空と山と暮らし

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夏野菜'24-② 高断熱住宅で苗育と水耕栽培をしてみる

今回は、2月から開始した夏野菜の育成シリーズの第2回を書いてみます。

前回、屋内で畑の準備を始めたことを記事にしました。

それから1ヵ月が経過しましたので、現時点の苗の育成状況を記録しておきます。そして、調子に乗ってトマトの水耕栽培も始めてみましたので、今回はそのことを。

─ 目次 ─

苗に必要な照度

我が家は、いわゆる高気密高断熱住宅で、冬でもエアコン1台で家全体を20℃以上にキープできます。(コスパ重視のHEAT20 G2.5レベル、UA値0.38、C値0.4です)。この温度は育苗にも適していますので、これを利用して2月に野菜の種を撒きました。

苗育において、室温は全く心配していないのですが、気がかりは前回記事にも書いた日射強度で、つまり徒長のリスクです。苗を育てる南面の窓には日射取得タイプの断熱窓を施工していますので、理論上は日射遮蔽タイプ窓より日射強度は有利なはずですが、実態としてどうなのか。

まずはお手軽に、スマホの照度計アプリ(無料)で簡易測定してみることにしました。

 

アプリをインストールしてLED電灯の下で測定すると800 lx程度の値が出ており、数値は妥当に見えます。ただ太陽光の正しい測定方法がイマイチ不明で、スマホをガラス面にかざす(鉛直に立てる)と日射遮蔽ガラス越しでも測定値が上限65,535 lxになってしまい、違いが見えません。ということで、太陽高度の浅い朝にスマホを水平面に置いて光が当たりにくくなるようにして比較測定することにしました。

一番左が窓外のウッドデッキに置いた状態、2番目が日射取得ガラス越しの床上、3番目が日射遮蔽ガラス越しの水平面です。2番目と3番目は直射との対比値がそれぞれ91%と56%で、やはり日射取得ガラスは違いますね。サッシの違いは、体感でも日射取得ガラスの方が暖かいことが分かるレベルです。(床の暖まり方も全く違います)

さて、育苗のためには20,000 lx以上が必要といわれ、実測値からは朝から十分な照度になっているようですが・・・植物に必要な波長(光合成:640~690nm、植物育成:420~470nm)をガラスがどの程度透過しているのかまでは分かりません。

ちなみにヤマト住建の窓(エクセルシャノン製 樹脂サッシ トリプルシャノン)の仕様は2022年の記事「注文住宅 設計打ち合わせ - 残課題あり」に記載したとおり以下です:

エクセルシャノンさんのパンフレットに色別の特性が記載されていて選択の参考になります。以下に引用します。

上記の通り、日射熱取得率・可視光透過率・紫外線カット率が記載されており、波長ごとに遮蔽率にかなりの違いがあることが分かります。例えば「ESクリア」に対して「グリーン」は、可視光で2倍程度の遮蔽率(100-53.3=46.7%カット:100-77.0=23%カット)ですが、紫外線は9倍の遮蔽率になります。恐らく可視光領域でも波長によって違いがありそうで、植物育成に必要な450nmと650nm付近の光がどの程度通るのかが見えないのです。

ここは今でも不明で、徒長しないかドキドキしながらの育成になりました。

 

蛇足ですが、昨年エクセルシャノンが「シャノンウインドNS50」という更なる高性能樹脂サッシをリリースしました。[日本初 断熱性能とデザインの両方を兼ね備えた窓シャノンウィンド NS50を使用のモデルハウスを建築 | ヤマト住建]・・・今から家を建てる人、いいなぁ。 

 

育苗の開始

さて苗に必要な日射ですが、育苗を始めた翌日の2月23日から3連休で雪山登山に行き、なんと肝心の窓はシャッターを下ろしたままの環境になりました。

つまり、スタートダッシュの時期に苗床は真っ暗という環境。(我ながら何してるんだ…)

 

そのせいか、無事に発芽したものの、若干ヒョロ長の感じが出てしまったので、慌ててメネデールリキダスで補強です。ちなみに、リキダスはハイポネックス ジャパンのYoutubeチャンネルを見て使い方を習得しました。

園芸塾の枝元塾長・・・面白いし勉強になります。ありがとうございます。

 

このリキダスが効いたのか、徒長気味であった苗が3月上旬には少しガッチリしてきた気がします。良かった。

ちなみに、前回記事で「種まき用のロックウール」と「培養土」との比較をしていました。初動こそロックウールが優勢だったものの、その後はトントンになっており、1か月経つと大差ありませんでしたので、苗床は「やりやすい方で良い」という結論です。

 

また、発芽率が不安で1ポットに2-3粒ずつ種を撒いたのですが、ほぼ全部で芽がでています。今どきの種の品質は素晴らしいですね。ただ、苗の数が過剰になってしまいますので、適宜間引いて選別していこうと思います。

 

そして春分の日が過ぎて暖かくなってきましたので、早めに明るい外に出してあげたい気分なのですが、まだまだ屋外は最低気温5℃以下になります。夏野菜の耐寒温度の限界は10℃の品種が多いので、当面は屋内で様子見ですね。試しに間引いたトマト苗を外に植え直してみたら最低気温2℃になり見事に枯れてしまいました。危ない、危ない。本命苗のお庭デビューは4月中旬まで我慢です。

それまでに庭を占めているブロッコリ・レタス・キャベツ諸々をどこかで見切り、土づくりを始めますので、そのときまた記事を書いてみます。

トマトの水耕栽培に必要なこと

さて、予想外に高い発芽率で苗数が過剰になったのと、暖かくなるまで待ちぼうけもツマラナイので、余った苗で水耕栽培にもチャレンジしてみることにしました。今回は我が家の食卓でニーズ上位なミニトマト水耕栽培に挑戦です。

 

レタスなどの葉物系の水耕栽培はお手軽な水耕栽培ポッドで既に実施済なのですが、トマトの水耕栽培は葉物野菜のように簡単にはできないようです。色々調べてみると、以下3つが必要ということでした。

  1. 10L以上の保冷容器(夏に大量に水を吸う+結果のために低温維持が必要)
  2. 水耕栽培用の肥料(ハイポニカなど必須栄養素を含むもの)
  3. 水ポンプ(酸素供給&水攪拌)

まず1の保冷容器は、近くの角上魚類で買い物をした時に綺麗な発泡スチロールを入手しました。水が15L程度入りそうなサイズで、水交換(補充)の頻度を少なくできそうです。念のためこれを洗って育成容器にします。

 

次の2の肥料ですが、これはチッソ/リン酸/カリの三大要素だけでなく、それ以外の必須栄養素も含んでいる必要があります。土耕栽培では土壌に含まれる微量な必須栄養素を利用できますが、水耕栽培には基本的に水しかないため、意識的に栄養素を補充する必要があります。水耕栽培といえばハイポニカが定番ですが、今回は手持ちの微粉ハイポネックスで代用してみます。

 

最後の3の水ポンプは、今回は安価でメンテ性の良いエアポンプで代用してみます。4月以降にベランダで育てることを考えるとコンセント無しで使えるものが望ましいため、太陽光で動作するWINGSOLAR製のハイブリッド ソーラー エアポンプ(Amazon 3,180円)を購入しました。これが優れもので、太陽光を当てるとポンプが動くだけではなく、余剰電力をバッテリ(エネループ単3電池)に充電でき、夜間はバッテリの電力で動き続けてくれます。非常にシンプルな構成で、故障してもDIY的にモータだけ自分で交換できるのが素敵です。

 

水耕栽培への移植

では早速セッティングしてみます。本当は一から水耕栽培用に育てた苗が良いのですが、今回は土で育てた余剰苗を使いますので、土の細菌が残らないように綺麗に苗を洗って水耕栽培に転身させます。

そして発泡スチロールに、微粉ハイポネックスを1,000倍希釈相当にした水を投入します。水の深さは根の1/2~2/3が埋まる位がよいとのこと。合計7Lほど入れました。

微粉ハイポネックスが水に溶け切っていませんが、園芸塾の枝元塾長曰く「仕様」とのこと。

溶けなくて問題ないようですので、最初に軽く混ぜて、そのまま放置にしています。

そして、今回は土で育った根っこから水耕栽培用の根っこに切り替える必要がありますので、ここでもメネデールリキダスを投入してみました。いろいろ混ぜすぎてEC値がターゲット値を超えているのではという心配もありますが、563円の激安ECメータの納品がまだのため、ハイポの希釈量を信じて様子見です。

 

で、発泡スチロールの蓋から苗が出るようスポンジで高さ調整してセット完了。太陽が出るとエアポンプも元気に動いてくれました。

3月は最低気温が低くベランダに出せませんので、2Fの2ndリビングの日当たりが良い場所に置いてみました。エアポンプはモータ音が大きく、現状は深夜はモータを止めています。ベランダに出せたら放置で大丈夫と思います。

 

水耕栽培の初心者なのにセオリーから外れることが多めな気がしていますが、このトマトがどうなるか、記録を残していこうと思います。

おまけ:観葉植物の現状

100均一のノーマル サンスベリアは無事に冬を越しました。株から離れたポイントに新芽(葉?)が出始めており、今年も順調に株増しできそうな雰囲気です。

 

冬から始めた変わり種サンスベリアは2種とも変化なし。まだ根張りが少ないと思われ、春以降の変化に期待です。

 

多肉植物は葉っぱに大きな変化がないのですが、一番手前のエメラルドフラッシュは、なんか髭のようなものが伸び始めてしまいました。

なんか、やってしまったか(!?) と思いましたが、近所のホームセンターに行ったら、どの子も髭が伸びていましたので、エメラルドフラッシュの仕様のようです。動きにくい多肉植物ですが、コイツは成長が分かりやすくて良いです。そして、脇から子どものエメラルドフラッシュも増え始めましたので、そろそろ株分けをしても良いかもしれません。いつか、吹き抜けの窓枠エリアが多肉植物で埋まる日が来るといいな。

 

夏野菜の育成シリーズ③に続く。

 

お決まりのハッシュタグを書いて終わります。(ヤマト住建の公式アンバサダーになった経緯はコチラ

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