空と山と暮らし

パラグライダーと山歩きの記録、ときどき家と暮らし。

注文住宅㉚外構2

今回は注文住宅 - ローコストハウスメーカーで冬暖かく夏涼しい家を建ててみるシリーズの最終回です。内容は前回㉙外構1の続編で、菜園づくりの+αについて整理しました。「注文住宅」からは少し外れてしまうのですが、外構の一部として書いてみます。

─ 目次 ─

土作り その1

前回記事で道路側の草花エリアと、濡れ縁側の野菜エリアにレイズドベッドを作成したことを書きました。このレイズドベットに土を盛るためには、庭の残土だけでは量が足りません。ということで、まずはご近所のホームセンターで安価な「園芸培養土」を大量購入してレイズドベッドに入れ、もとの庭土と混ぜて耕しました。

ここで前回記事でも書いたのですが、耕していると結構な石が出てきたのです。これを除けるのが手間でした。全部で100kg位は出てきたのではないでしょうか。この作業だけで、2日ほどかかりました。

さて、追加した園芸培養土は「ミネラル配合」で「そのまま使える」がうたい文句ですので土作りは楽なのですが、混ぜた元の庭土の状態が全く分かりません。ということで、いろいろアイテムをゲットして土作りをしてみました。1つめはpH試験紙で、これは土作りの前の状態確認です。

植物によっても違いますが、土はpH5.5~6.6程度の弱酸性が適正です。しかし日本は雨が多くアルカリ分が流れやすい上に、雨そのものも酸性雨の傾向があるため、だんだん強酸性になってしまいます。そこで投入するのが苦土石灰

苦土石灰は農薬ではなく、有機質肥料と同じ天然物になります。単純に酸性度を調整するだけではなく、名前の通りマグネシウム(苦土)も補給できる優れものです。

これ以外に追加で入れる肥料として、当初は一般的な窒素-リン酸-カリ = 6-6-6や8-8-8 (%)の肥料を使っていました。しかし、特にナス・ピーマンなどの肥料喰いの野菜は、2週間に1回ほど追肥する必要がありますので、後々はお手軽な肥料も使ってみることにしました。それがIB肥料。

IB肥料は緩効性肥料で、じんわり肥料成分が溶け出すように設計されており、60-70日程効果が続きます。コスト的には割高ですが、手間が減るのは助かります。(そのほか、肥料焼けしにくいといったメリットもあります)

 

初年度はこれらで作った土で、アスパラ 4株、キュウリ 2苗、トマト2苗(脇芽増殖+3苗)、ナス 2苗、ピーマン 1苗、オクラ5苗を育ててみました。なお、本当は4月位には揃えておくのが良いのですが、3月の引っ越しから家のDIYやら色々ありまして、全体の苗の植え付けが終わったのが5月。スタートダッシュをきれなかったのですが、猛暑だった影響もあってか6月からぐんぐん育ち、1年目は病気にやられることもなく、無事に収穫できました。

ただ、初年度は園芸培養土を入れましたので、土作りで問題なかったのは当然と言えるのかもしれません。2年後3年後にどうなるかで、土の実力が見えてくるのだと思います。

 

さて、庭で家庭菜園をするにあたり、家づくりと同様にYouTubeで色々学ぶことができました。特に良かった農業系YouTuberさんのチャンネルは以下3つ。

 

・たわらファーム-農園ものがたり-

本業はハウスのトマト農家さんですが、野地の家庭菜園でも有用な情報がてんこ盛りです。動画公開の本数が非常に多く、今年のトマト・ナス・キュウリ・オクラの栽培している様子をタイムリーに発信されていて、同じ時期に栽培した我が家にフィードバックできるのが助かりました。

 

・科学的に楽しく自給自足ch

科学的な研究とデータに基づいた情報発信で、農業系YouTubeとしては異色なチャンネルではないでしょうか。栽培の手法だけでなくその原理、「なぜ」も学ぶことができます。また「農耕の歴史」シリーズといった教養寄り動画も公開されていて、コンテンツとしても非常に面白いです。

 

・塚原農園さん

我が家と同じ、トマト・キュウリ・ナス・ピーマンを同じ時期に栽培していて、かつ実際に畑でどのように仕立て剪定するのか、具体的なテクニックが学べます。育てている野菜たちが、皆とにかく元気で豊富に実っているのが良いですね。塚原さんの柔らかい人柄にも惹かれ、真夏の渇水で苦労されている動画ではもらい泣きししかけました。

農業というものは歴史が長く、本や文献の情報も大量にあり参考になるのですが、動画は畑作業の動き方や雰囲気までも伝わります。色々な方法で勉強できる良い時代ですね。

 

振り返ってみると、トマト・ナス・ピーマン・オクラは、家で食べる量と同じか、少し多い(2-3日に1回、余りを会社で配る程度)の収穫量で、良い塩梅の植え付け量でした。一方キュウリは大量に育ち過ぎ、かつ料理メニュー的にもバリエーションが少ないため余りがちでした。泊まり旅行から帰った時は大量のキュウリをどうにもできず、ご近所にも配ったりでなんとか対応しました。家庭菜園では、長期間で少しづつ実るような品種の方が扱いやすいです。来年の品種選考時の課題ですね。

自動散水システム

さて、土作り・肥料は最初の作業が大変なのですが、一度仕上げれば日々の手間は少ないです。一方、水は毎日の作業が必要です。特に猛暑日が続く真夏は気温が高い時間は水がお湯になってしまうため、気温が低めな朝5時と夜9時頃に水を撒くのが良いようです。ですが毎朝続けるのは大変、かつ夏休みは長く家を空けることもあり、その間の水をどうするのかという問題も発生します。そこで登場するのが自動散水システムです。

 

システムといっても最近は便利グッズが多く販売されていますので、それらを組み合わせれば実現できてしまいます。まずは自動散水タイマー。Amazonで5000円程度でゲットできます。

この機種は開始時間/通水時間のペアを2セット登録でき、夏の朝夜の散水に対応できます。電池で動くタイプですが、家に設置から半年経過しても電池残量100%のままで、交換の手間はあまりかかりません。

この自動散水からの出力を、水分岐コネクタに繋げます。

分水の先は、濡れ縁側の畑エリア用散水に1本、道路側の草花エリア用散水に1本、ホースリール用に1本の計3本に繋いでいます。(年末にもう1エリアを開拓予定のため4分岐用を買っています)

この分岐した水を散水するのですが、散水ホースは場所に応じて2タイプを試してみました。

左が畑エリア用で、ホースに一定間隔で開けられた穴から水が出て広い周囲を散水できます。右が草花エリア用で、散水エリアがスポットになり狭いのですが、道路側フェンスに吊った鉢などにチューブを伸ばして散水することもできます。

実際に使った様子は以下の通り。まずは畑エリア。

芝生の散水にも使える広範囲用の散水ホースなのですが、表向きに設置すると水が飛び過ぎたためホースを裏向きに設置して、散水範囲を絞っています。

次が草花エリア。

こちらは10か所に給水できるようになっていて、宙吊りポットや離れた場所の植木鉢にも給水できます。ただ、色々試すと10か所では足りないので、もう1つ購入して20か所に給水できるようにしています。

 

この自動散水を使うことで、今年の酷暑の夏に数日家を空けても乾燥を凌げましたので、基本としては問題なさそうです。毎日の水やりも手間が無くなりましたので付けて正解でした。あとは耐久性がどれくらいあるのか様子見です。

土作り その2

今年の夏は栄養豊富な腐葉土を投入できましたので、野菜は順調でした。来年以降を考えて、どのような土作りをするのが良いのか。

我が家ではカルス NC-Rを試してみることにしました。

これは微生物を使って土の中で堆肥を作るものです。夏野菜で大量に発生した残渣(葉っぱ・茎・根っこ)を微生物が食べて堆肥にするため、残渣処分も不要になって一石二鳥ですね。このカルスNC-Rとセットで必要なのが「硫安」と「米ぬか」と「もみ殻」。(最後のもみ殻は野菜の残渣で代用できますので無くても大丈夫です)

硫安はカルスNC-Rとセットでネットで安価に調達できました。米ぬかもセットについてきたので最初はそれを使いましたが、米ぬかは安価に調達する手段がありますので、次回からはセット品を買わない見込みです。というのも、10月に那須塩原へ旅行したのですが、立ち寄ったお米屋さんで米ぬかを無料で頂けまして、今後はお米の購入時にお店に相談してみようと考えています。

さて、これらを混ぜて畑を耕してみたところ、2週間ほど経つと野菜の残渣が皮だけになっていました。トマトの太く固い茎も中空になっていて、凄い分解速度です。土もフカフカになっており、来年も良い野菜が育つことを期待できそうです。

ちなみに、我が家のご飯は、玄米を購入+自宅で精米派なので、米ぬかを自宅生産しているとも言えます。ということで、今では米ぬかのストックができたら、カルスNC-Rと硫安と混ぜて、場所を変えながら畑に投入しています。これだと秋以降に出てくる野菜たちの残渣も少しづつ処分できます。カルスが過剰になってしまう危険もありますが、しばらくこのやり方で様子見してみます。

 

最後に

今回は、もはや「注文住宅」シリーズから外れてしまったかもしれません。この注文住宅シリーズの記事は昨年7月の設計段階から書き始めましたが、早いもので今年3月に建物工事が終わり、そして外構も完了しました。建築としてはひと段落になりましたので、今回で注文住宅シリーズを完結にします。

今後はブログのタイトル通り、その注文住宅での「暮らし」の視点で、気の向くままに書いていく予定です。このブログが参考になる方が居れば幸いです。

 

前回の家を建ててみるシリーズ㉙外構1の記事はこちら。

家を建ててみるブログのシリーズ初回。