今年の夏は例年にない猛暑で、気象記録を塗り替える日が相次ぎました。10月に残暑が終わり絶対湿度も12g/㎥を切って夏用エアコンが長期休暇に入っていたのですが、昨日(11月7日)に驚きの天候が訪れ、まさかのエアコン再登板になりました。今回は改めてエアコンのことを書いてみます。
─ 目次 ─
暑すぎる夏
今年の暑さは、体感だけでなくデータにも表れています。気象庁の報道発表「夏(6~8月)の天候 - 気象庁」によると、日本の平均気温が、統計を取り始めた1898年(明治31年)からの125年間で最高値を叩き出したとのこと。ちなみに過去2番目に暑かった年は2010年の平年+1.08℃。今年は平年+1.76℃ですので、2位に63%増という大差をつけての記録更新です。
さらに気温だけでなく、日本海の海面温度も初の30℃超え記録という事態。それと関係してか、9月の天気予報では新潟や秋田の最高気温が東京の更に上を行く日も多く、驚いたものです。
ちなみに今年の暑さは日本だけでなく、世界平均気温(1~10月)も観測史上で過去最高(2023年は「最も暑い年に」 世界平均気温、16年超す | 共同通信)なのですが・・・話が脱線しちゃいますので戻します。
我が家の夏
日本が暑い夏なら東京も同様でして、東京の7月の平均気温も観測史上で過去最高。我が家は今年3月に新居へ引っ越しましたので、1年目の夏にいきなりボス戦という状況です。そのボスと戦うための武器は、6畳用エアコン1台!
・・・もちろん無謀な賭けではなくて、6畳用エアコンを支援するための後ろ盾があります。それは適切な日射遮蔽とF式(フエッピーさん)のエアコン運用ノウハウ。エアコンの検討やF式の事は昨年12月の「注文住宅⑭ 空調の事前検討」で書きましたが、我が家も冷房負荷を計算して6畳用エアコンでマージン込み十分と試算しています。
もともと、適切に日射遮蔽された今どきの高気密高断熱住宅は、エアコン1台で30坪程度の家全体を冷やすのは難しくありません。むしろ最小の6畳用でも冷えすぎてしまいます。でも単に冷え過ぎただけの家は、快適とは程遠い。日本の夏を快適に過ごすために重要なのは「温度」より「湿度」コントロールで、相対湿度を50%程度に安定化させると暮らしが段違いに楽になります。
家全体の湿度を低く安定させることは、快適性だけでなく内装や建具の保全、なんなら靴やカバンを長持ちさせる効果も得られます。将来的に夏の気温が上がっていけば、外気湿度も上がる傾向になりますので、今後ますます除湿が重要になる。
そこで活用したのが、先の注文住宅シリーズ⑭でも紹介した、いわゆるF式の「エアコン1台 全館冷房(除湿)」です。
※フエッピーさんのブログではエアコンの運用方法だけでなく、背景となる除湿の意義・有用性も知ることができました。貴重な情報、ありがとうございます!
我が家ではF式のセオリーにならい、冷房用エアコンを階段(兼吹き抜け)ホールに設置しており、かつ確実性を重視して再熱除湿付きのエアコン(三菱電機 霧ヶ峰、MSZ-JXV2223)を採用しています。
ちなみに、JXVの旧機種であるJXV2222に関する情報はネット上で多く見られますが、今年発売されたJXV2223に関する情報は少なく、今日時点で「JXV2223 "F式"」でググっても本ブログの過去記事「注文住宅㉓エアコン再々検討」しかヒットしませんでした。このブログがJXV2223+F式エアコンをトライされる方の事例として参考になれば幸いです。
夏用エアコン JXV2223の運用
JXVシリーズは、同じく再熱除湿機能を搭載した日立の白くまくんや富士通のnocria(ノクリア)と違い、再熱除湿と明示されたボタン/スイッチがありません。少し癖のある機種なのですが、リモコンの「体感」スイッチをONにすると再熱除湿と冷房が自動で切り替わるモードになります。「体感」スイッチOFFは再熱除湿を使わないモードのようです。このため、梅雨や秋口は体感ON、再熱不要の夏の昼間は体感OFFにすることで、消費電力を削減できそうです。
6月に梅雨入りし、F式セオリーの冷房23℃設定、風速最弱(静)で下向き設定を試したのですが、室温を測ると設定した通りの23℃になり冷えぎみになってしまう。ここで温度を26℃に設定したところ、温度が下がらず除湿が効くことを確認しました。設定は「体感」ONです。これが再熱除湿の力か…!いやはや、楽ちんだ。
夏の間に試行錯誤して、最終的には以下のように、基本的には25.5℃に設定し、風呂上がりや涼しくしたいときに温度を24.5℃程度に微調整で下げる運用に落ち着きました。

※なお、温度表示の上にある「体感」表示は、体感ON(再熱除湿有効)であることを示しており、体感ONの状態で「除湿調整」ボタンを押すと、相対湿度を40%~70%の範囲で設定できます。40%は過剰(消費電力が増える)と考えて、ここでは相対湿度を50%に設定しています。また、「ピークカット」という設定は、エアコンの最大出力を抑える設定で、エアコンのCOP(成績係数・エネルギー消費効率)の美味しいゾーンを超えないように上限側をカットすることを狙っています。
最初は、盛夏になったら再熱除湿が不要になるため、体感OFFに切り替えて運用しようと考えていました。しかし、体感ONはあくまで再熱除湿が有効ということで、常に再熱動作するわけではありません。つまり、意図的に日射を取り入れて温度を上昇させれば、体感ONのままでも再熱除湿せず、電費の良い冷房モードで動作するのです。
エアコンの自動制御は痒いところに手が届かないことが多く、例えば風向/風速自動はイマイチだったのですが、ことJXVの「体感」ONでの自動除湿モード切替は、我が家の空調環境では問題ないようです。むしろ簡単に湿度50%にしてくれる便利機能という事が分かり、最終的には盛夏も体感ONで運用していました。(もしかしたらマニュアルで細かく設定を変えた方が電気代が下がるかもですが、手間の削減を優先)
ただし、「体感」設定以外も固定設定で行けるわけではなく、盛夏の昼は設定した気温より暑くなってしまうことがあります。そうなったら温度設定を下げても意味はなく、風速レベルを上げることで調整します。風速を上げていくと劇的に温度が下がりますが、風切り音が大きくなるのと消費電流が増えるデメリットがありますので、必要な時だけ設定を変更していました。この風速も自動で適切に変わってくれると良いのですが、なぜか適温時も風速最弱の「静」でじっとしておらず、たまに風速1~2に切り替わりがちで、ここはマニュアルで「静」に固定するのが良いです。
JXVは赤外線センサで床や壁の温度を見ているようですが、我が家は吹き抜けに設置しているため温度が適切に測れないのかもしれません。便利なJXV君ですが、ここが残念なところ。
ちなみにF式を極めている方々の中には、除湿能力を最大限に引き出すために、エアコン給気口にタオルを置く技(タオル マシマシ)の使い手がいます。これは風量を限界以上に落とすことで、エアコンの能力値を冷却側から除湿側へシフトさせる効果が得られます。私も最初は見よう見まねでタオルを試し、除湿に全振りしたい時期は再熱モードが減ることでエアコンが100W以下で動く時間が長くなりました。つまり電気代が下がるということですね。一方で、夏は昼に冷却も多少は頑張ってほしく、風量を回復するためにタオルを外したくなります。そのためには、エアコン上部のタオル操作のために朝晩にエアコン横の腰壁に乗って作業する手間が発生。これが地味に面倒なのです。また、あまりにも風量を落とし過ぎると液バックでエアコンが壊れるリスクもあり、現在はタオル無しでエアコン防塵フィルターだけ常設しています。
この風量抑制についても、JXVに「静」以下でエアコンが湿り運転にならないギリギリ最弱風量のモードがあれば解決できますので、今後の新機種に期待です。エアコンを買い替える約15年後に高気密高断熱住宅やF式が広まり、除湿重視のニーズが一定数あることをメーカが理解して対応してくれると良いのですが。
夏の終わり 後片付け
外気の絶対湿度が安定して12g/㎥を下回るようになったら夏用エアコンの運用終了です。例年は秋分の日くらいには暑さが落ち着くのですが、今年は10月になっても屋外の絶対湿度が20g/㎥を超える日がありました。ようやく絶対湿度が落ち着いたのは10月10日の体育の日。これで6月から4か月間x24時間動いてきたエアコンも休息に入ることができます。

なお、JXV君は電源をOFFにすると、カビ対策のクリーニングモードに入り、送風が数分行われます。しかし、エアコンの内部に仕込んだ湿度計は、クリーニングモードが終了しても内部湿度が高いことを示していました。ということで、念のためマニュアルで強風の送風設定をして、半日以上乾燥させました。エアコンの送風口内部の絶対湿度が12g/㎥を下回ったことを確認し、追加クリーニング完了です。
あとは、来年の6月まで夏用エアコンはお休み・・・と思いきや! 今年は秋も異常でした。
11月に夏日+雨
前回のブログ記事(紅葉の中禅寺湖 男体山を歩く、ほか諸々)で、11月3日からの3連休が夏日だったと書きましたが、その連休を終えても気温は下がるどころか、月曜も気温が高いまま。そして、月曜の夜から雨が降り、火曜の朝は暴風雨になったのです。
11月7日(火)の朝、仕事を始めるためにDEN(仕事部屋)に入り、モニタ代わりに置いているスマートフォンの電源を入れると、外気温は21.8℃に落ちたものの、絶対湿度が17g/㎥を超えている!
ということで、お休み中のエアコンに再登板してもらいました。

↑はエアコン稼働直後のスクショ、外気:右上で21.8℃、17.08g/㎥を示す
洗面室は朝風呂後+洗濯乾燥中のため、相対湿度66%になっていました。湿度が多少60%を超えても余り気にする必要は無いのですが、火曜の天気予報は最高気温27℃。高湿度が続く可能性もあると考えて、安全をみてエアコンで除湿したのです。
なお、今日11月8日になって庭の温湿度計の記録を見返してみると、屋外の最高気温は27℃、絶対湿度は最高18.82g/㎥に達しており、目安の12g/㎥を大きく上回っていました。

ちなみに東京都心の気温は27.5℃で、これまた1923年の11月最高気温の記録を100年ぶりに塗り替えて過去最高。おまけに11月の夏日が3日目というのも観測史上初とのことです。いやはや今年は異常だ。
・・・いや、気温上昇傾向を考えると、今後「2023年はマシだった」と言われる可能性は十分あり得ますね。ボス戦と思っていた2023年が、後になったら実は雑魚キャラだったみたいな。
何はともあれ、暑すぎた今年の夏も、エアコン1台で十分に湿度/温度をコントロールできました。感触的には、まだエアコンに余裕ありで、多少平均気温が上がっても何とかなりそうです。これは高い性能の家と、エアコン運用のノウハウを蓄積してきた方たちの賜物。感謝しかありません。
私のブログの情報も、これから家を建てる方や、F式運用の事例の1つとして参考になれば幸いです。
ご参考:梅雨入りのエアコン始動記事です↓
お決まりのハッシュタグを書いて終わります。(ヤマト住建の公式アンバサダーになった経緯はコチラ)
#ヤマト住建公式アンバサダー