空と山と暮らし

パラグライダーと山歩きの記録、ときどき家と暮らし。

紅葉の朝日連峰を歩く

10月12日から3人パーティで大朝日岳に登りました。2年前に朝日連峰のすぐ北にある月山(がっさん)へ日帰りルートで登っていますが、

今回は三連休を活かして、たっぷり2泊3日の山行です。今シーズン初の紅葉登山でして、2024年10月中旬の東北の紅葉状況として記録しておきます。

─ 目次 ─

ロケーション

大朝日岳新潟県村上市山形県朝日町の境界にある標高1,870mの山で、日本百名山に選ばれています。麓からのアプローチ(夏山一般ルート)は5箇所ありますが、今回は日暮沢からのループコース+以東岳への縦走を組み合わせて歩いてみました。

今回歩いたルートの主要ピークは、以下の10峰です。

1日目(青線):古寺山(1500m)、小朝日岳(1647m)、大朝日岳(1871m)

2日目(赤線):中岳(1812m)、西朝日岳(1814m)、竜門山(1688m)、以東岳(1771m)

3日目(緑線):北寒江山(1658m)、寒江山 (1695m)、ユーフン山(1565m)

日暮沢小屋~大朝日岳

スタートの日暮沢は、その名の通り渓流沿いの深い森で、水が多いため苔とキノコが潤沢です。朝一から瑞々しい苔に会うことができました。

 

巨大化したヒラタケもいます。

登り始めは樹林帯で眺望がありませんが、キノコと苔が尽きないので苔マニアなら退屈しません。

 

稜線に出ると、朝日連峰の美しい山々が見えてきます。

朝日岳の山頂で、明日歩く稜線を眺めながら昼食にしました。涼しい季節はラーメンが美味しい。

 

稜線に出るとキノコがいなくなりますが、代わりに花が増えました。

綺麗な青いリンドウ。花が開いていますので、ササリンドウですね。

 

小ピークをアップダウンしながら、1日目の宿である大朝日岳山頂避難小屋を目指します。

ケルンの上に、その小屋が小さく見えてきました。

 

1日目は強い日射で予想以上に暑くなり、小屋手前の「銀玉水」で水を頂きました。

冷たくて、メチャ美味しい~。

 

銀玉水を過ぎて、30分ほどで大朝日岳山頂避難小屋に到着です。

名前は「避難」小屋ですが、先月に補修が完了しまして、見た目は新築のように綺麗です。今どき定番のガルバ屋根ですが、西側が寄棟で東側が切妻という山小屋にしては珍しいスタイル。西風の強風を想定したのでしょうか。我が家も同様に片切妻のガルバ屋根で、なんだか親近感が湧きます。

この避難小屋には管理人も居り、協力金2,000円/人もありますので、もはや素泊りの営業小屋と変わらないですね。ちなみに、大朝日岳山頂避難小屋は定員60名ですが、土曜はなんと90名の宿泊という大盛況。通常は宿泊に利用しない1階スペースを使わせていただいて、ギリギリ泊まることができました。

 

持参したシュラフとマットを寝床にセットし終えたら、小屋から20分の大朝日岳に散策です。

この大朝日岳朝日連峰の最高峰で、360°の眺望が楽しめます。天気が良く遠くの山も見えましたので、山名盤を確認しながら山座同定したりと会話が尽きません。

 

コーヒーを飲みながら、登ってきた稜線を見て至福の時間・・・。

風が穏やかで、50分ほど長居してしまいました。


さて、小屋に戻って1日目の夕食です。初日は3人ともパスタにしました。普段はタラコパスタのみですが、今回はイカスミも追加。

3人分をまとめて茹でようとして微妙なアルデンテになってしまいましたが、やっぱり山のパスタは美味しい。

 

夕食を食べていたら雲が出てきてしまい、夕日は難しそうかな、という雰囲気。

 

が、陽が沈む直前にちょうど雲が晴れまして、眩しい位の日の入りが見られました。

綺麗な夕焼けで、明日も天気が良さそうです。

 

就寝後、夜1:00に起きて星空撮影しました。

相変わらず星用マニュアルレンズの調整がしっくりこないのですが、なんとか撮れました。

 

翌朝は再び大朝日岳に登り、日の出を見ながら朝食。

山小屋でフリーズドライに熱湯を入れて、保温バッグに入れて山頂に来ると、ちょうど食べ頃になります。山頂でお湯を沸かして待つより楽ちんです。

 

太陽が出ると、紅葉の山が朝陽でますます赤くなりました。美しい・・・。

山頂でゆっくりし過ぎてしまいました。

大朝日岳~狐穴避難小屋

小屋に戻って2日目の山行開始です。今日はずっと稜線歩きという極楽デー。

遠くに今日の最終地点の以東岳が見えます。今回の山は障害物が多いので、あんな遠くまで行けるのか、心配になりました。(障害物 = 絶景+紅葉)

 

中間地点の竜門山避難小屋でおやつ休憩。時計を見ると、やはり紅葉の撮影タイムが多くていつものスピードが出ません。まぁ、なんとかなるか。

竜門山では、なんと10月にシャクナゲが咲いていることにビックリ。これまた撮影でタイムロスですが、なんとも嬉しいサプライズです。

 

その先の寒江山も360°の眺望があり、山々の確認をしながら小休止。

トトロっぽい石が祀ってあり、そのフォルムに惹かれてまた撮影。なかなか、先に進めませんね。

 

なんとかお昼過ぎ12:30に、2日目に泊まる狐穴避難小屋に到着。

ここも「避難」小屋ですが、大朝日岳と同じく管理人方式の素泊まり営業小屋ちっくな小屋です。紅葉&快晴ということで、当然のことながら混雑気味でしたが、無事に寝床が確保できて一安心。

 

この狐穴避難小屋は小屋前で水がジャブジャブ流れていて、水を補充し放題です。ここでお昼にしました。

2日目もラーメン。美味しい。

狐穴避難小屋~以東岳(往復)

昼食後は宿に荷物をデポして、以東岳まで散策することにしました。想定よりスタートが遅かったので、3時までに着かなければ引き返そうと考えながら、ペースを上げて歩きます。

思ったよりアップダウンが多くて大変でしたが、なんとか3時前に以東岳へ到着。ここが今回の山行の最北端です。

以東岳から今日のスタート地点の大朝日岳も見えまして、歩いた稜線の広大さを改めて感じることができました。時間内に行けるか微妙な状況でしたが、たどり着けて良かった~。

 

帰路は下りのため余裕があります。燕岳に似た雰囲気の巨石と白砂のポイントで立ち止まり。

これは燕のイルカ岩では・・・無いか。

 

そんなこんなで宿に戻って、夕食の準備をしていたら日の入りになりました。

明日の天気も良さそうです。

狐穴避難小屋~日暮沢

陽が沈んで暗くなり始めましたので、今日は急いで夕食です。

最終日はボリュームたっぷりのハンバーグとカレーライスにしてみました。お肉、美味しい~!

 

夜はいつもの星空撮影。

元天文部(?)の友人が星座や銀河の解説をしてくれまして、夜も充実した山行になりました。

 

翌朝。狐穴避難小屋は山の陰になるので、三方境に登って日の出を見ることにしました。

ちなみに、小屋の周りは携帯電波が入ります。スマホで太陽が出る位置と時刻が簡単に分かるので便利ですね。

 

そして日の出。

今日も日の出を見ながら朝食にしました。風が穏やかな良い朝~!

 

昨日登った以東岳の方角を見ると、モルゲンロートで少し赤くなっていました。

東北の山あるあるですが、これが標高1,700m級の稜線とは信じられません。体感的には2,500m級の雰囲気があり、低山なのに東北は何かオトクです。

 

さて、今日が連休の最終日で夜には東京に帰らなくてはいけません。小屋でゆっくりしたいところですが・・・名残惜しいなぁ。

見納めの狐穴避難小屋。紅葉以外のシーズンにも来てみたい。(積雪時のハシゴ付き出入り口があり、冬季も利用可です)

 

3日目は、しばらく2日目のルートを逆に戻ります。途中の北寒江山で、昨日歩いていない三方池の散策をしてみることにしました。

少し急ですが、池まで下りる道もあります。

近くで見ると、水の澄み具合が分かります。

ちょうど風が凪って、水面が鏡のようになりました。いや~綺麗だ。

 

その後、昨日と同じく竜門山避難小屋まで歩いて最後のコーヒータイムにしました。

まったりしていると小屋の管理人さんが来られまして、今日が最終日なので今から水を止めるとのこと。水が止まる前に、念のためボトルを満タンにしておきました。

 

竜門山から先は2日目ルートから外れて、日暮沢に下ります。

下りの稜線が紅葉ピークでした。ホント良い時期に来られました。

 

樹林帯に入ると、再び苔キノコ。

まん丸キノコが可愛いなぁ。

下りルートは滑りやすいゾーンがあったりして少し難儀しましたが、無事下山できました。

おまけ

下山後は、大朝日岳山頂避難小屋で頂いた割引チケットを握りしめて、大井沢温泉へGo!

中規模の温泉ですが、300円/人と超リーズナブルで大朝日岳の帰りにおススメです。3日ぶりのお風呂で、さっぱりできました。

 

夕食は東京方向の渋滞を考えて、時間がかからないよう高速道路の最初の寒河江SAで頂きました。

山形のSAということで、米沢牛の牛丼&かつ丼。登山後はお肉が身に染みる~!

 

紅葉時期の晴れ続きという好条件で、東北の山を目いっぱい堪能できました。朝日連峰は広大で、歩いていないルートもあります。いつかまた来たいな。

 

今回の山歩きの詳細記録はこちら。