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年末調整「年給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」が来ない!?

年末調整の時期になりました。我が家は居住2年目ですので、年末調整で住宅ローン減税を申請できる最初の年になります。この申請で少しハマったことがありましたので、備忘録に記事にしておきます。

※結論からいうと、マイナポータルに届く「住宅借入金等特別控除証明書」(XMLファイル)を、国税庁QRコード付証明書等作成システムに連携させて「年給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」(PDF)を生成する必要があります。

─ 目次 ─

1年目の住宅ローン減税は確定申告

我が家は昨年(2023年)入居で、初年度(2023年分)の住宅ローン減税は確定申告で行いました。(以下参考)

確定申告は20年前からやっていますが、国税庁の申請システムは相変わらず微妙で好きになれません。今はWebアプリで確定申告できますが、このご時世にWebブラウザへのアドオンのインストールが強制され脆弱性の心配をしたり、そもそもアプリの使い勝手が悪いです。e-Taxになってから長いので、定型の確定申告は迷わなくなりましたが、新規申請が入ると時間を浪費すること必至。

初年度の住宅ローン減税も年末調整で簡単に済ませられると楽なのですが、残念ながら未対応です。最初は土地建物を取得したエビデンスが必要だったり、建物の性能で住宅ローン減税額が変わるため長期優良住宅の認定通知書が必要だったりして、簡易な年末調整では対応しきれないからでしょう。

ということで、2023年分は国税庁システムで確定申告したのでした。

2年目からは年末調整

翌年からはローン残高しか変化が無いため、申請に必要な書類はグッと少なくなり、年末調整で控除申請できるようになります。

なお、住宅購入を会社にバレたくなければ、2年目も確定申告で控除申請できます。とはいえ、引っ越し手続き時点で、会社には持ち家になったことがバレバレだったりします。今なら変動金利より減税率の方が割が良く、オマケに団信まで付く住宅ローンを使わないハズがないので、なんなら購入を隠していると邪推されかねません。

ということで、ここは素直に手間のかからない年末調整で進めましょう。(家を買うと転勤→単身赴任を命じる旧体質の会社だったなら・・・転職しよう)

 

さて、簡単と思われた年末調整ですが、必要書類の準備に落とし穴がありました。それは、「年給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」。これが税務署から送付されて来ないのです。

控除申請用のエビデンス集めでハマる

年末調整は、国税庁のシステムよりは簡易な、会社の慣れたシステムで申請します。毎年似た入力のため大体自動入力され、手間がかかりません。ただし、PC上での入力だけでは申請が完了せず、エビデンスとなる紙書類を社内メールで物理的に送る必要があります。

そのエビデンスは、10月初旬~中旬に自宅へ郵送されます。住宅関係の確定申告では、具体的には銀行のローン残高証明書と保険会社の地震保険控除証明書が必要で、以下のようなハガキが来ます。

人によっては生命保険や医療保険の控除もありますので、それらを年末調整に向けて集めておくことになります。我が家は山岳遭難救援やフライト事故にも対応した保険に入っていますが、それは会社の団体保険ですので控除証明書は不要。団体保険は安価な上に手間も少なくて良いですね。

 

さて、予定通りハガキが届きましたので、あとはサクッと申請できると思っていましたが、システム入力してみると未知の(まだ郵送されていない)書類が必要と表示されました。

それが、税務署が交付する「2024年給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」 。

マジか。年末調整の所管も税務署なんだから、今年の確定申告で提出した控除申請書を横連携してくれれば良いのに…。これも、縦割り行政のなせる技ってことか。

仕方ないので、住宅借入金等特別控除申告書を調べると「住宅借入金等特別控除申告書の対象年数分が10月中旬に税務署からまとめて送付される」とあります。いや、郵便物を再確認したが、1年分も来てないぞ??

 

ここで、10月23日にマイナポータルに通知が来ていたことを思い出します。マイナポータルにアクセスしてみると、通知とともに「住宅借入金等特別控除証明書」というXMLデータが添付されていました。これかと思いきや、名前の最後が微妙に違います。(証明書≠申告書)

 

そこで、国税庁の「年末調整で住宅借入金等特別控除の適用を受ける方へ」というページを確認してみると、以下の記載がありました。

給与の支払者が電子データの提出を受付できず、書面でしか受領できない場合は、QRコード付証明書等作成システムを利用して、書面で出力して提出してください。

そんなことなら、マイナポータルの通知欄に「必要に応じてQRコード付証明書等作成システムを利用して書面出力せよ」と追記して、作成システムへのURLを貼ってくれれば、多くの人の手間が減るのに…。国税庁ユーザビリティテストでは、誰も指摘しなかったのだろうか。

 

状況は分かりましたが、またもや国税庁の新システムか・・・面倒そうだ。

指定されたQRコード付証明書等作成システムにアクセスしたところ、予想を裏切らず、ブラウザ限定でのCookie設定 + Chrome拡張機能のインストール + 事前準備セットアップ(最新版)の再インストールなど、面倒な設定が要求されます。

 

ブラウザに拡張機能なんか入れちゃったら、国税庁(and/or 開発業者)に個人のWebブラウジングをモニタされる不安が生まれ、良い気分ではないです。というか、それが目的で(脱税を監視していると印象付けるため)、今どき珍しくアドオンをインストールさせようとしているのかも、と訝ってしまいました。ですが、一般アプリと違って国税庁アプリは代替できるような他社アプリ無し。ソフトをインストールするしかありませんね。

住宅借入金等特別控除申告書の作成手順

以下は、マイナポータルで「住宅借入金等特別控除証明書」(XMLファイル)を得た状態から、パソコン上で「住宅借入金等特別控除申告書」(PDF)を生成するまでの手順です。来年になるとシステムが変わってしまうかもしれませんが、備忘録にメモしておきます。

1. 国税庁のWebサイトにアクセス

QRコード付証明書等作成システムにアクセスすると「環境チェック」なるものが動き、恐らくエラーが出ますので、右端の[事前準備へ]をクリック。

(もしエラーが出なければ既にセットアップ済ですので、5項に飛びます)

2. 事前セットアップ(Windows用)をインストール

事前準備のページの「(3)事前準備セットアップ」まで進み、事前準備セットアップ(Windows用(exe形式:約88.8MB)をクリックします。

ダウンロードすると「QR_IEsetup.exe」というファイルができます。chromeを使っているのにIEsetupで合っているのかと、妙に不安心をアオる仕様になっております。

あ、インストール画面は特にハマらなかったので割愛です。

3. ブラウザの拡張機能e-Tax AP」をインストール

画面をスクロールして、Chromeウェブストアへをクリックします。

Chromeウェブストアに行き、e-Tax APの画面であることを目視確認して「chomeに追加」ボタンをクリックします。

ちなみにウェブストアの評価欄に、国税庁アプリに1.3点という普段目にすることのない低得点が付けられているとともに、遠慮のないレビューが書かれていて、なんだか、もの悲しくなります。

税金投入して200万人もインストールしているソフト。随意契約e-Taxを開発しているNTTDさん、なんとかならないものか・・・。

4. QRコード付証明書等作成システムにアクセス

画面をスクロールして「QRコード付証明書等作成システムを利用する」をクリックします。

(最初の画面に戻ります)

5. QRコード付証明書等作成の開始

環境チェックが全て正常であることを確認して、[次へ]をクリックします。

6. 証明書の選択

「参照」ボタンをクリックして、マイナポータルからダウンロードしたXMLファイルを選択して「読み込み」をクリックします。

7. 証明書の読み込み確認

読み込むファイルがあっていれば「問題はありませんでした」と表示されます。「次へ」をクリックします。

 

(エラーが出た場合はXMLが破損している可能性がありますので、再度マイナポータルから取得し直してみます)

8. 証明書のPDF生成開始

読み込んだXMLファイルが選択されていることを確認して「表示・印刷」をクリックします。

9. PDF表示

PDF作成中となり、作成が完了したら「表示」をクリックします。

10. 印刷

無事にPDF化されたようです。

あとは印刷して完了です。

その後、無事に年末調整の申請が終わったのでした。良かった~。