
インナーガレージを作ると高いと聞きハーフインナーガレージにしましたが、それでもやはり高いですね。雨に濡れずにパラグライダーや山ザックを積み下ろししたいな~ということで設けたハーフインナーガレージですが、月3回くらい空と山に行くとして30年で積み下ろしは約1000回ですので、260円/回になります。冷静に考えると積み下ろしの利便性のために1回260円払うのか・・・という感もありますが、まぁ普段の買い物にも便利ということで良しとしましょう。
吹き抜け部は合計4帖なのですが、後で出てくるシースルー階段とセットの空間のため、オプション費用としては階段部を除く約2帖分になっています。吹き抜けはLDKからの視界の抜けと明かりが得られること、またエアコンでの全館空調を良く効かせるためにも効果的なサイズなのではと思います。増坪するよりは吹き抜けの方が安価なので、同じ容積の家としては適度な吹き抜けを設けてコンパクトな間取りにする方向で良いかなと納得しています。
2. 運用保守コストの低減のため1 - 構造/部材
これは初期費用は増加するものの、30年のメンテを含めたコストで考えるとコストメリットが生まれるために選択したオプションになります。
合計:773,603円
許容応力度計算(45%)は、ほかの保守コストと少し意味合いが違うのですが、大地震で損傷を受けた時の補修費用という観点でここに分類しました。構造計算をした方が安心なのは構造塾の佐藤さんのYouTube(【構造塾#10】総まとめ 耐震等級3 その2 - YouTube)を見ても間違いないのですが、メーカ標準でも品確法に基づく壁量計算で耐震等級3(相当ではない)の長期優良住宅認定になり、熊本地震でも被害ゼロの実績がありますので、実施するか悩みどころです。
次のベランダ(6%)は標準FRPですと10年目に補修必須で5万円以上かかる見込みですので、メンテ費が抑えられる金属防水のオプションを付けても十分ペイできると思い追加しました。
ガルバ屋根(49%)は単金は安めなのですが、1F完結型の間取りを目指して総二階にしなかったため、どうしても屋根が広く費用は膨らみがちになります。ただ、標準スレート瓦に太陽光を載せると雨漏りリスクが跳ね上がるようですので、そのための補修費を考えるとキャッチ工法で屋根を傷めないガルバリウム一択かなと考えています。
3. 運用保守コストの低減のため2- 光熱費に関するもの
こちらも運用保守コスト低減のためで、初期費用はかかるものの日々発生する光熱費を低減するためのオプションになります。(軒出延長は壁のメンテ費用低減や見栄えにも重なりますが、主目的を日射遮蔽と考えてコチラにしています)
合計:1,453,150円
ここは大きく2つの要素があり、断熱性能を上げて光熱費を低減するための付加断熱+夏の日射遮蔽のための軒の出や庇設置(計35万、24%)と、自家消費分の電力を生み出すための太陽光とそれに適した屋根勾配(110万円、76%)です。太陽光はパワコン分もオプションに含まれています。
今年2022年に東京で家を建てる場合、断熱性能を上げて東京ゼロエミ住宅の等級3を取得し、また太陽光3kWを載せると210万円+39万円=249万円の補助金が得られますので、ここのオプションは単純にそれだけでプラスになります。また、補助金がなくても光熱費が月平均4000円安くなれば30年で144万円ですので、初期コストをかけても十分元がとれるかなと考えています。なにより断熱性能を上げて快適性が上がるのは嬉しいですね。
4. 暮らしやすさ向上、わくわく感のため
ここは・・・あるいみ趣味の領域です(笑)
合計:1,200,050円
一番高いシースルー階段(34%)は標準階段でも困らないのですが、LDKから吹き抜けへの抜け感や広がりを考えると、41万円の価値はあるのかな。無垢床(15万、13%)やフルハイドア・引き戸変更(26万、22%)は完全に趣味ですが、これをやっておかないと住んでから替えたくなりそうで、いちおう吟味してオプション設定したものです。
ピアノは床補強しなくてもなんとかなる説(システムキッチンの方が重いのでは説)もあるようなのですが、やはり安全を考えて追加。2F洗面も、トイレ後の手洗いや植物の水やりとか日々の事を考えるとあった方が良いだろうと思い追加です。
キッチンカウンター周りの造作は、システムキッチンにオプションでスパイスニッチとかを付けるよりも造作の方が自由度が高くかつ安価になりましたので、造作オプションにしました。
残りの下地補強やニッチは、コンパクトな間取りで暮らしやすくするための必要経費と考えました。
窓オプション・シャッター等もここに分類ですが、現状の窓の構成ですと標準仕様での窓費用より安価になり追加オプション費が発生していませんので、計上されていません。コンセントの増設も同様でいったんは含めていません。
設備関連は、今のところオプションで機能を追加というより機能を外す方が多いです。(掃除し易いようにお風呂の棚や鏡を削除、キッチンの人工大理石を外してメンテしやすいステンレスに変更など) また設備はまだ検討中のものがあり確定なのでこちらも計上していません。最も費用が発生しやすいのがキッチンですが、標準仕様でIH+深型食洗器+同時給排レンジフードという条件を満たしているので、余りオプション追加しなくてよかったという点が大きいです。
5. 照明・エアコン
これらは検討・見積もり中です。なお、照明・エアコンは引き渡し後に自身で手配しようとしていたのですが、東京ゼロエミ住宅の補助金を得るためには引渡し前に取り付ける必要がありますので、ハウスメーカのオプションに計上されます。正直、メーカ経由で手配して取り付けすると量販店のセール時期やポイント付きで安価に購入するより高くなりますので、少し無駄な出費になるのですが、東京都の制度上の制約で仕方ありませんね。ゼロエミ住宅の基準ではエアコンは最低1台が条件ですので1F暖房用のみオプション設置、2F冷房用はエアコンスリーブだけ開けてもらい、量販店で調達して取付予定です。照明も、収納など取付必須でないところは、ハウスメーカ標準のソケットだけ付けてもらい、DIYで電球取付の予定です。
さて問題のエアコンですが、1F暖房用は200VのAC用コンセントが標準(無料)で付きますので、高効率な200V機種から選定を考えていました。ハウスメーカさんはDAIKINの取り扱いが得意なようで、こちらの値引き率が高いです。(それでも量販店より高いですが)
日立は再熱除湿で性能が良く市場価格では安価なのでこれが最有力でしたが、ハウスメーカさん経由ですとDAIKINの方が安価でしたので見合わせ。同じく再熱除湿のある富士通ゼネラルは見積もり中ですが、DAIKINの方が安くなりそうな見込みです。2F冷房用は湿度・温度管理のために再熱除湿が必須と考えていますが、1F暖房用は最悪無くても良いです。また万が一1Fでも除湿したい場合は、DAIKINさんの下図の「さらら除湿(リニアハイブリッド方式)」であれば排気での加熱で外気温14℃位からあまり温度を下げずに除湿が効くようで、1F用としては十分かなという思いです。
さて、現状、見積もりが出ているのは以下の2つ。まずはDAIKINの最上位機種RXシリーズ。14畳4kW品が取り付け費込みで33.7万円。
もう1つがDAIKINの換気・給水が無いAXシリーズ。14畳4kW品が取り付け費込みで32万円。
最上位機種RXに付いている換気機能は第一種換気(全熱交換型)の家では重複になってしまいますし、加湿機能は飾り程度の加湿性能しかなく、かつ加湿コストも高いので不要です。ハウスメーカさんの見積もりでは機能を省いたAXシリーズとの価格差が小さいので、RXにして加湿性能・消費電力をテストしてみるのも良いかなと思っているのですが、恐らく無駄なのでこの2つから選ぶならAXシリーズになりそうです。
問題はエアコンの性能が過剰な事。東京ゼロエミの補助金を得るためにAPF6以上の製品を選ぶと上位機種にならざるを得ず、また200V品は最低14畳用からになりますので、過剰な性能のエアコンを取り付けることになってしまうのです。HEAT20 G2以上(G2.5)+C値0.5以下で暖房負荷を計算すると、どう厳しく見てもエアコン1台での全館空調で定格2.5kW、最大3.0kWで足ります。(エアコン容量については、フエッピーさんの以下のF式エアコン容量計算シートを使用させて頂きました)
(少し脱線しますが、フエッピーさんのブログの情報で除湿管理を旨とする空調の必要性と、2Fホールor大部屋エアコン(屋根裏エアコンでなくても行ける)ということが見えてきて間取りに反映させるなど、とても役立ちました。感謝です!)
東京ゼロエミ住宅の認定を受けるために過剰な性能のエアコンを付けて初期コストと消費電力が増えてしまうのは省エネの観点で本末転倒ですのでどうするのか。少し調べてみると、DAIKINの寒冷地用スゴ暖DXシリーズでは10畳用から200V品があることが分かり、その見積もりを追加で依頼したのと、そもそも標準の200Vコンセントに拘り過ぎていたという思いもあり、100Vコンセントの小型エアコンの見積もりもお願いしたのでした。(まだ見積もり中)
計算上は6畳用エアコンでも行けると思うのですが、恐らく安全を見て10畳用のエアコンを付けることになりそうです。(8畳用は6畳用と暖房性能が同等ですので選ぶ意味がない)
量販店での購入でないので10畳用でもあまり安くならない気がしますが、ここは最終確定したところで改めて記事を書いてみたいと思います。
オプション合計は - ローコスト・・・?
こうしてみるとオプション合計400万円。ローコストハウスメーカで建てておきながら、もはやローコストでなくなっていそうな気もしますが、ベース費用を抑えられたから、必要な場所に集中してコストを掛けられたと考えて良い・・・のかな!? 少なくとも3年前に大手ハウスメーカで建て替えをした実家よりは、まだまだ安価ですので、いちおうローコストということにしておきましょう。
発生したオプションの費用対効果は実際に住み始めてから、どこかで振り返ってみたいと思います。
家を建ててみるシリーズ⑧へ続く
ひとつ前の家を建ててみるシリーズ⑥の記事はこちら。
家を建ててみるブログのシリーズ初回。