空と山と暮らし

パラグライダーと山歩きの記録、ときどき家と暮らし。

冬の高気密高断熱住宅で狙う湿度レンジ

先月初旬に冬の加湿について記事にしました:

12月1日時点では『加湿器を買うなら加湿性能と消費電力のバランスから「気化式」か「気化ハイブリッド式」を考えています』と加湿器を買う気満々でした。しかしその1週間後、お風呂のお湯貯めの加湿効果が想像以上でして「加湿器はいらない…?」という記事を書き、年末にも「太陽光発電は冬至にどうなる?」で加湿状況を再確認して、加湿器の購入を様子見にしていました。

日射取得で部屋が暖まる昼(屋外の絶対湿度:2.90g/㎥)でも屋内の絶対湿度は9.56g/㎥を維持しており、各部屋の相対湿度も一般的に推奨される40%~60%の範囲に収まりましたので、加湿器は不要かな、と。

ところが1月に入り少し様子が変わってきましたので、今回はそのことを記事にしてみます。

─ 目次 ─

暮らしの変化

1月に入って変わったのが週末の過ごし方。師走は忙しいと言われますが、我が家もそれに漏れず色々な行事があり、宿泊の山行は「12月2日の霊仙山を歩く」の1回だけ。その後は年末年始まで大掃除や会合の合間に日帰りでフライトに行く程度で、つまり12月は在宅が多かったのです。

ところが年末からは、実家行脚で長く家を空け、その翌週(先週末)は宿泊スキーで家を空けました。これから雪山シーズンですので、今後もスキーや雪山に泊りで行くことが増えることが想定されます。

で家を空ける機会が増えるとどうなるか。生活の自然排湿が激減します。

外泊時の湿度変化

下図は先週末の我が家のLDKの相対湿度の記録です。スキー出発が1/13(土) AM4:00、AM6:00時点は湿度が51%ありましたが、帰宅した翌日1/14(日) 20:00時点は下限ギリギリの40%に到達。

 

泊りに行けば人間の呼吸等の排湿が無くなり、洗濯乾燥機や食洗器も使いません。お風呂は水を貯めているものの、冷めきってサーキュライトを稼働しても水の蒸発量は下がります。加湿量が変わらないのは、出発前に水を多めにあげた観葉植物くらい。一方、高気密高断熱住宅では室温が下がりにくく、(全熱交換換気は顕熱より潜熱の方が交換効率が低く室温より絶対湿度の方が維持しにくいため)、相対湿度が大きく下がり40%ギリギリになってしまうのです。

 

人が居なければ乾燥しても良いという考えもありますが、

  • 帰宅後の自然加湿に時間がかかる
  • ピアノのあるLDKは外出中も湿度を安定させたい

という点から、在宅中の暮らし方の工夫だけでは湿度管理に限界がありそうというのが見えてきたのです。で、最後の一押しは「肌保湿のため家の湿度を高めにしたい」という妻からのリクエスト。これに応えないわけにはいかない…!

期待する湿度レンジは?

長期外泊時はさておき、暮らし方の工夫で加湿器なしでも一般的に推奨されている相対湿度40%~60%に収まります。ただ湿度60%は水分量で40%の5割増しですので、物理的には大きな変動量です。我が家のパターンとしては、夜の風呂上りに相対湿度が60%近くなり、洗濯乾燥や食洗器が動く午前は50%台を維持し、昼から夜にかけて40%台になるのですが、午前/午後で肌の乾燥感に違いがあることが体感で分かります。

そう考えると、一般的によく言われる冬の40%~60%の湿度管理というのはちょっと範囲がラフすぎる気がしていまして、快適性を真剣に考えるなら、狙うべき湿度レンジを絞る必要があると考えるようになりました。去年の冬までの賃貸時代はそこまで追求しなかった(そもそも低気密低断熱では実現しえなかった)のですが、新居では夏にF式+再熱除湿エアコンで相対湿度45%~50%をキープでき快適でしたので、相対的に冬の湿度管理が雑に思えてきたのです。

さて肌保湿について調べてみると、湿度60%が保湿に良いとか、人によって角質層は65~75%が良いとか色々な説がありました。さすがに70%まで行くと樹脂サッシ/断熱壁/屋根の結露やカビ発生リスクがありますので、そこまでは攻められない。もう1つ、ピアノは調律師さんのブログ曰く、許容レンジは広めなものの温湿度の変動が良くない模様。

これらを勘案して、今シーズンは湿度レンジ55%~60%を狙ってみることにしました。

・・・うむ、ストライクゾーンが狭い。

これを狙うとなると暮らしの工夫では限界がありまして、潔く加湿器を導入することにしました。

加湿器の検討

加湿器を購入するにあたり、まずどの程度の加湿性能が必要なのか試算してみます。

前記事に書いた通り、我が家はヤマト住建標準のPanasonic製 全熱交換式の第1種換気を採用しており、C値0.4では換気で排出される水分の52%を回収できる見込みです。

さらにPanasonicの熱交気システムは風量設定として「自動」「標準」「弱」の選択があり、「標準」では設計時の換気基準:0.5回/hの風量になりますが、通常使いの「自動」設定ですと環境に応じて風量「弱」レベルまで適宜絞られます。

冬の実動作は、風音というアバウトな観測ですが、「弱」レベルでした。LDKに設置したCO2センサは常に700ppmを下回っていますので、換気量を絞って問題ないようです。換気基準:0.5回/hは少人数の家では過剰と言われることもありますが、このような風量制御により、設計値以上に水分ロスを少なくできているという印象です。(風量が下がると全熱交換の潜熱回収効率が上がります。これにより加湿器なしでも冬の相対湿度40%を維持できていたのかもしれません)

この家の換気性能と暮らしの生活排湿により、水分量としては悪い時でも相対湿度40%でバランスしており、ここから+15%アップで相対湿度55%を狙うことになります。室温22℃で考えると、絶対湿度:7.77g/㎥→10.7g/㎥に加湿です。居室(扉開放の玄関等含む)の気積が230㎥ですと、(10.7-7.77)×230 ≒ 674mLを追加で加湿することになります。

さて、加湿性能p [mL/h]の加湿器をn時間動作させた時の水分増加量v [mL]は、超概算で次の漸化式になります。(外気湿度0%の最悪値想定)

 v_0 = 0

 v_{n+1} = (v_n + p) × (1 - a \times (1 - b) - d)

・a: 換気回数 (0.5 [回/時]) ※冬季の自動モードは0.3だが、設計値を使用

・b: 潜熱回収 (0.7)    ※潜熱交換は顕熱より効率悪く70%に低下

・c: 気密性能 (0.4 [c㎡/㎡]) ※我が家

・d: 漏気量 (0.04 [回/時]) ※東京住宅街の冬季気温差でC値0.4から推定

 

分単位で概算水分増加量を確認するpythonコードを書いてみました:

def f (p, n, a = 0.5, b = 0.7, c = 0.4):
  k = 1 - a / 60 * (1 - b) - c / 10 / 60
  v = 0
  for i in range(1, n + 1):
    v = (v + p / 60) * k
    print("%3dm (%d:%02d) %.1f" % (i, i/60, i % 60, v))

さて、どの程度の時間で加湿させたいかですが、基本的には加湿器は動かしっぱなし運用を考えていますので、急速な加湿はそれほど必要ない想定です。例えば加湿性能:300mL/hの加湿器の場合、上記計算では2時間57分で+676mLになり、必要な水分量674mLを超えます。3時間未満なら許容範囲ですね。ちなみに漸化式の先を計算してみると、約40時間後に+1,574mLに到達し、それ以上は湿度が上がらなくなります。これが我が家における加湿性能300mL/hの加湿器の限界値。ただし、この時の相対湿度は75%でカビ限界を超過していますので、設定した湿度で自動停止する機能は必須ですね。(到達前に水タンクが空になると思いますが、一応)

もちろん、これは相対湿度40%下限に落ちた環境の最悪値で、ベースの相対湿度が高ければもっと時間が短くなります。また安全をみて加湿性能500mL/hにすると、1時間34分後に+676mLになりますので、クイックな加湿を求めるなら上位機種といったところでしょうか。ウチとしては加湿性能300mL/h程度で十分に思います。この性能でコスパの良い加湿器を探してみましょう。

今おススメ加湿器は?

温熱の神様 松尾設計室の松尾さんは気化式を推奨です。

松尾設計室ブログの別ページではPanasonicの加湿器を紹介していました。運用コスト(電気代)の点では気化式が圧倒的。これが鉄板ですね。ただ、情報が2019年と古いので、念のため最近の情報も押さえておきたい。

そんな時にタイミングよく、以前にもブログで紹介した「家づくり せやま大学」の瀬山さんが加湿器選びの動画を公開されました。

こちらは、気化式+過熱式のハイブリッドを推奨です。運用コストとしてメンテの手間等も考慮してコスパの良い加湿器を選んでいました。せやまさん紹介の機種はダイニチで、おそらくこちらの安価なアウトレット品。

【楽天市場】【数量限定アウトレット】ダイニチ 加湿器 ハイブリッド式 プレミアムブラウン プレハブ洋室24畳 木造和室14.5畳 HD-RX900A(T) 0H46690:ダイニチWebShop 楽天市場店

進化の少ない加湿器業界では、1年前の型落ち品でも問題ないという判断でしょう。ポイント還元分を単純に引くと 18,000円で、確かに安い。さすが、良いアイテムを見つけてきます。

ダイニチは気化式+過熱式のハイブリッドですが、「ecoモード」にすると消費電力18W(加湿量460mL/h)の気化式固定で動作させることもできます。先の計算式では1時間44分で+678mLに到達。そして急ぎの時は消費電力500Wで加湿量960mL/hのターボモードにもでき、なんと46分で+684mLに到達できます。我が家では、ほぼecoモードしか使わないと思いますが、いざという時のブーストは便利ですね。またタンク容量が6.3Lと大きく、水の補充頻度が少ないのも良いです。また、ダイニチは静穏性にも定評があるようで、我が家はLDK横の和室の冬用エアコン下に設置予定なのですが、LDKが静かになるのは大きなメリットです。

 

一方、気化式のPanasonicですと、今買うとしたら Panasonic FE-KFW07

kakaku.comの最安値が22,985円で悪くない。加湿性能は「中」モードの6Wで500mL/h、ターボは16Wで800mL/hとダイニチより更に省エネ。特にターボモードでも消費電流の増加が抑えられているのが良いですね。ただ、タンク容量が4.2Lと小さい点と、希望湿度の設定が無く恐らく60%固定(ダイニチは50%, 60%, 70%の設定ができる)という違いがあります。特に後者の湿度設定機能が気になりまして、例えばダイニチでは

  • 万が一樹脂サッシが結露する場合は設定湿度を50%にできる。
  • 長期不在の時にできるだけタンクを温存するために50%に落とす。

といった融通がききます。ということで、今回はダイニチで行くことにしました。

購入した加湿器

ダイニチに決めたものの、アウトレット品というのが少し引っ掛かりました。で、今の最新機種を調べたところ、2023年8月発売のHD-RXT723がヨドバシカメラで値引き販売されていました。

ネット販売モデルのHD-RXC700(中身はRXTと同一)より安価で、ポイント還元分を引くと20,358円。アウトレット品との差額は2,358円。うむ、悩む。

なおアウトレット品の旧型RX900と違い、こちらのRXT723はターボモードの消費電力が310Wで800mL/hの加湿性能になります。これでも十分ですし、一番使う「ecoモード」の消費電力は18W(加湿量460mL/h)でRX900と同じ。性能面では大きな差がありません。となると、あとは新型モデルチェンジでの細かな改良点の差になります。ここで新型にはデザインの洗練化以外に新たな機能が加わったことに気づきました。それが「カンタン取替えトレイカバー」。

今までダイニチの最上位機種にしかなかった交換式のトレイカバーが、去年モデルからミドルクラスのRXT(RXC)シリーズにも採用されたのです!

もともと抗菌気化フィルター(上図の青いフィルター)は赤い使い捨てタイプに交換可能ですが、その下の水の溜まるトレイは汚れやすく定期的に洗う必要がありました。ここが使い捨てできるようになります。カバーは500円/年と高めですが、利便性(日々の清掃の時給換算?)を考えたら十分アリではないでしょうか。(本当に節約するなら、カバーの上にラップして使い捨てるのもアリかも?)

 

ということで、最終的には新型RXT723をヨドバシでポチってみました。すぐに出荷の連絡が来て、明日1月19日に届くようです。1月20日大寒の前に到着しますので、入手したらいろいろ実測してみようと思います。

 

お決まりのハッシュタグを書いて終わります。(ヤマト住建の公式アンバサダーになった経緯はコチラ

#ヤマト住建公式アンバサダー

#yjオーナー

正月に高幡山を歩く

1月7日に今年初の登山に行きました。とは言っても、高幡不動尊詣でのついでに裏山歩きをしただけですが。いちおう丘ではなく、高幡山という立派な山名がついていますので、その記録を残しておきます。

─ 目次 ─

ロケーション

高幡山は東京都日野市の京王線 高幡不動駅から南西に200mほどの位置にある標高126mの山です。山というには小さいですが、そこから西側に多摩丘陵が続き、長沼公園まで歩くと10kmほどの距離になります。

今回は最後の都立長沼公園から土手を散策して南平駅チカのスーパーまで歩き、合計12kmの行程になりました。

高幡山

高幡山は高幡不動駅から高幡不動尊の参道を通って約200mのところにあります。この山(?)への取り付きポイントは多数ありますが、今回は五重塔の裏手から上るルートにしました。階段は多めですが、標高が低いため正月休みの運動としては負荷が低め。

なお目印の札が多数あり、迷う事はありません。高幡山の山頂からは都心方向が見渡せ、スカイツリーも見ることができました。

七生公園

高幡山から南西へ市街地を800m程ほど歩くと、七生公園に入ります。この公園は山の南側に多摩動物公園があり、その境の稜線を歩くことができます。稜線からは動物園の鷹カゴや猿山(オラウータン?)をコッソリ見ることができるお得なルートです。

平山城址公園

七生公園から更に南西へ旧多摩テック跡地を経て、平山城址公園に入ります。こちらは南側に東京薬科大学があり、その境の稜線を歩くことができます。なお、公園西側の「猿渡の池」の周辺は生物多様性保全整備工事が行われていました。何やら新しいウッドデッキやテーブルを製作中でした。1月下旬まで工事とのことでしたので、桜の咲く季節になったらまた来てみたいです。

公園の西端の六国台まで来ると工事はしておらず、展望台に上って奥多摩の山々が一望できました。中間地点ということで、ここでコーヒータイムにしました。

写真は、12月3日の霊仙山の時に寄った彦根城城下の菓心「おおすが」でゲットした茶菓子。おいしい。見た目よりカロリー高そうだけど、山歩きで食べるなら体重は増えないはず(?)

都立長沼公園

平山城址公園からまたまた南西へ丘陵地を抜けると、ラストの都立長沼公園に入ります。公園としての面積は今回最大。指導標も山っぽいです。

残念ながら長沼公園も工事が行われており、一部園路が通行止めでした。法面改修とのことで2月末まで通れないルートがかなりあります。今回は通行止めルートを避けて北の駐車場口に下山しました。

 

さて、お手軽な裏山と侮ることなかれ、実際に来てみるとなかなか歩きごたえがありました。工事が終わる3月以降(できれば桜の時期)に、もう一度歩いてみようかな。

 

今回の山歩きの詳細記録はこちら。

家の中で一番好きな場所

今回は我が家を建てたヤマト住建の「2023冬フォトコンテスト」に乗っかってみることにしました。

─ 目次 ─

家の写真

過去記事で家の写真をいくつか載せてきましたが、振り返ってみるとほぼ設備に絡んだ説明写真でした。これはブログの発端が注文住宅設計時の備忘録という位置づけが強かったからで、いわゆる映え写真というものが無い。そんな状況でしたが、アンバサダーをしているヤマト住建で、「家の中で一番好きな場所」のフォトコンテストが開催されまして、これは良い機会と思い部屋の写真を撮ることにしました。DIYがまだまだ進んでいない今の状態を残しておく機会にもなりますので。

さて、一番好きな場所と言われると、どこが良いか悩みます。

我が家ならではの特徴としては、パラグライダーと登山のザックを車に簡単に積み込める動線にした玄関収納がありまして、ここが第一候補。昨日フライトに行ったときも、今日山を歩いた時も準備がスムーズにできて大変便利なのです。

そして、二階のベッドルームとの仕切りを開けた状態の2ndリビングの解放感も好きで、週末の朝ごはん場所としてゆっくり時間を過ごしており、また平日はテレワークの合間のストレッチ場所として活用しています。ただ外の景色が映ってしまうからブログ写真としては微妙かな。

そのほか、色々DIYしたり空調の工夫をした洗面ルームもお気に入りなのですが、こちらは既に設備写真として写真をアップしていますので、順位は下がる。

うーん、どこにしようかな。

家の中で一番好きな場所

で、色々考えたのですが、結局いつも過ごす一階のLDKを撮ることにしました。

リビング写真はありきたりになりがちかなーと思ったのですが、我が家のキッチンは設計士さんと検討した少し変わった造作のスパイスニッチ(のようなもの)があります。上段は料理を並べられるカウンター、下段にスパイス諸々が置ける収納にしていまして、キッチン側からもダイニング側からも物を取り出せるようにしています。このスパイスニッチは、週末のパラグライダーや山アイテム以上に毎日便利に使っておりまして、やっぱり家の中で一番好きな場所といったらココ。

ということで、リビングでピアノを弾いている妻を日々使っているスパイス越しに撮ってみました。

 

お決まりのハッシュタグを書いて終わります。(ヤマト住建の公式アンバサダーになった経緯はコチラ

 

#ヤマト住建_わたしのいえ

#ヤマト住建公式アンバサダー

#yjオーナー

太陽光発電は冬至にどうなる?

今日は新居に引っ越してから初めての冬至です。太陽の南中高度は東京で約32°となり、1年で一番低くなります。太陽光パネル発電効率が入射角の観点で最も悪くなる時期ですね。年1回の機会ですので、今回は冬至太陽光発電の状況を確認してみました。

 

─ 目次 ─

太陽光パネル

我が家の太陽光パネルの積載量は3kWです。ファミリー向けに推奨される5kWを載せられると良いのですが、東京の戸建て住宅はなかなか厳しい。ただ、設計当初は2kW位しか載らないかもと言われていましたので、設計士さんと工夫して3kWまで増やすことができたことに満足しています。(とはいえ、昨年に注文住宅⑱BELS、太陽光発電、省エネ で「ペロブスカイトが安価になれば南西壁面に太陽光パネル(シート)を増設」と書いた通り、将来の技術進化で4~5kWへ増設することもコッソリ狙っています 笑)

さて、ファミリー向けとして3kWは少ないものの、我が家のような二人暮らしでは自家消費メインで考えると、実は良い塩梅の発電量にも見えていたりします。少し実態を見てみましょう。

引っ越し後の発電量

我が家はヤマト住建で建てておりまして、標準仕様でHEMS対応のためPanasonic製AiSEG2のモニタで電気の使用状況が簡単に確認できます。引っ越し後の記録写真にAiSEG2を写したものが残っていました。

日時は4月7日 9時13分。搭載している太陽光は3kWですが、それを超える3.4kWを発電してくれていますね。当時はエコキュートの昼沸かし設定をしていなかったので、朝食後の9時頃から手動でエコキュートを沸かすようにしていましたが、十分余力がありました。

その後の夏は、連続稼働する家電としてエコキュートの他に24時間連続稼働のクーラー(100-300W)、朝食後にまとめて行う食洗器(100-700W)、朝の着替え後の洗濯乾燥機(350W)、8:00-19:00位の仕事用PC群(100W)が主な機器で、変動はありますがMAX約2.2kW。太陽光が強く降り注ぐ時期は余力がありました。売電するので無駄にはなりませんが、ある意味やや過剰だったとも言えます。

冬至の発電量

そして12月になり、今日が冬至。今はエコキュートを自動で昼に沸かす設定にしていまして、稼働時間は外気温や消費湯量で変動しますが、冬は11時過ぎから14時くらいの3時間で沸かしているようです。スマホの自動キャプチャ記録を確認したところ、今日は11:20からエコキュートが880Wでフル稼働していました。それに加えて、食洗器(630W)と洗濯乾燥機(350W)が動き、2Fで仕事PC(100W)が動いていました。その時の、消費電力が2.0kW。

お昼前には食洗器と洗濯乾燥が完了しますので、連続稼働する家電群は11時台が日常のピークです。

で、その時の発電量が2.1kW。夏の発電量と比べると大幅ダウンなのですが、冬は24H稼働のクーラーが無いこともあって、使用量との対比でみると狙ったようにイーブン! ちょうどよい塩梅なのです。

 

ちなみに日中は日射取得で暖まりますので、暖房は室温の下がる夕方からスタートで良いのですが、太陽光で自家消費できる時間に家全体を過剰暖房で暖めることもできます。1Fエアコン(ノクリア)は、起動後しばらく800Wの大電力で動き、室温が24℃になると後は120W程度でエコ稼働になりますので、我が家は太陽光の自家消費が使えるうちにノクリアを初動させるように運用しています。(エアコンのオンタイマーをエコキュートが終わっている14:30にするだけ)

こう運用することで、3kWの太陽光を余すことなく自家消費に当てることができています。(売電は3,000円/月位になっちゃいますが、売電はオマケ扱いです・・・)

 

少し話が脱線しますが、月初の記事:加湿シーズンのための暮らしの切り替えで、湿度管理のことを書きました。冬至の今日は屋外の絶対湿度が写真の通り2.9g/㎥(11℃ 29%)と低いですが、加湿器無しで約50%の相対湿度が維持できています。先々週の記事:加湿器はいらない…?エコキュートの凍結防止措置としてお風呂のお湯貯めを始めており、これが湿度に対しても期待以上の副次効果になりました。お風呂の湯温が下がる朝に食洗器と洗濯乾燥機をスタートしている(水蒸気が発生する)ことも、バランスの良い加湿になっているのかもしれません。洗面所だけ相対湿度が55%と高めなのは、お風呂隣接なのと洗濯乾燥機が洗面所で動いているからだと思います。ということで、加湿器の購入はしばらく見合わせになりました。

2人家族はパネル3kWでもOK説!?

冒頭で、ファミリー向けに推奨される太陽光パネルは一般的に5kWと言われていると書きましたが、やはり暮らし方次第だと当たり前のことを再認識しました。一般的には恐らく4人での暮らしを想定していると思われ、単純に人数比にはなりませんが、二人暮らしは明らかに必要な電力が下がります。光熱費を下げるための高断熱高気密が効いていることもありますが、思ったより電気を使わないのです。

ということで、先の「ペロブスカイトでパネル増設案」も暫く見合わせです。もちろん、将来EVを買って太陽光で充電したり蓄電池で夜間電力も賄おうとしたら再検討になるかもしれませんし、エンジニアとして興味本位でパネル増設したくなるかもしれません。その機会があれば、また記事にしてみます。

 

お決まりのハッシュタグを書いて終わります。(ヤマト住建の公式アンバサダーになった経緯はコチラ

#ヤマト住建公式アンバサダー

#yjオーナー

窒化鉄フライパン「COCOpan」を買ってみた

今回は、ちょっと変わった素材の調理器具について書いてみます。山へ担ぐにはやや重いモノのため、いつもの空や山向けの話ではなく、家での暮らしのことです。使い勝手が良い素材でしたので、手元にある他の調理器具と比べてどう違うのかをまとめてみました。

 

─ 目次 ─

購入したモノ

我が家はIHのため、調理器具は基本的にIH対応のもので揃えています。一応ラジエントヒーター付きのコンロですのでIH非対応の鍋も温められますが、ラジエントはIHに比べて熱効率が悪いため使用は消極的です。というか、我が家は3月に引っ越してから1回もラジエントを使っていません。恐らくこのまま使わず終わりそうな気がします。こういう状況ですので、ここで登場するのは全てIH対応の調理器具になります。

今回購入したのは「極SONS COCOpan (ココパン)」。お皿としても使える「モーニング」タイプで、21cm、23cm、26cmの3サイズがラインナップされており、一番大きな26cmにしました。これは底面が19.5cmで、IHの20cmコイルに合うため熱効率が良いです。

サイズ感がわかるよう、比較用に「ほりにし」と並べて撮影してみました。

 

さて、このフライパンを購入するに至った経緯なのですが、最近マイブームでパエリア熱が数年ぶりに再燃しており、そこで今の手持ちの調理器具に難点が見えてきたため必要になったのです。ということで、改めて今のレギュラーの調理器具を確認してみます。

 

レギュラー調理器具

まずはステンレスと鉄の調理器具。

右2つがステンレスで、小さめの16cmパン(ZWILLING製ピコ フライパン)と18cm鍋(ヨシカワ製雪平鍋 aikata)。丈夫でメンテの手間がかからず長持ちするので重宝しており、2つとも毎朝みそ汁と目玉焼き作りに活躍してもらっています。ステンレスパンは使用前に油でコーティングすれば食材がくっつくこともなく、使い終わった後にそのまま食洗器に放り込むことができるのが楽ちんですね。

左は一般的な26cmの鉄フライパン(藤田金属ソテーパン スイト)で、肉などの焼き物メインで使っています。ステンレスと同じように長持ちするは良いのですが、使い終わった後に油を刷り込む手間がかかります。もちろん食洗器もNG。この点が日々使いには合わず、使用頻度は低めだったりします。

 

次がアルミ系の調理器具。

よくあるテフロン加工のフライパンで、左が20cm、右が26cmです。大きいフライパンは、取っ手が取れるタイプが収納に便利です。取っ手が取れるシリーズを出しているメーカは何社かありますが、我が家は利便性を重視して食洗器OKなサーモス製 取っ手のとれるフライパンで揃えています。この2つも普段使いに大活躍してくれています。調理を終えたら食洗器に入れるだけというのが何ともお手軽です。

ただし、やはりテフロン加工の宿命でコーティングに気を使います。直接フォークやスプーンをパン底にあてるのはNG。調理で高温にならないように注意して使っても次第にコーティングが剝がれてきます。テフロンの再コーティングという技もありますが、DIYは難しく業者に依頼すると高価です。10年ほど前に登山用のチタン製コッヘル/蓋にテフロンコーティングを施工したことがありますが、合計5,000円程しましたので、よほど特別なモノでなければ買い替えになりますね。最近は高耐久コーティングの製品もありますが、それでも5年を超えたら寿命というのが一般的ではないでしょうか。

 

それと比較すると、コーティングの無い鉄やステンレスのフライパンは寿命の考え方が別次元です。冒頭の鉄フライパンは5年生ですが、ヘタリ感は無く、取っ手をメンテすれば一生ものです。荒く使っても良いのは心理的にも良いですね。

パエリアに適したパンは?

レギュラーチームの中でパエリアをするとしたら、鉄フライパン一択です。調理してそのまま食卓に出してフォークで食べるため、テフロンのフライパンは使えません。そして、目玉焼きに使っているステンレスパンでは小さすぎるため、消去法で鉄フライパンが残ります。もちろん調理のみでいえば、賃貸時代のガス火でも新居のIHでも問題なく鉄フライパンでパエリアを作れました。

しかし、この鉄フライパンにも課題がありまして、それが取っ手と調理後のメンテ。パエリアを食卓に出す時に取っ手が邪魔で、収納でも場所をとります。そして、鉄フライパンのため、調理後に油のメンテが必要というのも地味に手間だったりします。

 

この点を解決したく、できればステンレスで取っ手の無いフライパンをと探してみたのですが、いわゆるパエリアパンとして販売されているものは、もれなく小さな両手持ち取っ手が付いています。食卓に出す時には小さな取っ手があっても良いのですが、収納まで考えると取っ手が微妙に邪魔。なのに、そのような取っ手無しのフライパンを探せども何故か全然ない。取っ手の無いフライパンに限定して探してみると、ほぼテフロンコーティング付きのフライパンになってしまうのです。

かなり探し回っても見つからず、取っ手無しのフライパンを諦めかけていた時、テフロンコーティング無しのフライパンで取っ手も無いものが見つかりました。それが「極SONS COCOpan」。

ただCOCOpanは鉄製でした。調理後の油メンテが面倒だよな・・・と思いきや。窒化鉄加工の素材を使っていると記載があります。曰く「従来の鉄フライパンで必要なメンテナンスが必要ない」と。ホント!?

高強度で軽量とか、焦げずらいとか、他にも窒化加工のメリットは色々あるようですが、私としてはメンテ不要が最大の推しポイントでした。新素材のフライパンですので、エンジニアとして新技術なら試してみたいという好奇心が湧いたこともあり、珍しく衝動買いに近い形で購入ボタンを押していました。

 

さて、このCOCOpanシリーズはパンの形状が豊富なのですが、パエリアに使うなら「COCOpanプレミア」(写真左)か、「COCOpanモーニング」(写真右)が良さそうです。

 

COCOpanのホームページの料理例を見ると深さのあるプレミアかより深いレギュラータイプを使っているように見えますが・・・

レギュラータイプはパエリアパンとしては深すぎるのでは?

 

汎用性を求めるなら程よい深さのプレミアタイプが良さそうですが、パエリア重視で考えたらモーニングがベスト。うーむ、悩む。最終的には、食卓でそのままお皿になるメリットが最大限に活かせるモーニングを選択したのでした。

 

購入時にもう1つ迷ったのが、上の写真のように取っ手付きを買うか単品買いにするかどうか。というのも、我が家には既にサーモスのフライパン用の取っ手があり、これがCOCOpanでも使えるのでは、と思ったのです。これは、もしダメでも追加で単品購入すればよいかと考えて、取っ手無しで試してみることにしました。

 

Amazonで購入して届いてみたので早速サーモスの取っ手をはめてみると・・・

なんとピッタリ!

 

メーカ保証の無い組み合わせなので自己責任なのですが、がっちりロック出来て、逆さにしても外れません。やったぜ。

 

そして、蓋も手持ちの26cm用フライパンのものがそのまま流用できました。

蓋の下面がパンの直径より僅かに小さく、蓋の水滴が外に落ちないベストサイズでした。素敵すぎる。

パエリアを作ってみた

で、到着した日の夜にさっそくパエリアしてみました。薄いモーニングなので具材が蓋に触れずに盛れるか心配でしたが、二人分のパエリアの分量なら全く問題なし。食卓に出すとお皿と同じ形状ですので、とても食べやすかったです。

が、ここで1つミスをしまして、初回に上手くできたことに喜んでしまって、写真を撮り忘れました。ということで、パエリア写真はまたいつか。

そして食事後はたわしで軽く洗うだけでOK。鉄フライパンでは考えられない手軽さです。本当に錆びないかは、今後のお楽しみですね。

 

[12/24追記] 2回目のパエリアは忘れずに写真を撮りました:

お米1.5合+シーフードをベースに、クリスマススペシャルでチキンを追加しテンコ盛りになりました。モーニング26cmパンの場合、これでギリギリ蓋に届かない量でした。

なお油でフライパンが馴染むとサーモスの取っ手は滑ってしまったため、1,800円で純正取っ手も購入しました 笑

 

さて、モーニングはパエリア以外にも使えますので、登板回数は多めになる見込みです。モーニングというくらいですので、目玉焼きにも使ってみようか。

これから長く使えるといいな~。