空と山と暮らし

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注文住宅⑲気密測定

今回は注文住宅 - ローコストハウスメーカーで冬暖かく夏涼しい家を建ててみるシリーズです。

上棟から3週間。前回の電気チェックから1週間しか経っておらず、外からの見た目はガルバリウム屋根が載ったくらいしか変化がありませんが、家の中は着々と建築が進んでいます。そして断熱材と気密部材の施工が終わり気密測定の日になりましたので、今回はそのことを。

─ 目次 ─

気密測定とは

これは建物外側の柱や壁の間など家の内外に隙間がどれくらいあるかを測定するもので、建物床面積1㎡あたりの隙間相当面積 = C値[c㎡/㎡]を求めることになります。家の隙間が大きいと漏気が増えて計画通りの換気が行われなくなってしまいますので、一定以下の隙間サイズになるように施工するのが大事になります。漏気があれば空調の効きも悪くなりますので、省エネ(運用コスト)的にもC値は小さいほど良いです。新住協(新木造住宅技術研究協議会)さんでは、C値=1.0c㎡/㎡以下をひとつの目安とされています。

C値は最終的には完成前に測定しますが、家が完成した状態ですと結果が悪かった場合の対策が限定的になってしまいますので、石膏ボードや壁紙や外壁が取り付けられる前に中間測定と対策を行うことが一般的です。中間検査で基準をパスすると、その後に施工が進めば基本的にはC値が良くなる方向に行きますので、完成検査であたふたせずに済みます。

私たちは「注文住宅③ ハウスメーカーの決定 」で記載しました通り、気密測定を標準でやられて、かつC値保証があるハウスメーカさんを選びました。測定結果が悪ければリカバリの再施工までして頂けますので気を揉む必要は無いのですが、やはり丁寧な施工のバロメータにもなりますし、気密測定の現場はなかなか無い機会ですので、立ち合いしてみることにしました。

予定より早く朝7:45に家に着くと、既に機器のセッティングが終わっていました。(気密測定技能者さん朝早っ)

家のどこかの窓に測定器を取り付けるのですが、気密測定の影響が出にくいように、セオリー通り小さな滑り出し窓にバズーカーがセットされています。あとは測定スタートするだけですが、少し脱線を。

気密を上げるには

さて、気密性能がどのように決まるかは、大きく「施工」と「建材」の2つの観点があります。

「施工」は、要は大工さんがいかに丁寧に気密施工するかということですが、単純に大工さんのスキルだけで決まるわけではなく、家の形も気密施工のしやすさに影響があります。気密性能の観点で考えるとシンプルな総二階建てが一番有利で、複雑な屋根やバルコニー付きとかオーバーハングなどを設けて角が増えるほど施工も複雑になり、気密性能は不利になります。特に、屋根まわりの複雑さが気密施工の難所になるようです。温熱を考えると、やはり断念性能と同様に切妻屋根の総二階建てが有利ですね。

で、ウチの屋根はというと、めちゃ複雑(笑) 北側斜線箇所に下屋を付けたり、インナーガレージのためのオーバーハングやバルコニーがあったり、更には太陽光パネルを載せやすいように屋根面ごとに屋根勾配を変えたり。設計士さんは無理言っても頑張ってくれましたが無茶しすぎたかな。

「建材」の方の大きなポイントは窓の種類で、引き違い窓が多いと気密が不利になります。これは窓の構造上の違いから気密を取りにくい形状というものがあり、大工さんの施工の丁寧さやスキルではどうにもなりません。この点も、ウチは冬の日射取得と電動シャッターを付けたいがために、そしてピアノ搬入のために1Fと2Fの南東面に大きな引き違い窓があります。

ということで、なかなか難しい条件のお家ですが・・・さてどうなるか。

気密測定の結果は?

気密測定といっても、セッティングが終わっていますので、あとはスイッチを押すだけ。開始するとバズーカーの中のファンが回り始めます。

すぐに測定結果がでました。C値=0.4c㎡/㎡。

気密測定技能者さんは大工さんをよくご存じで「あの大工さんは腕が本当にいいから」と笑っていましたが、無事に一発合格。流石です。ハウスメーカさんの実績を見るとC値0.1を叩き出す例も多く、正直に言うともっと低い値が出ると良いな~という期待が無きにしも非ずでしたが、C値に不利なコンパクトな家に複雑な屋根でこの値が1発ででれば満足です。朝早く集まって頂いた皆さんにお礼をして、気密測定のことや施工のことをお話しさせて頂いたのでした。

おまけ

気密測定が想定外に早く、たった30分で終わってしまいましたので、あとは家の写真記録です。まずは前回は施工前であったバルコニー。まだシートが掛けられていて眺望は見られませんでしたが、下面に金属防水のスカイプロムナードが施工されていました。バルコニーの上には屋根があり雨はある程度防げますが、この金属防水があれば保守コストの更なる低減になるはず。

朝早く家に入るのは初めてでしたが、冬至の朝8時に寝室とセカンドリビングにしっかり陽が入っていました。南面は日射取得用のクリアガラス窓にしており、これが綺麗に太陽光を取り入れてくれているようです。

年内の引き渡しは叶いませんでしたが、早く家に住んで冬の省エネ性を測定してみたいな~。

 

家を建ててみるシリーズ⑳へ続く

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家を建ててみるブログのシリーズ初回。