11月8日に「11月にエアコンで除湿!?」という記事を書いてから早3週間。さすがに11月下旬になると夏日になることもなくなり、絶対湿度が10g/㎥以下で安定してきたため、ようやく夏用エアコンがシーズンオフの休暇に入ることができました(よもや12月に夏日は来まい…)。
朝晩に外気温が冷え込むにつれて天然の除湿が大きく効き始め、屋内の相対湿度が40%を切る日も増えてきました。湿度管理のために各種の運用切り替えを行いましたので、今回は備忘録を兼ねてそのことについて書いてみます。
─ 目次 ─
11月の振り返り
まずは11月の東京の温湿度データを振り返ってみます。データソースは「気象庁|過去の気象データ・ダウンロード」から。(絶対湿度は平均蒸気圧(hPa)と平均気温(℃)から算出してグラフにしています)
目を引くのは、11月初旬の時期外れの連続夏日。東京の最高気温のピークは11月7日の27.5°で、とても11月の気温には見えませんね。これだけ暑いと湿度も否応なく上がり、休暇に入ったはずのエアコンに再登板してもらったことを書いたのが3週間前の記事でした。それから1か月経っていませんが、本日12月1日の最低気温は4℃で冬日、明日は1℃予報です。夏日から冬日まで季節の移り変わりのなんと早いことか…。
湿度の観点でも、気温がピークだった11月7日以降から絶対湿度が下がり始め、11月10日には11.5g/㎥になり、その後は安定して10g/㎥を下回るようになりました。これで除湿の必要がなくなったため、夏用エアコンを再び(今回は送風のみで)クリーニングしておきました。
一方、朝晩の冷え込みが強くなると外で天然の除湿が始まり、11月中旬で一番の冷え込みとなった11月14日にリビングの相対湿度が40%まで下がりました。(グラフはリビングに設置したSwitchBotの温湿度計データから)
最も相対湿度が下がったのは昼下がりの11/14 13:42。晴れた昼間は日射取得で部屋を暖めますので、どうしても相対湿度が下がりやすいです。家の中は年間を通して相対湿度40%~60%におさめることを狙っていますので、これからは加湿を意識した暮らし方に変えていく必要があります。
湿度コントロール① 除湿
加湿の話をする前に、まず逆の除湿についておさらいしてみます。
東京の夏は効率的な除湿手段が限られており、現実的にはエアコンか除湿器を動かすしかありません。それ以外に暮らし方での工夫もできますが、あくまで除湿のサポートという位置付けになります。我が家は除湿のベースとして夏用エアコン1台を用い、プラスαの除湿支援として除湿効果の高い順に換気、お風呂、炊事で以下3点を行っています。
- 全熱交換式の第1種換気の採用、1F/2Fトイレの高気密電気式シャッターファン
- 入浴中のお風呂の換気扇稼働と入浴後の風呂CFによる湿気拡散
- 料理のお湯沸かし後に換気扇を長めに稼働
まず1項目の換気は建築設計の話に遡るのですが、家を建てたヤマト住建ではハウスメーカ標準仕様で全熱交換式の第1種換気を採用しており、我が家もこれを入れました。また通常は第3種換気になる1F/2Fトイレの換気扇を人感センサー式高気密電気式シャッターファンにしており、使用頻度から考えてトイレ換気はほぼ無視できる湿気流入量になります。第一種換気はPanasonic製で有効換気量率は90%ですが、湿度回収性能は約70%と言われています。これに我が家のC値0.4(隙間給気量の割合:約25%)を掛けると0.7×0.75=0.52で、換気として外から流入する湿気(水分)の約52%分を除去できることになります。換気は24時間動き続けますので影響大です。
2項目のお風呂から暮らしの工夫になります。お風呂の湿気は浴室換気暖房乾燥機と洗面所のサーキュレータでコントロールしています。我が家はハウスメーカ標準でTOTOの浴室換気暖房乾燥機「三乾王」を設置しており、この三乾王には[暖房/衣類乾燥機能]以外に[換気機能]と[涼風機能]が付いていまして、ここでは後者2つを使用します。(暖房機能は電気喰いなので出番なしです)。
また洗面所にはシーリングにCIRCULIGHT(サーキュライト)を付けています。サーキュライトは昨年のブログ記事「注文住宅⑭ 空調の事前検討」でも触れましたが、オーブルデザインさんの風呂CF(循環ファン)を参考にしたもので、脱衣所のシーリングから浴室に向かって空気を吹き込む位置に設置されています。
サーキュライトは上下左右に向きを変えられるため、真下に向けたり浴室に向けたりできます。天井付けなので、温かく湿気が多い上部の空気を移動できること、サーキュレータが動線の邪魔にならないことが良いです。三乾王とサーキュライトはどちらもリモコンがあり、浴室横の壁に取り付けてあります。
便利なのがタイマー機能で、どちらも2時間程度で自動OFFでき、止め忘れがありません。
除湿シーズンのお風呂運用は以下3ステップになります。
- 入浴時に三乾王の換気ON。以降、出入り以外はお風呂の扉を閉めます。
- 入浴後はサーキュライトを下向きONにして涼みながら体を拭きます。
- お風呂ラストの人は着衣/化粧水など終わったら、三乾王の涼風ON、サーキュライトの角度を風呂側に向けて、2~4時間でオフタイマセットします。
最後はサーキュライトだけで良いと思いますが、素早く浴室を乾かすために、浴室換気暖房乾燥機の内部循環の送風モードを使っています。風呂後は一時的に湿度が上昇してしまいますが、ファンを作動させると10分程度で相対湿度を60%以下にできます。今年の夏はこれで運用し、お風呂にカビは見られません。
除湿支援の3項目は料理で発生する水蒸気の処理ですが、特に麺類などを茹でるときなど大量の湯気が出たあとは、少し長めに換気扇を回して湿気を外に出すよう心掛けています。コンロ周りの空気の絶対湿度量が外気のそれより低くなったら換気扇を止めて良いのですが、このあたりの正確な把握は難しいのでアバウトです。あくまでエアコン除湿のサポートとしてできる範囲で対応ですね。
除湿の工夫は以上で、最終的には電気代を掛ければF式で24時間連続稼働させている再熱除湿エアコンがなんとかしてくれますので比較的カンタンでした。いちおう、電気使用量についても確認してみます。
ご参考まで、我が家はオール電化で太陽光は南東面に3kWのみ。家族構成は2人、私は在宅テレワークでPC3台がほぼ稼働。湿度に関しては、お風呂:毎日湯張り派、食事:三食自炊派です。
電気代は、いちおう真夏でも従量電灯Bプランの2段階料金超過となる300kWh未満に抑えられ、猛暑だったピークの8月でも1万円未満でしたので当初想定より低めでした。
※電気プランは去年の燃料費調整額高騰で上限のある従来電灯Bにしています。TEPCOが料金変更した今となっては見直すべきですが、このあたりはまた今度。
湿度コントロール② 加湿
加湿は基本的には除湿の逆をやることになります。まずエアコンの逆として加湿器を買ってしまえば簡単なのですが、できるだけ加湿器を使わない運用を考えてみます。
加湿支援として効果の大きいと考えているものから挙げてみます。
- 全熱交換式の第1種換気の採用、1F/2Fトイレの高気密電気式シャッターファン
- お風呂の換気扇の完全停止、(入浴後の涼風モードとサーキュレータは稼働)
- 料理のお湯沸かしで換気扇を使わない
- 追加で観葉植物
- (洗濯乾燥・・・対象外)
上記1~3は、除湿の工夫の反対の運用ですね。全熱交換式の第1種換気は、夏に湿気流入を防いでくれましたが、冬は換気で流出する水蒸気を52%回収してくれます。24時間動きますので加湿効果も多いです。
お風呂の水蒸気も有用な水分ですので、これをみすみす外に出してしまうのはもったいない。カビ防止のため、浴室乾燥機の涼風モードとサーキュライトによる室内循環のみを稼働しています。タイマの使い方は夏と同様です。
料理は、匂いの出るものは当然換気しますが、IHでは麺類でお湯を沸かすようなケースで外部に放出すべきガスが発生しませんので、そのような場合は換気扇を止めておきます。部屋も暖まりますので、一石二鳥ですね。
さて、加湿ならではの暮らし方として、4項目の観葉植物があります。葉の蒸散量が定量的にどの程度かは微妙なのですが、よく「NASAの実験で他の観葉植物に比べて蒸散作用が多かった」という噂話を聞くサンスベリア(虎の尾)を育てています。
4月に100円ショップで購入した株が無事に大きくなり、子株も増えてきましたので今後さらに成長させて加湿の支援に役立ってもらいます。
なお、NASAの蒸散研究を裏取りのためエビデンス探ししてみたのですがネット検索で見つからず。似た研究で「屋内空気汚染の軽減のための観葉植物」のペーパーが見つかりました。ここから蒸散量も類推しているのかな?
"INTERIOR LANDSCAPE PLANTS FOR INDOOR AIR POLLUTION ABATEMENT"
FINAL REPORT--SEPTEMBER 15, 1989 (NASA)
(赤枠は筆者記入)
表はホルムアルデヒドの24時間での除去量で、赤枠のサンスベリアが31,294μg。これだけ見ると竹ヤシ(76,707μg)やドラセナ(48,880μg)の方が多いですね・・・。葉っぱの単位面積[c㎡]あたりだと、サンスベリア:10.9μg > 竹ヤシ:5.4μg > ドラセナ:3.2μgですので、そういう見方でサンスベリア優勝ということでしょうか。
なお、我が家はサンスベリア一本鎗ではなく、ほかにもスーパーで買った豆苗の再生産とか多肉植物を育てています。
少なくとも日々水やりしている水分は、植物に蓄えられてしまう分を除けば、鉢の自然蒸発も含めると全て水蒸気になっているはず。地道に継続していきましょう。
最後の5項目の洗濯乾燥ですが、こちらは対象外にしました。洗濯乾燥は話題の「乾太くん」は使っておらず、我が家はノーマルの洗濯乾燥機です。ヒートポンプ式で結露水は排水に流れるため除湿の夏は好都合ですが、加湿の冬は水分がもったいない。本気で加湿の支援を考えるならば、冬は部屋干し乾燥が一番です。が・・・、やっぱりボタン1発で乾燥まで終わってしまう自動乾燥が圧倒的に便利で、しかも干すよりタオルがふわっふわ。ということで、生活クオリティ優先で冬も洗濯乾燥を稼働させています。
一応、上記4点の工夫で今のところは相対湿度40%を下回らないようにできています。が、まだ12月初めというのに40%ギリギリの事も多いです。本格的に暖房を使う冬になったら、相対湿度が40%を下回ることは必至という気がしますので、加湿器は避けられないのかな。その場合は無理せず加湿器を買おうと思います。
加湿器を買うなら加湿性能と消費電力のバランスから、「気化式」か「気化ハイブリッド式」と考えていますが・・・いつもブログが長くなってしまうので、今回はここまで。加湿器の検討は12月のどこかで記事にしてみます。
お決まりのハッシュタグを書いて終わります。(ヤマト住建の公式アンバサダーになった経緯はコチラ)
#ヤマト住建公式アンバサダー
#yjオーナー