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注文住宅㉑おひさまエコキュート・電気プラン

今回は注文住宅 - ローコストハウスメーカーで冬暖かく夏涼しい家を建ててみるシリーズです。

家の工事が進み、現時点では着工時の計画通り3月内覧&引き渡しで進行しています。引き渡しに向けて、太陽光の売電手続きなど電気関係の確認をしていたところ、TEPCOのおひさまエコキュートに新展開がありましたので、今回は電気のことを。

─ 目次 ─

おひさまエコキュートとは

おひさまエコキュートとは、太陽光発電で昼(発電中)にお湯を沸かす機能を持つエコキュートで、かつTEPCOがそれを認めた機種を指します。このおひさまエコキュート(と太陽光発電)がある家は、昨年から始まった「くらし上手」という昼夜同一料金の電力プランが選べます。

このおひさまエコキュートは、本ブログの注文住宅シリーズ初回「設計打ち合わせ - 残課題あり」で『エコキュートについて - TEPCO「くらし上手」プラン』にも記載しましたが、当初はダイキンパナソニックの計4機種しか認定されていませんでした。念のため当時TEPCOにも質問し、現時点で他機種は未定との回答でしたが、今年1月に対象機種が追加されていました。2/2現在で以下の計8機種です。

メーカー名 システム型式
ダイキン EQ46WFPV
ダイキン EQ37WFPV
パナソニック HE-Y46KQV
パナソニック HE-Y37KQV
コロナ CHP-37AY5V
コロナ CHP-46AY5V
三菱電機 SRT-B376U-PV
三菱電機 SRT-B466U-PV

ハウスメーカさん標準のエコキュートはリストにあるコロナ製CHP-37AY5で、バッチリ対象機種に入っています。ところが我が家は、東京ゼロエミ住宅レベル3取得のため「注文住宅⑩ 東京ゼロエミが危うい!?」で記載しました通り、オプションで年間給湯保温効率4.0の上位機種CHP-HXE37AY5に変更しています。エコキュートの初期費用(オプション+20万)と運用コスト差で計算するとリターンはマイナスになるのですが、東京ゼロエミの210万円の補助金でプラスになるためオプション選択したものです。

CHP-HXE37AY5はプレミアエコキュートと呼ばれ、CHP-37AY5と同等以上の機能を持っています。もちろん太陽光発電で昼にお湯を沸かす機能も入っています。しかし、CHP-HXE37AY5はTEPCOのおひさまエコキュートのリストに入っていないのです・・・。

念のため、以前問い合わせしたTEPCOのご担当者に、CHP-HXE37AY5が「おひさまエコキュート」に該当するのかを改めて問い合わせ中ですので、そのあたりの情報が来ましたらブログ更新してみます。(2023/2/2現在で回答なし)

おひさまエコキュートのメリット

おひさまエコキュートのメリットはいろいろありますが、大きく以下3点あると思います。

  1. 太陽光発電の自家消費率の向上
  2. TEPCOの「くらし上手」プランの選択肢が得られる
  3. おひさまエコキュート キャンペーン特典

それぞれ確認してみましょう。

1. 太陽光発電の自家消費率の向上

太陽光発電は、固定価格買取制度(FIT)で売電単価が決まりますが、年ごとに単価が下がってきたため、今は発電した電気は売るよりできるだけ自家消費にあてた方がプラスになります。我が家は2023年3月引き渡し予定ですので、ぎりぎり2022年度単価に間に合いましたが、それでも17円/kWh。買電単価は平均35円を越えていますので、自家消費した方が2倍以上オトクということですね。

ちなみに2023年度の売電単価は16円/kWh。3kWの太陽光を載せると東京で年間2,990kWh程度の発電見込みですので、自家消費率30%ですと2,093kWhの売電になります。2022年から2023年に設置がずれ込むと、FIT制度の10年で2万円のマイナスになりますので、引き渡しがぎりぎり3月に間に合って良かったです。

さて、この自家消費率を向上させるためには暮らし方が大事なのですが、設備による改善として、蓄電池、エコキュートの昼炊き、日中のエアコン過剰稼働による蓄熱があります。蓄電池は言わずもがな、電気を売らずに自家消費するために溜めておく設備で自家消費率を大きく向上させます。十分な太陽光と蓄電池があればオフグリッド化も狙えますので、そもそも買電が不要にもなりえます。我が家も(新築時より割りの良い)既存住宅向け蓄電池補助金で、今後6kWh程度は付けたいなとか妄想しています。(EV or PEHVとV2Hにしてしまうかもしれませんが。)

2番目のエコキュートも、昼に太陽光発電でお湯を沸かして貯めておくことで、蓄電池ではないですが蓄エネルギーができます。こちらも自家消費率を大きく向上できます。蓄電池と併用する場合も、エコキュート分を鑑みて必要な蓄電池容量を削減(=コストカット)できますので、使わない手はないです。

昔ながらのエコキュートも、時計設定をいじることで昼の決まった時間にお湯を沸かすことはできます。これがおひさまエコキュートですと、天気予報や各家庭の電気使用時間帯をモニタして何時にお湯を沸かすのが最適かを自動で判断・設定してくれますので、より効率よくお湯を沸かせるメリットがあります。設定をいじったりしなくて良いお手軽さも良いですね。

最後の日中のエアコン過剰稼働による蓄熱(蓄冷)は、家がどの程度の蓄熱容量を持つのかと、エアコン稼働せず売電した場合の差分もあり、場合によってはマイナスにもなりますので諸刃の剣。引き渡し後でも床下に災害用を兼ねてペットボトルを大量に置いておくなど蓄熱の工夫はできると思いますが、定量的な改善効果を狙うには、しっかり設計しないと難しいです。

ということで、我が家では現時点ですぐ適用できるおひさまエコキュートが自家消費率向上の最有力アイテムになります。

2. TEPCOの「くらし上手」プランの選択肢が得られる

おひさまエコキュートですと「くらし上手」プランが選べます。このプランは基本料金+120kWhまでの電気代が固定料金としてかかるため、電気を多めに使う家庭でメリットがある契約です。下に試算結果を記載していますが、月に280kWh以上使う場合は、スタンダードSより安価になります。このプランがオトクかどうかは各家庭で変わってきますが、選択肢に入るのはメリットになります。

3. おひさまエコキュート キャンペーン特典

こちらは先月に始まったものですが、おひさまエコキュート限定の以下の20,000円分ギフト券のプレゼントキャンペーンがあります。

まぁ、これはオマケみたいなものですね。キャンペーンの期間は短く、2/28までにエコキュートを設置、3/10までに応募という条件です。恐らく我が家も設置日は間に合うと思いますが、どうなるか。間に合えばラッキー位に考えています。

いずれにしても、上位機種CHP-HXE37AYがTEPCOにおひさまエコキュート認定されなければ門前払いでしょうから、TEPCOご担当者さんの回答を待ってみたいと思います。

電気プランの比較検討

引っ越し後の電気プランについても、少し整理しました。1月23日に東電EPが経済産業大臣へ値上げ申請を行っており、恐らくこれはほぼその金額で通るのかなと想像しています。規制料金が今より30%アップですので、かなりのインパクトですね。

TEPCO - 電気料金単価表-2023年6月以降(申請値) 

現時点では上限規制のある「電灯B」の電気プランが安価で、今の賃貸戸建てはこのプランにしています。引っ越しして値上がりする6月までは「電灯B」一択かなと思います。

では6月以降はどうするか。新電力も統廃合などあり悩ましいのですが、いったんはTEPCOで現在入れるプランで考えてみます。「電灯B」は「スタンダードS」と同じ単価になりますので、これは省いて表にまとめてみました。

夜トクやスマートライフプランは夜にどの程度使うかにより金額が変わりますが、おひさまエコキュートであれば、夜の割合はだいぶ減るのかなと思います。とりあえず時間等分で割合を入れましたが、実際はこれより低くなるかもしれません。

また燃料調整費はTEPCOの見込み値(1.13円)を、2023年度の再エネ発電賦課金は3月に発表されますが、いったんは2021年度→2022年度の9銭UPと同程度UP(3.54円)を設定しています。

とりあえず、この単価を用いて50kWh間隔で計算すると以下の金額になります。プランごとの電気代と、比較用に電灯B(スタンダードS)との比較としてプラン差分の±金額を出してみました。

数値だけだと、分かりにくいですね。グラフにすると以下になります。横軸に使用電力量[kWh]、縦軸に月額[円]をいれて、各電気プランを折れ線グラフで表してみました。

金額のレンジが広くて、プランの比較がしにくいので、スタンダードS(電灯B)との差額をグラフにしてみました。横軸は同様に使用電力量[kWh]、縦軸は各プランの月額[円]とスタンダードSプランの月額[円]と差分を±何円になるかを表しています。

280kWh/月を超える場合は、くらし上手Sプランが良さそうです。おひさまエコキュート認定されなかった場合は、320kWh/月以上でスマートライフSプランになります。それ以下ならスタンダードS(今の電灯B同等)のプラン継続が安価になりそうです。
今の平屋2LDK賃貸はガスコンロとガス給湯で春秋は150kWh、夏冬に350kWh程の使用量です。これが二階建て3LDKでIHとエコキュート給湯になった時にどうなるか。当然IHと給湯分は増加しますが、断熱気密性能と太陽光発電の相殺で平均280kWh/月 程度に収まると良いのですが、このあたりは不確定要素が多いですね。4月に引っ越ししてから値上がりする6月まで、どれくらいを電気を使っているのかモニタリングして電力プランを最終決定しようと思います。

 

家を建ててみるシリーズ㉒へ続く

 

ひとつ前の家を建ててみるシリーズ⑳の記事はこちら。

家を建ててみるブログのシリーズ初回。