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夏至の太陽光発電と蓄電池のコスパ考察

昨年12月に「太陽光発電冬至にどうなる?」という記事を書きました。

それから半年が経過しましたので、今度は夏至太陽光発電の状況を記録しておきます。そして、余剰電力を持て余している状況ですので、改めて蓄電池についても考察してみました。

─ 目次 ─

太陽光パネルの積載量

戸建て住宅の太陽光パネルは、一般的に4〜5kWが推奨されています。しかし、東京の戸建ては土地条件が厳しく、我が家の太陽光パネルは設計初期で2kW。これをヤマト住建の設計士さんと工夫して3kWに増やしています。推奨には届かず、住んでみるまで「正直3kWは足りないだろう」と考えていました。

ところが実際に暮らしてみると、なんなら太陽光の一番少ない冬至を迎えても、2人暮らしだと3kWがなかなか良い塩梅でした。(→冬至の発電量) 我が家のルーチンとして、朝食後に洗濯乾燥機と食洗器(1日分)を動かし、それらが終わる昼頃にエコキュートの湯沸かしが始まるのですが、この生活リズムですと太陽光をうまく自家消費できる発電量なのです。ちなみに、東京ゼロエミの補助金率もパネル3kWが一番オトク。

このことが前記事の「2人暮らしはパネル3kWでOK説」に繋がるのですが、その考えは現時点でも変わりません。(家に一定の断熱気密性能と、南面に大きな日射取得ガラス/日射遮蔽がある前提です)

 

もちろん、将来的には電力消費が増える可能性もあり、その有力候補は車(EV/PHEV)と自宅AIを想定しています。ただ、今は電気喰いのAIサーバも技術進歩で省電力化が進むだろうし、そうならなければプライベートAIではなくクラウドのセキュアなパーソナルAIを利用する手もありますので、電力消費が増加する最大候補は車ですね。

我が家の車は、先月の西日本の旅で走行距離8万kmを超えましたが、できれば20万kmは走りたく、EV/PHEVの買い替えは早くて7年後と見ています。2031年なら、その頃までに安価になっているであろう軽量ペロブスカイト太陽光電池を西面の壁に付けようと、虎視眈々と狙っていたりします。

もっとも、ペロブスカイトが普及すれば車のルーフに1〜2kWの太陽光シートが貼られることも十分考えられますので、その場合は家にパネルは追加不要です。車に太陽光シートが載るなら交流変換ロスがなく電力効率も上がりますので、ここは時代の流れを見て判断ですね。(どちらでも対応できるよう、EV用200Vコンセントは駐車場に付けました)

 

少し前置きが長くなりました。将来の話は置いておいて、今回は夏至太陽光パネルの発電量がどうだったか確認してみましょう。

夏至太陽光パネルの発電量

電力の売電/買電がHEMSに記録されていますので、夏至前日分になりますが状況を確認してみます。

6月20日は朝7時をピークに空が曇りはじめて発電量が減っていますが、それでも日中は太陽光で全電力を賄えています。陽の低い冬至に良い塩梅でしたので、夏至の電気余りは必然ですね。

 

前回記事「梅雨のエアコン除湿始動と疑問点」の通り、今月は既にエアコンを24時間連続稼働していますが、朝5時に太陽光パネルの発電がエアコン消費電力を上回って買電がゼロになっています。そのあと7時の朝食(IH/レンジ)、食洗器、洗濯乾燥、昼食(IH/レンジ)、エコキュートを賄ったうえで、17時まで余剰があります。

もちろん売電があるため、自家消費しきれない電力は無駄ではないのですが、将来的に太陽光パネル付き住宅が増えたら(良き事)、または大規模ソーラ発電所(木を倒すのはBAD…)が増えてしまったら、いずれ東京でも出力制御されて昼に売電できなくなります。それを見越して余剰電力を上手に自家消費したいところ。

 

自家消費を増やす案として、冬は太陽光発電が余る午後に暖房を入れて、床下/屋根裏あるいは家全体を過剰に暖めておく蓄熱技がそこそこ使えます。が、夏にそれをやると夏型結露の危険がありますし、部屋が冷え過ぎて生活に支障が出てしまう。

となると、やっぱり手間なく余剰電力を使えるのは「蓄電池」ですね。我が家も引っ越しして1年経ち、夏冬それぞれの太陽光の発電と電気の使用具合が分かりましたので、改めて蓄電池について考えてみます。

蓄電池の費用対効果

太陽光の発電と電気の使用状況はHEMS端末(AiSEG2)で簡単に確認できます。実は、HEMSの集計と実際の買電/売電量は多少ズレがあるのですが、傾向を確認するには支障ありません。HEMSで月単位の集計も確認できますので、まずそれをそれを見てみましょう。

先月5月までの結果が集計されています。最も売電の余剰が大きかったのは5月分で、逆に一番売電が少なかったのは1月分でした。これを基に超ざっくり、日割り平均で毎日昼に充電し夜に放電できたと仮定して、買電/売電の収支変化を見てみます。(実際は雨雪が続いて充電できない日があったり、発電余剰が大きく電気を翌日に持ち越すこともあります。全体としては、かなり蓄電池に甘いシミュレーションになります)

 

計算はHEMS値ではなく、リアル請求書の消費電力/請求金額を使用します。ちなみに我が家はオール電化ですが、電気プランは昔ながらの東京電力 従来電灯Bです。

また、充電したものを100%利用することはできませんので、国立研究開発法人科学技術振興機構「蓄電池システム」 に記載された三元系リチウムの「システム効率84%」(電力変換損失-7%、電池充放電損失-5%、補機損失-4%)を使って試算します。

 

まず余剰が多い5月で考えてみます。

・買電(5月実績):114kWh、4,622円

・売電(5月実績):266kWh、4,256円

・適した蓄電池サイズ:4.4kWh (114[kWh] ÷ 31[日] ÷ 84[%])

 ※買電している全電力を賄う容量(毎日晴れて昼に充電できる甘々想定)

 

5月に4.4kWの蓄電池があったら買電/売電はそれぞれ以下になります。

・買電(5月推定): 0kWh、1,870円(基本料)

・売電(5月推定):130kWh、2,080円 (266-114÷84% =130)

∴差し引き電気代 +576円 のオトク

甘々想定なのに蓄電池の稼ぎメチャ少ないな・・・。夏季は基本料が無いプランでないと買電の削減が限定的ですね。

 

次は余剰が少ない1月。

・買電(1月実績):246kWh、7,953円

・売電(1月実績):107kWh、1,712円

・適した蓄電池:4.1kWh (107[kWh] ÷ 31[日]÷84%)

 ※売電していた全量を効率84%で蓄電池に充電する容量(毎日晴れる甘々想定)

 

この蓄電池を設置すると買電/売電はそれぞれ以下になります。

・買電(1月推定): 156kWh、5,402円 (246-107×0.84 = 156.12)

・売電(1月推定):0kWh、0円

∴差し引き+839円/月 のオトク

こちらも電池の値段を考えると、めっちゃメリット少ない・・・。

 

年間通して夏(売電優勢)/冬(買電優勢)が半々と甘く想定しても、コスト削減は8,500円/年しかありません。この時点で、既に蓄電池の費用対効果が怪しくなってきました。

 

なお、蓄電池はフル充電/フル放電すると劣化が激しいため、80%充電で運用するのがセオリーです。つまり上記ピッタリ4.4kWでは寿命的にNGで、8掛けで4.4kW相当になる蓄電池(5.5kWh)が必要になります。また、昼に晴れが続かないことを考えると多めに貯める必要があり、それを10%見込むとリアル運用での妥当な容量は6kWh位でしょうか。

今の蓄電池の製品保証は15年程度ですので、つまり甘々計算でも6kWh程度の蓄電池が撤去/設置費込みで税込12.7万円(2万円/kWh)以下でないとペイできず、2024年現在では到底無理なコストです。これが、まだ蓄電池に金銭的なメリットは無い、と言われる所以ですね。

 

ちなみに蓄電池が進化して、100%充電でも劣化しない耐久性45年(3倍)の個体電池になれば、蓄電池4.4kWhの撤去/設置費込み40万円で損益分岐点を超えます。その時は買いですね。もしかしたら蓄電池ではなく、家庭用フライホイールや圧縮空気貯蔵のような別アプローチが進化する可能性もあります。あるいは蓄電側の技術進化ではなく、今後買電価格が高騰した場合も再検討でしょか。

 

さて、蓄電池にはコスト以外に災害対策のバックアップとしての側面もあります。ただし、大容量の液体リチウム電池は災害時のリスク要因にもなりえますので、やはり個体電池(または半固体電池)の長寿命/低価格化を待ちたいところ。当面は、キャンプ兼用のポータブル電源で災害対処することにしましょう。

 

お決まりのハッシュタグを書いて終わります。(ヤマト住建の公式アンバサダーになった経緯はコチラ

 

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