空と山と暮らし

パラグライダーと山歩きの記録、ときどき家と暮らし。

加湿器その後

先月、以下の加湿器の記事を書き、ダイニチ工業製HD-RXT723を購入しました。

購入から1か月が経過しましたので、今回はその後の実態を記事にしてみます。

 

─ 目次 ─

加湿器の性能は足りたのか?

前回記事では、高気密高断熱な我が家で必要な加湿性能を試算し、HD-RXT723が1台あれば相対湿度55%~60%レンジを狙えると書きました。これが実際どうだったかといいますと、加湿性能は想定した通り十分で、加湿器1台で家中を相対湿度55%以上にすることができました。HD-RXT723は気化式として動作するECOモード(加湿量:460mL/h)と温風を使う標準モード/ターボモード(加湿量:800mL/h)がありますが、省電力なECOモードのみで相対湿度55%を超えています。

ただ想定外だったのは、上限と考えていた相対湿度60%を超えてしまうことが多々ありまして、思ったよりも湿度管理は難しいなと実感したのです。

加湿しすぎの原因

もともと家の湿度については昨年の記事「加湿シーズンのための暮らしの切り替え」と「加湿器はいらない…?」の通り、加湿器がなくても相対湿度40%~60%を維持できていました。そこから、肌保湿のために下限が55%になるように底上げすることを狙ったのですが、当然のことながら元々湿度が60%近くになる風呂上り、具体的には風呂CF(代替のサーキュライト)を稼働させた直後は、家の湿度が高い状態で風呂からの加湿が行われることになり、湿度がカビリスクの60%を超えてしまうのです。

写真の通り、湿度50%設定で湿度67%に…

 

風呂CF以外にも、加湿効果のある洗濯乾燥機や食洗器が動いていると、相対湿度は60%を超えがちになります。HD-RXT723は設定湿度を上回るとファンの回転が遅くなっており、加湿抑制コントロールは正常に動いています。ファンが完全停止していないのが少し気になりますが、例えSwitchBot連動で加湿器を完全停止させたとしても、周囲から加湿されるのは加湿器で止めようがありません。

湿度が上がりすぎてから加湿器を止めても手遅れなので、対策としては入浴の準備をしだす頃から加湿器を止めて湿度を下げておいたり、洗濯乾燥や食洗器を動かす1-2時間くらい前から加湿器を止めたりすれば良いのですが、これが正直メンドクサイ。止め忘れること必至です。

加湿効果のある機器の方を止めても対策になりますが、乾燥させない洗濯乾燥機や食器洗い乾燥機というのは、本末転倒です。

正直、センサ付き加湿器を使ったとしても、相対湿度55%-60%で安定させることは無理筋だったという気がしてきましたが・・・うーん、困ったぞ。皆さん加湿器の運用はどうしているのでしょうか。

現実的な加湿器の運用

湿度を5%レンジで自動コントロールする妙案は、現時点で思いついていません。湿度の実測値から加湿器をオン/オフする自動制御では生活で発生する湿度変動に追従できず、やるとしたら日々の暮らしの統計データや気象予報から1-2時間後の湿度変化を高度に予測して加湿器をコントロールする必要があると思われます。しかし完璧な予測は不可能。

であれば、湿度が閾値を超過しそうになったら冬でも冷房を動かして急速に除湿させる設定をするか。・・・エアコンは流石にやり過ぎですね。

冷えて乾いた外気を取り入れることも案の1つですが、窓の自動開閉は難しそうなので、やるとしたらキッチンの同時吸排換気扇をスイッチボットで動かすとか。・・・いきなり動いたら煩いか。

 

ちなみに、カビ予防としては、相対湿度60%超過がダメかというとそうではありません。公益財団法人文化財虫菌害研究所の論文「カビの予防と防菌防黴」によると、好乾性カビであっても発育最低相対湿度は65%ですので、相対湿度64%まではカビ予防が成立します。

ただ部屋の中央が室温22℃/相対湿度64%だったとしても、窓や外壁近辺(壁内)は温度が下がり、つまり絶対湿度が同じでも相対湿度が上がります。この冷却部のマージンを見て相対湿度60%をリミットに考えているのですが、部屋の湿度が上がったからといってすぐに壁内の湿度まで上がるかというと、ここにはタイムラグがあるわけです。このあたりが見極められれば「n分間は室内の相対湿度65%まで耐えられる」のような話ができるのですが、非定常計算まで含めた相対湿度の限界値を求めるのは難解ですし、論文などの事例もパッと見つかりません。

ということで、とりあえず現時点では、結露計算で結露判定する湿度を上限として、湿度管理するよう見直すことにしました。我が家の場合は、壁構成(A種EPS特号/キューワンボードの内外断熱)と気象条件(最低外気温-5℃、室温22℃)の結露計算上の限界値=相対湿度:66%を真のリミットとして、以下の条件で手動で加湿器運用をしていく予定です。

・基本は相対湿度55%~60%で運用

・1時間だけ相対湿度61%を超えて66%まで上げてOK

・相対湿度67%は超えない(1分間でもNG、ただし浴室は除く)

・入浴/食洗/洗濯乾燥の前は加湿に備えて相対湿度50%まで下げてOK

今年だけかも?

さて、手動運用の課題はヒューマンエラーです。試行錯誤している1年目はともかく、2年目以降は私のズボラ性格が発動して管理がいい加減になることは目に見えています。できれば来年までに追加対策を打っておきたいですが、もしかしたら加湿しすぎは今年が特例かもしれません。特例というのは以下2点です。

  1. 竣工初年度のベタ基礎からの加湿増し
  2. 例年にない暖冬

まず1ですが、昨年3月末に新居に引っ越してまだ1年経過していないことから、まだまだ基礎からの加湿が多いはずです。来年は基礎の乾きが進んで加湿しすぎが抑えられると考えています。

次の2は今年が例年にない暖冬で、そもそも屋外の湿度が高めということ。加湿器が到着した1月20日は暦上で二十四節気大寒でしたが、東京の最低気温は4.6℃と高く天然の除湿が弱いために、屋内は加湿器なしで湿度50%程度ありました。そのまま一番気温が下がる翌朝の温湿度計の実測記録を見ると、AM6:00で外気6.9℃、絶対湿度6.53g/㎥(相対湿度85%)で、とても真冬の絶対湿度に見えません。この屋外コンディションで屋内の湿度を55%に上げておくと、何かのキッカケで屋内の湿度が60%超えした時に加湿器をオフしても、24時間換気だけでは湿度がなかなか下がらないのです。

ちなみに2月中旬に入り、例年は寒さが堪える時期のはずですが、最近は天気予報で4月の陽気と言っています。これでは暖房も加湿も不要です。

【追記】翌2月20日の温度記録が笑える値でした:

2月の早朝というのに、外気:14.9℃、絶対湿度:11.47g/㎥。加湿器を止めても室内の湿度が60%越えで、もはや春を通り越して梅雨の雰囲気です。

温暖化の傾向はあるにせよ、今年は外れ値的に暖かいと思いますので、来年はもう少し寒くなって、加湿しすぎても湿度を落としやすくなるのではと期待しています。ということで、加湿管理については来冬に再び実測してみたいと思います。

 

おまけ

先週はバレンタイン。去年はチョコではなく私の好きなミルクレープだったことをブログに書きました。

今年のバレンタインもミルクレープ。しかも、巷で話題の特製クリーム「なまくり」を妻がゲットしてきてくれまして、泡立ててくれた甘め生クリームと特製「なまくり」をブレンドしたミルクレープを作ってくれました。

メチャおいしい。本当にありがとう。

 

お決まりのハッシュタグを書いて終わります。(ヤマト住建の公式アンバサダーになった経緯はコチラ

#ヤマト住建公式アンバサダー

#yjオーナー