8月10日から1泊2日で甲斐駒ヶ岳に登りました。甲斐駒ヶ岳は3回目で、前回(10年前)と同じく尾白川渓谷発の黒戸尾根ルートにしています。今回は甲斐駒ヶ岳で初めて雷鳥にも会えましたので、その記録記事を書いてみます。
─ 目次 ─
ロケーション
甲斐駒ヶ岳は山梨県北杜市と長野県伊那市の間にある標高2,967mの山で、南アルプス国立公園内にあります。「駒ヶ岳」をWikipediaで調べてみると日本に20座ありますが、その最高峰が甲斐駒ヶ岳。まさに駒ヶ岳の王様ですね。
標高だけでなくピラミッド型の尖った山容も美しく、日本百名山を書いた深田久弥が「もし日本の十名山を選べと言われたとしても、私はこの山を落さないだろう」と書き残すほどの名峰です。
甲斐駒ヶ岳へのルートはいくつかありますが、今回は尾白川渓谷から黒戸尾根経由でアプローチしてみました。
黒戸尾根は日本三大急登の1つ(残りは、烏帽子岳のブナ立尾根、谷川岳の西黒尾根)で、その中でも標高差が最高の2200mのコースです。ここを日帰りで登るにはかなりの体力が要求されますが、黒戸尾根には途中に七丈小屋がありますので、今回は一泊二日でゆっくり登ってみました。
尾白川渓谷~五合目小屋跡
黒戸尾根は急登のイメージがありますが、笹の平分岐までは比較的に緩やかな登りです。約1,300年前に聖徳太子が尾の白い黒馬で甲斐駒ヶ岳を往復したのが麓の尾白川の語源ともいわれているのですが、確かに途中まで馬で登れそうな勾配です。
ただしナイフリッジ(刃渡り)まで来ると、馬で登るのは厳しそうです。
あくまで伝説ということなのかもしれません。
黒戸尾根の前半の樹林帯は想像以上に苔が多く、そしてキノコもたくさん見ることができました。
コケ、いい・・・。
五合目で少し下りますが、ここまでは歩きやすい山道でした。五合目小屋は既に跡地になっていて、建物はありません。甲斐駒ヶ岳講の最盛期には黒戸尾根上に6軒の山小屋があったのですが、今では七丈小屋を残すのみ。山道の整備とともにニーズが減っていったということでしょうか。
五合目小屋跡~七丈小屋
五合目を超えると急登ゾーンに入り、ハシゴやクサリ場がでてきます。
ここ、ハシゴが無い時代はどうやって登ったのでしょうか。いくら聖徳太子が達人でも、さすがに馬で登るのは厳しい気がしますが…。
その後も樹林帯の登りが続き、午前中に1日目の目的地の七丈小屋に到着しました。
山小屋の脇にKDDIが設置したスターリンクがありました。(Starlink活用「山小屋Wi-Fi」、百名山など100カ所に拡大) 過去は山でdocomo一択でしたが、最近は選択肢が広がって良いです。私もデュアルSIMでスマホ運用していますので、いざというときに電波が繋がる安心感は良いですね。
1日目宿泊(七丈小屋泊)
午後はフリータイムで、妻が担ぎ上げてくれたお酒でまったりタイムを堪能しました。そして、明日に備えて夕食。
10年前は重箱メニューでしたが、今はハンバーグ&カレーでした。カレーが美味しくて2皿もお代わりしてしまいました。
そして、夜は星空タイム。前回は月が明るすぎる問題に直面しましたが、今回は月が沈んだ1時に起きてみました。昼間の雲は綺麗にとれて、満開の星空にあえました。
写真はピントがイマイチでしたが、真夏は標高が高い山でも寒くなく、まったり撮影できてよいです。レンズの調整だけは次に備えてマニュアル設定の練習をしておきます。
七丈小屋~烏帽子岩
朝4時に起きて小屋で朝食弁当を頂き、日の出前に出発です。八合目に御来迎場がありますが、今回はその手前の剣場(?)で日の出の撮影をしました。
今日も快晴で暑くなりそうです。
その後、御来迎場を越えて二本剣が刺さった烏帽子岩に来ると、富士山とセットの眺望を楽しめました。富士山の下には鳳凰三山のオベリスクがクッキリ見えます。
2日目は風が強く二本剣がグラグラ揺れているのが分かるレベルでした。暑い日ですので、強めの風の方が心地よいです。いい日に来られました。
東を向くと、八ヶ岳も見えます。
雲海から突き出た赤岳が神々しい。
烏帽子岩~甲斐駒ヶ岳
烏帽子岩を越え、山頂下の駒ヶ岳神社本宮100m手前に南に突き出た岩があります。ここで甲斐駒3度目にして、初の雷鳥に遭遇!
か・・・かわいい。
カメラを構えていると、こちらに向かってテクテクと歩いてきます。
珍しく雷鳥にカメラ目線まで頂いてしまいました! 雷鳥まじキュート。
富士山を望む岩場と雷鳥・・・良い場所で雷鳥に会えました。良かった。
そして、ついに甲斐駒ヶ岳の山頂へ。
山頂には祠があり、ワラジが奉納されています。今でも甲斐駒ヶ岳講で登拝の修行に来られる方がいて、その方たちが納めているとのこと。どうりでワラジが新しいワケだ。
山頂からは360°の眺望が楽しめ、もう言うことありません。ここでパノラマ撮影もしてしまいました。
まずは西側のパノラマ写真。
次は反対に東側のパノラマ写真。
そして、山頂でコーヒータイム。
いや~、来てよかった。
今回は復路が往路と同じピストンですので、下山は割愛します。
おまけ
下山後は尾白川渓谷から車で15分の「南アルプス釜無川温泉 むかわの湯」へ。ここは10種類のお風呂があり、露天風呂も熱すぎず良い塩梅。ゆっくり寛げます。
10年前の720円/大人から、今は830円/大人へ値上げされていますが、むかわの湯 Webクーポンで730円/大人になるという太っ腹。私はクーポンに気づかず入ってしまいましたが、サウナも2種を完備しておりコスパが高い温泉です。
その後は温泉から車で5分の「食道 やま輝」へ。冬のスキーの後にも寄ったお店で、またまたリピートです。
ここの定食はボリューム満点で登山後に最適です。追加で頼んだ唐揚げで若干多すぎる量になってしまいましたが、美味しく完食できました。
そのせいなのか、ロングコースを登ったはずなのに下山後の方が体重が増える事態になってしまいましたが・・・これは山あるあるですね。
今回の山歩きの詳細記録はこちら。