空と山と暮らし

パラグライダーと山歩きの記録、ときどき家と暮らし。

注文住宅④ 設計打ち合わせ - 家の配置

今回は注文住宅 - ローコストハウスメーカーで冬暖かく夏涼しい家を建ててみるシリーズです。

先週の設計打ち合わせで照明と電気の位置決めを行いました。もともとこれらも考えて間取り検討していましたので、まずは初案を当てはめたという状況です。

さて、今回のブログは少し時間を巻き戻し、前回③ハウスメーカ決定の続きとなります。家の設計が始まり、最初に検討した家の配置の話です。

─ 目次 ─

駐車場と玄関

購入した土地は真南から約45°振れており、南東面にのみ道路がある敷地です。角地ではないため、必然的に南東面の道路沿いのどこかに敷地への入り口と駐車場を配置することになります。さらに、この道路の間口は9m強と小さく玄関を真ん中に置けるような幅ではないため、東玄関(北東)と西玄関(南西)のどちらか2択で検討することになります。ざっくり下図のイメージですね。車から玄関を近くしたいため、玄関に近い方の道路面に車を置き、その反対が庭になります。

駐車場と玄関位置

この駐車場と玄関の位置だけでかなり悩みました。暮らしを考えてLDKからは外の景色の抜けを良くして最も居心地の良い場所にしたいと考えていました。また広がりを持たせるため、LDKにシースルー階段+吹き抜けを設けたいなと思っていました。このあたりを考慮して仮の家を配置して間取りを考えてみても東西どちらが玄関でもLDKから眺望の良い南東側が開けた形にできますし、どちらも外からの光を取り入れできます。平面の間取り案だけ見ていると東玄関と西玄関のどちらが良いか決まりません。

西側玄関 - 和室の日射取得が良さそう

設計初期は西玄関を考えていていました。といっても前図とは異なり下図の通り西玄関の位置に畳スペースを設けて玄関をその上(北)側に配置する西玄関パターンです。

西玄関はLDKだけでなく畳スペースも南東からの日が当たり、日射取得はより良さそうに見えました。この間取り案で1か月位は検討していたと思います。しかし最終的には東玄関にしました。では、なぜ西玄関をやめたのか?

西側玄関の見直し

玄関変更の大きな理由は以下2点です。

以下にその詳細を書きます。

西側玄関の見直し - 斜線規制

今回の土地は第一種低層住居専用地域で高度地区の制限があります。下図の通り、高度地区ですと北側のかなり低い所から斜線規制が入ることになります。今回の土地は45°振れていますので、北東側と北西側の2面が斜線規制の対象になります。

(国土交通省)

西玄関にした場合はLDKの階段+吹き抜けが東側に来るのですが、斜線規制の影響でこの階段の上下位置が母屋下がり箇所になります。階段と吹き抜けが母屋下がりにあたるなら丁度良いかなと思っていたのですが、階段の上り切り箇所が母屋下がりに入ると、最後の段の上部が低くなってしまいます。かといって、階段の最上段が母屋下がりにかからないよう最後にカーブして上り切る形にすると、間取りや構造的にしっくりきません。東玄関でLDKを西側にするとこの問題がなくなります。母屋下がりが階段の反対側の部屋にできますが、母屋下がり箇所を収納とかDEN(書斎)とかベランダにしておけば母屋下がりでも問題ありません。

西側玄関の見直し - 隣家の陰 (日射取得)

もう1つ、吹き抜け2F部分に大き目の窓を設けて冬の日射取得を考えていたのですが、西側玄関で東側吹き抜け(北東)2F側に窓を付けるより、玄関を逆にして西(南西)2Fに吹き抜け窓を付けた方が、シミュレーションをしても冬の日射取得が良いのです。

ホームズ君シリーズ「日当たり君」でのシミュレーション

赤屋根が自宅で西側から見ています。隣家は判明している建物を置いてみました。肝心の南西側の隣家がまだ建築前なので、現時点では隣家だけ大きな屋根で計算してみました。大きい隣家が建つ前提ですが、シミュレーションから冬至は南西側の壁は2Fしか日が当たりません。

玄関位置による違いを簡易な絵で表すと下図になります。

これから西側に隣家が建つと、西玄関で南に和室を設けても南西1Fの午後の日射はあまり期待できないのですが、隣家にも母屋下がりがありますので、隣家が斜線規制ギリギリに建ったとしても南西2Fの吹き抜け窓であれば日射を効果的に入れられるのです。

LDKに日射が入る時間の長さにも違いがあります。午前の南東からの日射のみに強い西玄関か、午前/午後を通して南東/南西から平均的に日射が入る東玄関か。最終的にはLDKの奥までに長く光が入る点を踏まえて、1か月検討した西側玄関をやめ東側玄関にしました。東玄関にすると畳スペースの日当たりは落ちますが、こちらの方が私たちの望んだ形ではと判断したのでした。

 

家を建ててみるシリーズ⑤へ続く

 

ひとつ前の家を建ててみるシリーズ③の記事はこちら。

家を建ててみるブログのシリーズ初回。