先週の八ヶ岳 北横岳に続いて、今週は飯豊山(いいでさん)を登ってきました。当初は2泊3日の縦走予定でしたが、計画していたダイグラ尾根ルートの橋が崩落して通行止めだったことに加えて、連休後半の天気予報が悪化。ということで、避難小屋を利用した1泊2日のまったり山行に切り替えました。今回はそのことを。
─ 目次 ─
ロケーション
飯豊山は、山形県西置賜郡小国町、新潟県東蒲原郡阿賀町、福島県喜多方市の県境にある標高2,105mの山。万年雪のある美しい山で、日本百名山に選ばれています。御沢ルートの中盤にある三国岳(みくにだけ、標高1,644m)も、同じ3県の境にあります。全国に存在する「三国岳」や「三国山」という山名は旧国境を表すことが多く、ココは旧制の出羽国、陸奥国、越後国の三国の境界になります。
ここで「2つの山が同じ3県の境界にある」ことに疑問を持った方は、おそらく数学好き。幾何学的に可能ではあるが、ヘンテコな形状の県になってしまう、と思われた筈。あるいは県境マニアなら、ピンと来たかもしれません。
地図を見ると、福島県の県境は三国岳にあるように見えます。なぜその奥にある飯豊山も3県の境になるかというと、飯豊山神社がその理由。
飯豊山神社は旧一ノ木村(今の喜多方市、一ノ木郵便局の近く)に麓宮があり、飯豊山の山頂に奥宮もあります。廃藩置県と行政区画再編により、会津北西部の山を福島県ではなく新潟県に編入した時、会津の先人は「麓宮から奥宮までが1つの神社」と主張し、飯豊山神社の敷地とその参道だけは福島県に帰属することになりました。つまり、三国岳から先の登山道は、福島県の細っーい領地なのです。また山頂は点ではなく面として扱われるため、県境の山々の山頂は福島県だけでなく3県に属することができるのです。(建物は1つの自治体で管理されるため、飯豊山手前の本山小屋は3県の共有ではなく喜多方市のみで管理)
ちなみに、先月登った金峰山の記事で、金峰の由来は修験道の開祖である役小角(えんのおづぬ)と書きましたが、実はこの飯豊山も役小角が652年に登頂して命名したと言われています。おづぬん、いったい何者だよ・・・。
そして、これまた金峰山と同様に古い国境の山あるあるですが、国によって呼び方が異なることが多々あり、会津地方では飯豊山を「いいとよさん」とも呼んでいたようです。(今では、ほぼ「いいでさん」で統一)
少し登山から脱線しすぎましたね。話を戻しましょう。
飯豊山へのアプローチは、メジャーなものだけでも9つの登山口があります。

御沢の登山口に設置されたマップより
今回は、先ほど述べた川入口(地図の右下)の御沢からスタートしました。つまり今回の山行は、飯豊山神社の表参道を歩く参拝でもあります。
ということで、お参り用の5円玉を忍ばせて登りました。一応、参道という扱いではあるものの、イージーな石畳ではなく、実態は岩場やクサリ場もあるガッツリ山道です。ルートを参考にされる場合はご注意を。
御沢登山口~本山小屋
今回のルートは、御沢の渓流沿いで水分が豊富。ということで、想定通りコケが潤沢でした。

先週の北八ヶ岳程ではないですが、コケ好きには堪らないスタート。
前項で御沢ルートは表参道と書きましたが、見ての通り参道感はなく、普通の山道です。

普通というか、ハシゴ&鎖場なんかもあったりして、結構ハード。

さらに途中に雪渓もあったりします。

なお、今回のルートには雪渓のトラバースはなく、アイゼンは不要です。(ルートによっては必要なケースあり)
飯豊山は高山植物でも有名ですが、その期待を裏切らない様々な花に遭遇しました。

花の写真が多すぎるので、詳細はヤマレコ記録で。
途中で出会ったベテランさん曰く、「飯豊山は雪渓が多く、気温が下がるため、場所によっては8月に春の草花が咲く」とのこと。確かに雪渓横のゼンマイが、グルグルの伸び初めでした。その気温差で花畑にも重厚感が出るのか。
一ノ王子まで登って振り返ると、今まで歩いた稜線が一望できます。

いや~、とても標高2,000m以下の稜線には見えない。東北の山は標高の数値以上の迫力がありますね。
一ノ王子からようやく2,000m超えとなり、そして本日宿泊する本山小屋に到着!

ちなみに、本山小屋は別名「飯豊山避難小屋」なのですが、7月1日~9月30日は管理人さんが居り、ビールやグッズも購入できます。実態は素泊りの営業小屋に近いですね。これが夏季以外になると、無人開放の本当の避難小屋になる、という訳です。

小屋は2階建てで、収容人数は50名。8月9日に訪れた登山者は、混雑することなく全員泊まれました。本当にありがたいことです。
本山小屋~飯豊山(ピストン)
小屋で寝床や夕食(すいすいパスタ)の準備が終わったら、飯豊山の山頂へ。

山頂には奥宮があり、今更ながら安全登山を祈願です。
飯豊山の山頂から御西岳とその先の大日岳を見つつ、本山小屋でゲットした麦の液体とコーヒーで乾杯~。

御西岳は元々は2泊3日で縦走する予定だった山。雪渓を従えた素晴らしい稜線で、いつかココも歩きたい。
前日夜に東京発して睡眠不足だったことに加えて、稜線があまりにも良い陽気だったので、山頂でお昼寝タイム発動です。

で、気づいたら山頂で1時間以上寝てました。至福の時間だった・・・。
その後も山頂で山々を撮影したり、トータルで3時間ほど滞在。

明日の天気予報が下り坂でしたので、1日目の晴れ間を存分に堪能しました。たまには、こういうまったり登山も良いね。
午後4時前に、通行止めのダイグラ尾根ルートを渡渉し10時間かけて飯豊山に登られた地元の猛者と邂逅し、色々とお話できました。こういう出会いも楽しい。
では小屋に戻って夕食です。本山小屋にはテン場の奥に水場があり、

そこで水を汲んでパスタを茹でる。

そして、飯豊山を見ながらタラコとミートソースパスタ。温かくて美味しい~。
夜は12時に起きてみましたが、残念ながら雲が多くて星空は断念。
本山小屋〜御沢
2日目は天気が下り坂の予報でしたので、時間の掛からない食料を持参。

お手軽な朝食でササッと済ませて外に出ると、朝から雲多い。

ギリギリ稜線は見えましたが、日の出は見えません。
そして出発時間には小雨が降り始めました。

雲の中の稜線も雰囲気ありますね。下りは行きと同じピストンコースなので割愛。そして9:50に登山口へ戻りました。お疲れ様〜!
おまけ
帰りは登山口から車で20分ほどの「いいでのゆ」へ。
この温泉は500円/人とリーズナブルです。オープンが9:00AMと早いのも助かりました。泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉。
「いいでのゆ」には食事処もあり、こちらは11時にオープン。先に温泉に入り、11時になってから昼食をいただきました。

ミニ天丼セットとソースカツ丼が美味しいかった~。
今回は早め下山になりましたので、午後は予定を前倒して、フライングでお盆のお墓参りをして義実家へ。夕食は皆でステーキ宮。

思いがけず登山後のタンパク質をゲット! ステーキ宮は最近サラダバーをリニューアルしたようで、スープ3種、各種サラダ、デザート食べ放題でお腹パンパンになりました。
あぁ、今回は確実に、登山したのに体重が増えるパターンだぜ…。
今回の山歩きの詳細記録はこちら。